soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/02/19 Incubus @ なんばhatch

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高校時代からずっと前から聴いてたバンドだけどライブ見るのは初!


よかった〜。
ヘヴィグルーヴなリフでラウドロックなんだけど大人の落ち着きもあった。
歌も演奏も上手いなぁ。特にドラムのタイトかつパワフルかつ手数が多い叩きっぷりよ!見てて聴いてて気持ちよかった!


新作中心のセトリ。
メロもグルーヴもしっかり主張するいい曲ばかりです。
過去曲はメロ重視の曲がメインかな。ガチ・ミクスチャーだった時代の曲は基本無し。
「Wish you were here」のシンガロングは感動的だった。
I wish you were here~♪×4。
シンプルだけどグッとくる歌詞です。


一番アガったのは新譜からの「No fun」。リフから歌いやすいサビまで全部が素晴らしい曲。
お客さんは落ち着いてて、モッシュ起こらず。自分のスペース/ペースで盛り上がってた&音に浸ってました。


ベースとギターの(動きの)落ち着きっぷりはラウドロックっぽさ無し;ほぼ動かないで演奏していました。


Incubusはファンクをベースにしたヘヴィロックって印象があったけど、ライブを聴くとベースがそんなにファンクしてないのに驚いた。
ギターとドラムの方がファンクに跳ねてる。ベースはむしろ落ち着いて後ろから見守ってる感じ。ミクスチャーと言われるバンドにしては珍しいなぁ。


ボーカル・ブランドンのカッコよさは変わらずだったなー。少しづつ服を脱いでくのに興奮。最後は上半身裸に。ウホー。
MCはほとんど無く。歌と音で惹きつけた約100分でした。

2018/02/17 夕凪 @ ムジカジャポニカ

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僕が初代ムジカジャポニカで最後に見たライブは夕凪になりました。


せい子さんの大自然を感じさせるパワフルな歌。そして力強いバンドの演奏。生命力と”人間”を感じるライブでした。
ムジカでのラストのライブだからといって湿っぽくもならず楽しげなステージングでした(せい子さんはハート突いたら限界っぽかったけど;)。


パーカッションの演奏が面白いなぁ。
スネアを小刻みに叩いてセルフディレイにしたり、ドコドコと民族的に叩いたり。たまーにドラムに合わせてロックなビートを叩くとコレまたカッコいい!


曲名はほぼわからないのですが、新旧をおりまぜたセトリだったみたい。
Rainbow Hillでよく聴く曲(最近の曲)も十数年前の曲ってのも全部よかった。最後はラブジョイの「野の人の野のうた」のカバーで終了。
ムジカらしい歌と音楽と笑顔に溢れた一夜でした。




僕がムジカに行き始めたのはここ3~4年。短い間だけど思い入れがあります。
まず入った瞬間に”なんじゃこの空間は!?”って衝撃を受けた内装。赤を基準にサイケで怪しいモノが所狭しと並んでる空間は唯一無二でした。


それとムジカで思い出すのは、平賀さち枝さんのワンマンの開演前BGMでビーチボーイズの『pet shop』がかかってたこと。
名作と言われる今作の良さがそれまでわからなかったけど、ムジカの温かい空間で聴いてはじめて良さがわかった。
あれから昔の名作に視野が広がった。自分を変えた瞬間でした。
この体験がなかったら、素晴らしい伝記映画である『ラブ&マーシー』もアレほど感動して見ることはできなかったかもしれない。感謝です。


最後の夜もムジカで知り合った人達と終電まで飲んでました。深い話もいっぱいした。
人見知りな自分がこんなことできるのもムジカの空気だからこそでしょう。


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2018/02/16 戸川純 with Vamipillia、GEZAN、Vampillia @ CONPASS

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戸川純Vampillia、GEZAN。面白い組み合わせのスリーマン。
Vampillia → GEZAN → 戸川純 with Vampilliaという奇妙なような納得のような順番。

