soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

Dear,Mr.Hiroshi Watanabe / Diverse System

DJ FX、Quadra名義で有名なHiroshi Watanabeオンリーのビーマニアレンジ。
「Attack the music」「Deep clear eyes」「life goes on」という3大代表曲のアレンジが無いのでそれらを期待してる人はご注意を。その代わり「perfect free」3曲、「beginning of Life」3曲という偏りよう。ひねくれてるなぁ。


曲調は冷たい無機質なテクノが中心。リズム重視のコアなテクノ群はその手の音楽が好きな人にとってはたまらないでしょう。
原曲のセレクトは偏ってますが、アレンジの出来上がりはバラエティに富んでいて最後までまったくダレません。
原曲フレーズの使い方が上手いのが好印象です。


①のっけから力作。O-SEさんによる「Beginning of life」のアートコア風味アレンジです。原曲のメロディを温かい音色で奏でる後ろで暴走するリズムがカッコイイ。次々と展開するドラマチックな曲です。素晴らしい。
②再度「Beginning of life」のアレンジ。こっちは打って変わってジリジリと地を這うベースが気持ち良いテクノです。後半のメロディの入れ方が綺麗。
③atomicさんによる「perfect free」のテクノアレンジ。音を重ねていってどんどんアゲてくる。ノレます。
④悪名高き「drunk monky」をoffbeatさんがアレンジ。これもヒロワタだったんだ。ストイックなミニマルです。とぼけたようなベースが面白い。
⑤atmbzkさんによる「perfect free」アレンジ。ボイパにメインフレーズが被さるアゲアゲチューン。③はメインフレーズの使い方が大人しかったけど、こっちでは攻撃的に鳴りなくってる。やっぱり「perfect free」はこうでなきゃ!今作で一番気に入ってるアレンジです。
⑥Spelunkerさんによる「coldpulse」アレンジ。お得意の硬い音によるリズミカルなテクノです。
⑦Xiang & yuan a.k.a socerさんによる「Weighted Action」のドラムンアレンジ。疾走感がグッと上がっていてカッコイイ。socerさんのいつもの曲調が好きならハマるでしょう。
⑧「special energy」のトランスアレンジ。このCDの中では派手な方。ちょっとヒネリが足りないか。
⑨minoshimaさんによる「perfect free」のエレクトロショックアレンジ。一定になるシンバルが好きです。メインフレーズの入れ方が反則並み。この路線のminoshimaさんは最高だ。
⑩Nackyさんによる「Beginning of Life」アレンジ。原曲のメロディと展開を残したまま、リズムを4分打ちにした感じ。原曲への愛が篭ってる。
⑪Ryo Ohnukiさんによる「Cold pulse」アレンジ。ノイズエレクトロ要素の入ったテクノです。
⑫「acid bomb」の超ストイックなミニマルテクノアレンジ。あの声ネタもまったく使わず、ひたすらリズムで攻める。ラストとは思えないほどアングラなノリです。来そうで来ないシンセフレーズがもどかしい。


捨て曲無し。バラエティに富んだ良アレンジばかりの良作!個人的にはDearシリーズでは飛び抜けて好き。Diverseさんの全CDの中でもベスト3には入りそう。
ヒロワタ好き、テクノ好きなら間違いなく買いです。
無機質ではありますが、綺麗なメロディがいたるところに出てくるので意外と哀愁メロディ好きの人が気に入るかも?