soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

SUBVERSIVE / 3x6


空の境界イメージ・ミニアルバム。


ハードなドラムン + ポエトリーリーディング
脳を揺さぶるドぎついベースに神経を刺激するソリッドなブレイクビーツ。ダークで攻撃性抜群なdarkstepがメイン。
無心で頭を振りたくなる強烈なトラックに完全ノックアウトされました。とにかくリズムが気持ちよくて、何時間でもこのビートにノリ続けていたい。
そして、ポエトリーリーディングはめちゃくちゃ言葉選びが上手い。空の境界キャラの心情を暴露したかのような詩がコアなトラックに素晴らしくマッチしている。モロに小説の内容とリンクしているのに、全然オタ臭さを感じないのがすごい。楽曲とのシンクロ具合も至極。ポエットとトラックのバランスも丁度。
darkstepとしての完成度、ポエトリーリーディングによる味付け、まさに空の境界のダークな面をそのまま切り取った表現力。全てが高レベルな傑作です。


①「殺人考察」インスパイア。テラーシンセに妖しい女性の語り。そして鋭いブレイクビーツがナイフのように切り込む。刻み続けるハイハットに萌える。4:40のフレーズがツボ。曲名のMURDER ScienceはTotal Scienceにかけてる?
②「矛盾螺旋」インスパイア。荒耶の重厚な空気が見事に表現されている。音を前にするだけで心臓を握りつぶされそうな圧倒的な存在感。淡々としたスネア(リムショット?)が諸行無常のリズムと苦行を。冷たさすら感じるシンセに取り込まれる。
③「俯瞰風景」インスパイア。アンビエントなトラック+ポエットから強烈なドラムンへの切り替わりが最高にカッコイイ!執拗に繰り返されるビートと「ビーッ!」がたまらん。今作の一番好きな曲。
④「痛覚残留」インスパイア。今回唯一の非ドラムン曲。ドープなエレクトロニカに淡々とした朗読。①と同じ人がポエットしてるんだけど、キャラの切替がうまい。別人みたいです。ドンヨリとした気持ちよさ。
⑤「未来福音」インスパイア。このトラックではHARD GU.W-C.Iさんのラップが聴ける。どことなく初期(ILL-)BOSSっぽい。なかなかにカッコイイラップです。「一九九八年八月三日……」の下りがヤベー。バスドラ連打に萌える。


コアなdarkstepドラムンCD。低音とリズムが気持ちよすぎる!
コアな音楽リスナー、オタのどちらにも受けるであろう良質イメージアルバム。M3-2009春でもっとも好きなCDのひとつ。中毒性がたまらん。
M3後には、結構な数のサイト/ブログでこのCDの感想を見かけました。超大手や東方以外でこれだけ色んなところで取り上げられているCDってのはなかなか無いのではないでしょうか?実際にそうなるのも納得のクオリティ。
ダークなドラムン好き、不穏な空気の音楽が好きな人はマストバイ