soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

KIlling field/スケボーキング

一番好きなバンドのひとつスケボーキングのセカンドアルバム。ミクスチャーがまだ浸透していな時だったから、ドラゴンアッシュと比較されたり、ヒップホップ好きからはラップがしょぼいなどさんざん言われて微妙な評価を受けてきたバンドですが、ちゃんと聴いてみるとセンスはかなり高い。SHIGEOの高い声が合わないと敬遠するのはもったいない。


ミクスチャーといっても重いリフ基準のヘビィロックでは無く、ニュースクール方面のサウンド。クールなリズム隊とサンプリングの中、高低の2MCが飛び交ってます。自分はラップの良し悪しってのはイマイチわからないんだけど、これだけ個性ある声に印象に残るフレーズを歌うやつらはそういないと思う。モロにヒップホップなやつらと比べるようなバンドでもないしね。まぁ、高音のSHIGEOが印象にフレーズ満載なのに比べ、低温のSHUNが目立たないってのはある。あとこのバンドのスクラッチのセンスは日本で一番好き。かっこよすぎる。
歌詞もサウンドもどこかおちゃらけた感じのある彼ら。前アルバムではバカ騒ぎしながらもセンスが光るかんじだったけど、このアルバムはかなりクール。陽気なナンバーは少なく、ジャケットにあるような磨かれて光沢を放つメタルのようなサウンドです。(なんじゃそら


①はライブの1発目にやったら盛り上がりそうなロースピードナンバーで今回のアルバムはマジなんだなと分かるシリアスなムード。サビが分かりやすくてつい一緒に歌ってします。
②もクールなエレクトロニカ系の曲。スクラッチカッコイイ!いままで高い声で歌っていたSHIGEOがサビでは低い声を出しているんだけど、この声がカッコイイ。③は格闘家(?)の声にアブストラクト系のドラムが乗り、SHIGEOが英語歌詞でラップではなく歌っている。思わずが動く。
ドラゴンアッシュのKJを連れてエピソードシリーズの3作目④に。サビがキャッチーで良い。3人とも印象に残るラップをしてます。⑤はゆったりとしたチルアウト。ヴォーコーダーをかけた歌のメロディラインが綺麗。少しづつ盛り上がっていきラストで視界が開けるようにノリが良くなる。
⑥は泣けるアコギのループを使った大人しいラップナンバー。SHIGEOのラップはほんと印象に残るな。⑦は一部の間でブレイクした小田和正ラブストーリーは突然に」をサンプリングしたシングル曲「tokio lv」。おしゃれなのに楽しい気分になれる良曲。⑧は声ネタをふんだんに使ったノリの良いハウス。他のミクスチャーバンドとは違う一面を持っているのがわかる。
⑨はヒップホップ色の強い曲。アルバム通して聴くと悪くないけど、曲単体としては微妙かな。⑩は今アルバムでは唯一の底抜けに陽気な曲。中盤のスチールドラムが気持ち良い。ラストの歌詞は(たしか)聖書からの引用だけどサウンドとあいまって泣ける。泣けるといえばこの曲のPVも結構感動的です。
⑪はクールなニュースクール。これでもラストのスクラッチがカッコイイ。⑫はカフェで流れてそうなピアノをサンプリングした優しい雰囲気の曲。「getup standup〜」からのフレーズが大好き。⑬は⑫のトラックにあわせてSHIGEOの英語による語りが入ります。発音ヘタだなぁ。


個人的にはポップセンスとテクノ/ニュースクール好きな一面がうまく合わさってる名盤。でも一般的に名曲といわれるような曲はないんで人によって評価はまちまちかも。
この先SBKはそのセンスを爆発させて名盤REDLIGHTをリリースするんだけど、その兆候が見れるアルバムです。


この頃の311やリンプのフォロワーのようだったミクスチャーバンドはみんな独自の方面に走ってオリジナリティを確立していったなぁ。ドラムンを取り入れたドラゴンアッシュエレクトロニカ/テクノを大胆に取り入れたSBK、変態ポストロックに走ったバックドロップボム、和とグルーブを前面に出した山嵐とどれも良いバンド。

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スケボーキング SHUN SHIGEO

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