soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/09/04 RUSHBALL 2011

台風12号によって同会場前日開催のotodamaが中止、当初行く予定だったメタモも中止、そしてRUSHBALLも開催が危ぶまれる……。
そんなハラハラの夜が明けての開催。
深夜に設営を頑張ってくれたそうです。本当にありがとう。


雨が降るなかのフェスは何気に初めて。
地元は降りまくりで「ホントに出来るのかコレ?」と思ったけど次第に雨も弱まってきた。
ついに日も差してきた……ってシャトルバスまでの道のりが暑い!雨対策ばかりで日焼け対策なんかしてねーぞ!
でもこれ最後の日光でした。


バスに乗ってるあいだは曇り。
バスに乗ってる人たちを見ると雨や現地の地面状態が気になるのか不安な表情をしてる。
でもバスを降りた瞬間にPOLYSICSのハヤシの叫び声が聴こえて「ハヤシ、いつも通りやなぁw」と一気に気分が軽くなっていくのがロック好きの集まりって感じでええなー。


遠目からメインステージを見たときは「なんとか設営しました感」がヒシヒシと感じられてびっくりした。
壁や屋根にあたる部分がなくて骨組のみのステージ。本当にギリギリの開催だったんだなぁ。



会場まで歩いてるとクサすぎるメロディが聴こえきて「え!RUSHBALLで演歌?」と思ったらATMC(サブステージ)のUNLIMITSでした。クサさが極まると演歌になるよねー。


UNLIMITSを横目にオフィシャルTとタオルを買ってクロークに並ぶ。


場所にもよるけど足元は”田んぼ”でした。濡れてるってレベルじゃなくて、ドロドロの地面に靴ハマって脱げそうになるレベル。泥が飛ぶなんて気にしてられない。前日まで雨が溜まってる状態だったけど必死のポンプ作戦でなんとか歩ける状態にしたそうです。今回の設営さんには頭があがりません。


雨は土砂降りにはならなかったけど時折パラパラと降ってた。
そんな悪天候だったんで客入りも見込みの2/3くらいだったんじゃないかな?最初からトリまで前のスタンディングスペース前方へと軽々行けるような状態。そういう意味では貴重なシチュエーションでしたね。

UNLIMITS (ATMC)

明るい曲が好き。ってか『さよならバタフライ』と『ハロー』が好き。
野外で響き渡る『さよならバタフライ』のメロディはロックフェスって感じがしてめっちゃよかった。
「雨なんかに負けんじゃねー」ってMCが勇ましい。
『ハロー』の前にはComin kobeの時にも言ってた「音楽を通じて遠くに元気を贈ろう(要約)」とメッセージを送ってて「ブレてないな」と感心しました。
フェス気分を高めてくれる良いライブだった!


5曲ぐらいやってた?去年は3〜4曲ぐらいだった気がするけど、今年はATMCもがっつりやってたイメージ。

avengers in sci-fi

少し雨が降ってきた中でのライブ。
初見でしたが噂通りのスケールの大きいステージングでした。


ただ「ドロドロの地面でどう動こうか」「どこまで汚していいか」と自分がまだレディじゃなかったのが残念。
たぶん思いっきり踊れたら気持ちよかっただろうな。

0.8秒と衝撃。(ATMC)

サウンド的にはちょっと気になるバンドではあったのだけど……どうも波長が合わない。
深夜番組に出てるテンションの高いお笑い芸人みたいなノリが合わなくて2曲目ぐらいで離れる。


KEN YOKOYAMA

一発目から『Running on the widding road』!
泥なんて気にしないダイバーが次から次へとステージ前でセキュリティに下ろされ笑顔で走りながらまた戻っていくのがすげー楽しそうだった。こんな悪天候でも騒ぎ倒してる奴らがいる。このうえなく幸せな光景。


途中で(被災地への救援物資)買い出しタイムがスタート。バンドがプレイするゴキゲンなブルースサウンドに合わせて腰を振りまくる健さん。
そのままTシャツを脱いで、ズボンを脱いで、パンイチで腰を降っているところカメラが下半身にドアップ……とここまではありそうな光景だけど、なんとさらにトランクスにまで手をかけたかと思うとそのままずり下ろす!
アレは股にきれいに挾んで見えませんでしたがギリギリすぎるw
これだけデカイフェスですっぽんぽんってすげーな。カメラもココぞとアップにしやがってwww
ってかアレってあんなに綺麗に隠せるのね。出し慣れてるなw