Vampillia

シューゲイザー、ポストロックとして最強レベルのバンドになってないか?ブラックメタルよりそっち方面の完全度がおそろしいことになってました。
envyの厳格さと、MOGWAI65dosの一番キャッチーな部分を混ぜ合わせたような音楽!
良い意味でアクが減って、シンプルに突き動かされる衝動が最高レベルに達していました。


バイオリンとキーボードの女性陣ふたりによるメロの良さがたまらん。
ギターも轟音からメロディアスなのまで良いフレーズばかり。
ギリギリな合わせ方でシンクロしてくるツインドラムも最高。
スクリームの表現力もヤバい。
最強じゃないですかー。


コントや奇抜メイクは無し。面白要素ありのVampilliaも好きだけど、マジで音楽一直線になったときの彼らは恐ろしい。
とにかくフレーズがどれも哭いてたなぁ。アレはシューゲイザー/ポストロック好きにはたまらんです。



GEZAN

GEZAN、また”次”に歩みはじめてる!


ミドルテンポ曲を中心。新曲もちょこっとかな?
バラードでなくオルタナ。時にトラップの要素もあった気がします。
マヒトさん曰く”いまはオルタナが間違いない(※うろ覚え)”だそうで。
オルタナ……。次作がスティーブアルビニのプロデュースなこと、音と姿勢を考えるとGEZANが発してこれほど説得力のある言葉はないです。


サイケもトラップもシューゲイザーもポストロックもラウドロックも、前作の肝であったパンク/メロコアも……全部を核融合させてGEZAN独自の音を作ってる。
それこそピクシーズでありモグワイでありボリスが創ってきたオルタナティブな衝動であります。オルタナ……いまのGEZANのキーワードになるな。


ハンドマイクの曲が多かった。
マヒトさんってそこまでスクリームのイメージ無かったけど今日は吠えまくってたな。野獣のような吠え方はキンブラのマーヤを思わせた。あそこまでカッコいいスクリームを持っていたとは!


後半は「wasted youth」「absolutely Imagination」とパンキッシュな曲を連発。抑えきれなくなった人たちがモッシュしまくり。
自分も感情の赴くままに歌詞を叫んで、拳を上げて、身体を反応させて動かした。気づいたら汗でびっしょびっしょ。
ラストの曲はミドルテンポで叫びまくる慟哭ハードコアな新曲でした。


ライブがはじめ、マヒトさんに”今日は楽しい最高の夜になるのは決まってるんで”と言われたとき”今の自分にそんな気持ちになれるか?”と思ったけど、音を感じてる瞬間は言われたとおりになりました。
終わったあとの落差が激しくてそれが余計ツラくもあるけど、あの数十分は心から最高な瞬間だった!


GEZANであまりに感情が高ぶりすぎて全力でライブを感じてたら体力切れたー。
戸川純の5曲目ぐらいまで倒れてました;
こんなの久しぶり。
スマホもどっか飛んでって無くなるし……(終演後見つかりました


戸川純 with Vampillia

やっぱ好きだなぁこの組み合わせ。


「諦念プシガンガ」「好き好き大好き」……名曲を生まれ変わらせるパワフルな演奏。
そして、まったく負けることない戸川純の歌の存在感たるや。
上手さじゃなくてパワーだなぁ。立って歌う頻度も数年前より増えてる気がする。


歌モノなのにツインドラムがめっちゃ映える瞬間がある。
ドコドコと民族的な感覚で叩きまくるのはスゴいとしか言いようがない。
ラストは「赤い戦車」。この曲とVampilliaの演奏の相乗効果はホントすごいなぁ。
アンコールにピアノ+ヴァイオリンの伴奏のみで「怒涛の恋愛」をやりました。


2018/02/14 bonobo @ BIGCAT

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フジロックでめっちゃ良かったbonobo。室内でライティングばりばりなライブもまた違った良さがあるはずだー、とワンマンも行ってきました。
ってか大阪でソールドアウトってすごいなぁ。来日アーティストでは珍しい。


