ASTRON BLITZ / Rising Sun Nova

テクノ、ミニマルテクノ系のオリジナルアルバム。

メロディ少なめ、展開微小のテクノ。ほとんどが低い音で構成されておりモノクロな印象。
リズムは派手なことをせずにひたすら一定に刻み続ける。そこに音数を抑えたウワモノが乗るという曲調。リズム重視というよりウワモノ抑えめってな感じ。
ウワモノは印象的なモノは少なく、良くも悪くも全体的に地味な印象。なかなかにコアなサウンドです。
ボーカル（声ネタ）がふんだんに使われいるのも特徴。
Razunaさんが歌っている①③はテクノにロックの”フィーリング”を上手く取り入れておりカッコイイ。

①リピートする「A…ASTRON…BLITZ」の声ネタが癖になる。縦に一直線に並べられたような音配置がとてもミニマル。
②コンガをフューチャーしたミニマルトラック。コンガの不安定さと打ちこみリズムの正確さの対比が面白い。ただMIXCDならひとつめのピーク後にでも挿入されそうな曲なので、2曲目に配置されてるのに違和感を感じるところも。
③「Block Lock Rock BLITZ」とケミカル兄弟のようなタイトルの曲。曲調も彼らに通じるものがあってタイトルコールとともに歪みまくったギター（ベース？）がブイブイと唸るロックなテクノです。ボーカルもかなり”歌って”います。渋くて良いメロディ。今作で一番好きな曲。
⑤ウニョウニョした電子音シンセが飛び交う楽曲。シンプルなミニマル。だからこそ没頭できる。この曲もお気に入り。
⑦メロディアスとまではいかないまでも、今作の中では一番旋律らしい旋律がある。淡々とした中にも美しさを感じます。一番Razunaさんらしい曲と言えます。2:16の一瞬だけ変わるリズムがカッコイイ。
⑧抑えめブレイクビーツを導入したテクノ。最後はランダムカウントの声ネタを畳みかけて唐突にCDが終了する。

派手さを控えたコアなミニマルテクノ・アルバム。
ノリノリで体を動かすというより、軽く体を揺らしたくなるような一枚です。「Tsurugi」のようなアゲまくりテクノが好きな自分としては不完全燃焼な部分が無きにしも非ず。
まぁ、インパクトのある曲が前半に集中しすぎているとこがあるもののあいかわらずの高クオリティ。毎回サウンドを変えてくるので新作が楽しみです。
生音を良く使う氏にしてはデジタル色が強い。それでもバリバリ打ち込み臭がするかというとそうではないところがやっぱりらしいなぁと思いました。