soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

PNOS Trial Ver. / 風華ソフト


サカナ・ノベルのオマケノベルによく参加されている秋山真琴がシナリオを務めるサークル・風華ソフトのノベルゲームの体験版。プレイ時間は3時間ほど。


100年後の東京。日本の中心都市は夜に表れる黒い球に包まれるとモンスターが徘徊する迷宮へと姿を変える。命を惜しまない冒険者たちは金、真実、力、それぞれの目指すモノを探し求めて東京へと足を踏み入れる。


迷宮(ダンジョン)、モンスター、戦利品などメタRPG要素のあるノベルゲーム。
「殺してすぐのスライムから一定の確率で採取できる核は高く売れる」などゲームを現実にしたらどうなるかを色々と工夫してるのが面白い。
形式はシナリオ集。10分程度の短編がふたつ、2時間弱の中編がひとつ収録されています。バージョンアップの度にシナリオを増やしていくとのこと。
各シナリオで主人公(ほぼ登場人物も)が違い、それ一本で完結している。しかし、なにかと関連性が見えてきそうな部分もあります。おそらく今後シナリオが増えれば各話が複雑に絡み合ってくるんだろうなと予想されます。
ストーリーの雰囲気は、ゲームを現実にした場合の過酷/残酷さが全面に出ており、あっさりと運命が絶たれる容赦の無さが描かれています。常に死が隣り合わせにある緊張感がある。それゆえ正直疲れる部分もしばしば。
三話のなかで一番好きなのは、10分程度の短編『冒険の終わり、物語の始まり』。短くまとまってて楽しかった。
他の話はどうも小難しく書かれているのが肌に合わなかったかなぁ。


少し硬い文章でハードボイルドな感じ。素直な読みやすい文体では無いので私の好きな文体からはすこし外れる。けど個性的で面白い作品だとは思います。