BIGCATのロッカーがえらく減ってました。いままで喫煙スペースだったあたりの壁のロッカーとフロア後方にあったロッカーが無くなってました。今後はソールドアウト公演とか気をつけねば。




フジと同じくバンド形態のライブセット。ドラム、ギター、キーボード、3ホーン+ゲストボーカルの編成。
バンドだけどシューゲイザーでもポストロックでも無い。やはりエレクトロニカでテクノなんだなぁ、と感じました。


ゲストボーカルはフジにも来てたSzjerdene。おそらくアフリカ系の女性だと思うんだけど顔が美しい。彫刻のような美しさ。その整い方は神秘的ですらありました。
日本人じゃ絶対にない美しさだったなぁ。古代の女神が国によってどのように形作られたかまで考えてしまった。エジプトの彫刻とか。



セトリはフジロック+α。新譜の『Migration』をメインにした選曲。


前半はしっかり聴かせるサウンド中心。
リスニング・ミュージックでなくダンス・ミュージックではあるのだけれど、ときたま驚くほど綺麗なフレーズのギターやベースが入る。
派手さで奮い立たせるのでなく、選び抜かれたコード進行にウットリする感覚。
ホーン隊が厚く暖かい音でフレーズを奏でるのがグッときました。


中盤からアッパーなモードに。
「Bambro Koyo Ganda」から「Outlier」や「CIRRUS」とガチアゲモードはチカチカする照明と相まってめっちゃアガった!
音的にはそこまで派手にやってない気がするけど”爆発”より”溜め”の聴かせ方が秀逸でした。特に「Outlier」のクルぞクルぞ感はたまらん!


バンドメンバーはちょこちょこ出たり入ったり。途中でbonoboのソロDJタイムもあり。そこからスムーズにバンドが復活するのがまたカッコよかった~。
終盤もそれほど落ち着かせることなくアゲ・テンションのまま最後まで突っ切った感じ。
「Ontario」はベースとドラムが爆音でロック・バンド状態!


アンコールにはKiasmosの「Blurred (bonobo remix)」を披露!この曲がライブ形態で聴けるとは!
昨年のフジロックではまだリリースしてなかった曲なので今回が日本初披露ですな。最高!



美しさも感じさせながらしっかりと踊らせてくれた!bonoboは綺麗な音が魅力だけど根本にあるのはやはりダンスミュージックなんだと再確認。
ダンスミュージックのアクトがライブハウスでしっかり見れるのは嬉しいですなぁ。クラブとは違った良さがある。ただ人が多くてちょい踊りにくかったのが残念ではあったかな。


終盤の爆アゲっぷりはフジロックの比ではなかった!
と同時にホワイトステージのロケーションはbonoboぴったりだったんだなぁとも思いました。
岩場、少しづつ暗くなる空……はbonoboの音楽にベストマッチだったんだなぁ。アソコで見れて良かった!

2018/02/13 Father John Misty @ 梅田クアトロ

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Father John Misty、存在感がすごかった!
なんたって背丈がめっちゃデカい!2m10cmぐらいはあるんじゃなかろうか?
比例するように音のスケールもデカい……が自分のツボをド直撃するにはあともう一歩……てトコもありました。
コレだけスケールの大きい音ならせめてBIGCATサイズのハコでみたかったかなぁ、って思いも。


Father John Mistyはサングラスに髭モジャでちょいヒッピーみたいな風貌。動きもクネクネしてる。
しかし歌は一切のブレがない大木のような歌。
”エモい”とか”上手い”とかの前に”存在することにまったくの違和感/疑いようがない歌”でありました。空、山、空気……に同列でFather John Mistyの歌みたいな。


サポートバンドにギター(&キーボード)×2、ベース(&キーボード)、キーボード×2、ドラム。新譜の内容からするとストリングスがいないのは意外かも。
バンドは前に出すぎずにがっしり歌をサポート。キーボード×5になるパート割もあり。