と思いっきり笑わせてくれておいて、「来月やるAIR JAMでやるかもしれない曲を…」と『STAY GOLD』!!!
イントロが聴こえた瞬間ステージ前に入っていくオーディエンス、俺もリミッターが外れて気付いたら走ってた。笑顔のシンガロングで最高に気持よかった!ガンギマナイトでの難波さんに続いて健さんの『STAY GOLD』も聴けるなんて……。
さらに畳み掛けるように始まった「believer」もヤバかった。
ラストはファストチューンを二連発でプレイしてパンクロックなショウの終わり方。


KEN BANDはそこまで追ってなかったけど思いっきりアゲられました。ベストアクトのひとつ。

PENPALS

まさかの復活。しかもPENPALSにとって因縁のRUSHBALLで見れるなんて!今日はこれのために来たと言っても過言ではない。


……なんだけど、ライブ全体では1st中心のセトリでまったりすぎて微妙だったかも。
1st中心のセトリ。やると信じてた『Life on the way 』は無かったが無念。


とはいえ、メタリカTシャツを着たハヤシのゴリゴリしたベースアクションはかっこ良かったし、イントロからグッとくる『I wanna know』や『Tell me why』を聴いてると「Penpalsが復活したんだな」としみじみ思ったり。

FLiP (ATMC)

少し気になってたガールズバンド。
想像してた以上にライブバンド。演奏が上手い!ある程度に荒々しさもある。


特にギター。ヤンママっぽい風貌なんだけど『カザーナ』のテクニカルなフレーズも難なく弾いて、他の曲でもソロを笑顔で軽々と決めてるのは惚れた。


『ガヤーナ』はトリッキーでホント面白い曲。ただ銀魂タイアップの「カートニアゴ」とか普通の歌モノロックになるとあと一つってところはあるかな?メロディがちょい弱い。


キッズに微笑みかけるギターがとにかく印象に残ってる。
あ、あとボーカルギターの太ももと。

FLiPを見たあとはメシを食ったり、トイレ行ったり。どっちもほぼ待ち時間ゼロ。
特にドリンクが即買えるのが通常ならありえない。1アクトを逃す覚悟で並ばないといけなかった去年とのギャップがすごい。
足元以外は快適でした。

The SALOVERS (ATMC)

シートゾーンは場所を選べばそのまま寝れるぐらいには乾いてた。ということでここらでパタリと横になる。


するとATMCから聴こえてくる青く熱いロックがグサグサと心に突き刺さった。歌詞も次々と脳に飛び込んでくる。
寝ながら聴こえてくる熱い音楽。すげー幸せな時間だった。
最後まで姿は見なかったけど、この時は見ないのが正解な気がした。


帰って調べたら古舘伊知郎の子供がボーカルを務めるバンドと知ってびっくり。要チェックだ〜。
新しい出会いがあるからフェスは止められない!

the HIATUS

そのまま寝ながらハイエイタス。去年のRUSHBALLといい、今年のNANO-MUGENといい、なぜかthe HIATUSの時間はランチ/休憩タイムになりやすい。
嫌いってわけでもなく、コイツらの歌を聴きながら食事をとってると「あぁ、フェスなんだな」って気がするようにすらなってますw
ただいつもより『Insomnia』の音の厚みが弱かったような。この曲は好き。


the HIATUSでもスタンディングゾーンは余裕ある。the HIATUSをあれだけスカスカな状態で聴けるなんて相当レアだぞ。

撃鉄 (ATMC)

ライブがすごいと聴いてたから覗きに行ったら……確かに凄かった!


自分の力がコントロールできないかのように暴れまわるボーカル(上半身裸ヒョウ柄タイツ着用)。Gang of fourを日本人臭くしたみいた音楽性。「暗闇の中で 死んでる」「生きてる ってか死んでる」と妙に頭に残るリフレイン型のボーカル。


ファンの人も音に惹かれて駆けつけた初見の人も笑顔でみんな踊ってた。
MCは意外と奇人な感じではない……かとおもいきや「King brothersにケンカを売った」などどこかおかしい。


最終曲ではボーカルがステージ横に置いてあった虎のぬいぐるみを背負っていなくなった、と思ったらホワイトタイガーのぬいぐるみを持って再登場。この時点で爆笑。
またバックステージに戻って風船を持ってきて客に投げつける。
お次はなんと扇風機を持ってきたww
どんどんと大量の風船を持ってきて必死に扇風機で飛ばそうとするも風が向かい風で前々客の方に飛ばないwアホやwww
最終的に50個ぐらいの風船を投げつけてた気がする。


さらにクライマックス、風船を一つ手に持ってステージの柱を登っていくボーカル。去年のregaも柱に登ってたけどそれより高く、ステージの屋根の上まで……と思ったら一番上でどう登ればいいかわからず硬直するヒョウ柄タイツのおっさんが一人。シュール過ぎる絵に爆笑が巻き起こる。
なんとか上まで登ってタイツを脱いでパンツを見せつけ、なんとそのままステージの天井(といっても布!)を転げ落ちてステージの裏へと落ちて行く。ステージ上でモゴモゴ動いてるのにハラハラしてるうちにライブは終わり。安否は確認できなかったけど大丈夫でしょう。