”歌”をしっかり聴けるバンドの演奏はやはりベースがしっかりしてる。音数は少ないながら音階はよく動いてて”歌ってるベース”でした。でもFather John Mistyの”歌”はまったく邪魔しない。
バンド全体も良い意味でグルーヴが抑えられた演奏だったなぁ。気軽にノリノリってな雰囲気ではなくしっかり歌を届けてた。



ちょこちょこ轟音な演奏もあったけどメインではありませんでした。中心はあくまでも歌。終盤に一瞬だけド爆音になる場面はFather John Mistyがデカいから迫力ある;(演奏せずにポーズだけなのに
ドラムは一曲でめっちゃ面白いヒップホップ的なビート叩いてたな。


とライブ自体は良いトコロがいっぱいあったんだけど、僕の心が動ききらなかったのは自分側の気分の問題か、周りの空気が微妙だったか……。
てかシンプルに新譜で一番好きな「Birdie」と「Leaving LA」やらなかったのが大きい気がする;
「Leaving LA」めっちゃ聴きたかった~。

2018/02/11 JACQUES GREENE、Sapphire Slows、Kafuka、行松陽介 @ CIRCUS

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kafuka

ちょいアブストラクトな怪しい音像。しかしビートはしっかり効いててクラブ仕様。
後半にブレイクビーツ寄りの細かいビートで混ぜくりしながら、ウワモノを漂わせてくのはカッコよかったなー。


Sapphire slows

名前ゆえかアンビエント的なイメージを持ってたけどしっかり踊れる4つ打ちメイン。
髪を縛って、上着を脱いで少しづつ本気モードになっていくのにワクワク。
ブースでは次のJacques Greeneがセッティングしながらノリノリで楽しんでました。


Jacques Greene

今回の主役。カナダのプロデューサー/DJ。


相当にアゲまくってきた!
透明感よりガシガシ感。RAVEチックな盛り上げ方をするとこもあり。ハウス系ベースのファンキー感がたまりませんなー。
でもときおり聴こえてくるメロディが切なくて美しくて……よかったー。


フロアはスピーカー前じゃなくても踊りまくるのに必死な人たちがいっぱいでいい空間でありました。めっちゃ踊った!


クロージングの行松さんも一曲目からよかったけど始発に向けて夜の街を歩きたかったので離脱しました。


2018/02/11 STRUGGLE FOR PRIDE、FAAFAAZ @ 難波ベアーズ

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STRUGGLE FOR PRIDE

生では初見。エゲツなかった!


ウワサ通りに音が潰れまくってて、リズムもリフもぶっちゃけよくわからなくなってる。
けどとにかくキケン危険なオーラが出まくり!!緊張感が、人間の獣の部分が興奮へと変わっていくのを感じました。
その”ヤバみ”は客やハコの空気ではなく明らかにバンドが発生源。痺れる〜。


ヤバいヤバいこのままだと俺のバイオレンスがどうにかなってしまう…と様子見てたら30分で終わってしまいました;くあー、もっと騒いどけばよかった!


凶暴かぎりない音と存在。
なのにハッピーな空間なのがスゴかったです。
客がみんな笑顔。MASONNAや今のSxOxBに近い空気がありました。


ボーカルの存在感はすごい。声ってより人間としての存在が!


FAAFAAZ

パンクなファストチューンの連発。迫力や緊迫感はSFPより劣ってしまうのは仕方がなく。でもその重すぎない感じが良い空間を産んでた気もする。後半になるにつれファストチューンになるナパームデス方式でよかったなー。
ラストはデッケネのナチパンクのカバーで終了~。かっ飛ばした2組で1時間ちょいでありました。


SFPで出し切れずに行き場を失った自分のテンションが、FAAFAAZの途中でプチンとリミッター切れて思いっきり騒ぎました。やっぱ気持ちいい。躊躇する前に行かな!なんでもそうだ!