野外ステージの天井登ったあげく、転がるひとなんて初めてみたよ。すげぇ……。
ステージは面白いし、曲もよかった。絶賛されるのも納得。


ACIDMAN

撃鉄がおもしろすぎたんで途中から。


もう足元は暗くなってる。すると地面のドロドロが気にならないんですね。「泥とかどうにでもなれってんだー」ってなテンションで聴いてたからめっちゃ楽しかった。
サマソニに続き自分の放浪グセ発動。『Free star』に合わせて歩き、走り回るのは最高に気持よかった。


『ある証明』もかまし、ラストは『ALMA』。あんま好きな曲じゃないけどバンド側はこの曲妙に気に入ってるよね。
星は出てなかったけど夜空の下で聴くロックバラードはなかなかよかった。
去年の昼のステージと全然印象ちがうな。夜の方が似合う!
しかしACIDMANライブの手拍子はいまだ慣れない。


一曲目は「造花に笑う」をやったみたいですね。


BRAHMAN

とにかく圧倒的。神がかったライブでした。


祈りタイムの入場BGMを「FUKUSHIMA」といった文字が浮かぶメッセージ性の高い映像付きで流れる。
RUSHBALL」の文字も出てきてテンションが高まる。


開始から全力の『arrival time』をやっていきなりMC。
「必ず死ぬ...台風、津波地震、事故、病気、寿命...今日生きてっから生きる事に専念して、全力でBRAHMAN始めます」もうこれがカッコヨスギた。嵐のような歓声にも鳥肌。
夜&泥でダイバーは思ったより少なかったけど大盛り上がり。
今回はモッシュピットに突っ込むことなく、初めてステージ全体が見渡す余裕のあるスペースからBRAHMANを見ましたが……すごいな。アクションのひとつひとつが全力。渾身のライブだ。


ノンストップ……とはいえいつもより曲間をしっかり取ったりと一曲一曲を噛み締めるようにやって演奏してた気がする。
着火ソング『Speculation』、大盛りあがりした『BASIS』から『PLACEBO』で客の波の上に立つTOSHI-LOW。遠くから見てたのにすごい迫力だった。


最後は「今日は晴天じゃないけど……」の一言で『霹靂』直前のずっしり心に響くMCの流れで、イントロのベースを聴いてるとマジ泣きしてしまった。
終わった後は魂を抜かれたような状態でした。
MCじゃ雨については触れてなかった。もっと大きいレベルを見据えてた。
「泥なんか気にしてる俺って小さいな」と思った。なんかすげー精神状態にまで持って行かれました。圧倒的。


SISTER JET (AMTC)

BRAHMAN後、放心状態で「もうこのまま帰っちまおうか?」と思ってたらAMTCからゴキゲンなロックンロールが聴こえる。プレイされてたのは「johnny B good」の日本語版。夜のステージでツイストしまくってるオーディエンス。足元がドロドロの野外ステージはゴキゲンなダンスホールへと変わっていました。


次々と飛び出す軽快なロックンロール/ビートロック。曲は良いし、前回出演のRUSHBALLでの大失態を語ったMCも大笑いした。このバンドもザ・サラバーズと同じくノーチェックだけどよかったです。
とにかくオーディエンスが幸せメーター満タンの状態で笑顔で踊りまくってる。
ハッピーなエンディングにコレ以上にない音楽だった。
手を取って踊る人たちもいて素晴らしい光景だった。ATMCの締めは完璧!

ストレイテナー

トリはテナー。


うーん、正直なところ色々な意味を持つことになった今年のRUSHBALLのトリとしてはまだ弱かった気もする。
キラチューンの不足、MCも少なめであっさり終わった印象。


「これで最後!」と思って踊りまくったのは楽しかったけどね。


ストレイテナーの途中から雨がふりだしたけど、無事花火も上がって終了。
帰りはすんなりとバスに乗れました。




KEN YOKOYOAMAとBRAHMANの二大ベテランに魅せられ、ATMCもいっぱい良い発見があった。
こんな楽しいなら雨にビビらずしょっぱなのband apart、Mirrazから行けばよかった〜。


今回は震災によるARABAKIの延期に伴う開催時期に変更、そして台風で設営が危ぶまれる中での開催と強烈な意味を持ったフェスになりました。BRAHMANがそれのコタエとなるライブをかましてくれたと思います。


もう一度、無事開催できてありがとう。
そしてあの場に参加できたことに感謝。


来年も行くぜ。次は晴天であってほしいな。