soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

compact / RMT


KEYアレンジ。原作元はplanetarianを含む全KEY作品。サイトにてライナーノーツあり。


原曲破壊なアンビエントエレクトロニカ系アレンジ。原曲のフレーズがわかりやすい形で残っているアレンジはほとんどない。
過去作に比べるとサウンドのチープさが消えてコアなアンビエントに近づいた印象。
6分超えで展開が僅かなど結構ミニマルしてる(4つ打ちという意味でない)ところがあり、取っつきやすいとは言い難いかな。後期sashaみたい。
リズムもあまり強調されておらず雰囲気を楽しむ空間系。過去作にあった普通のエレクトロニカとは違うyinyangさんのリズムワークが好きだった自分としては寂しさも覚える。
雰囲気作りは良い感じなんで、曲/フレーズ単位では好きな曲もあるんですが、テンションが一定なうえ長い曲が多いので通して聴くといまひとつ集中力が続かないところがあります。この手のサウンドなら徐々にクレッシェンドさせて音で覆い尽くすのが好みなもんで。


①「夏影(AIR)」。有名なメインメロディは姿を消して少しノイズの効いたエレクトロニカへと変わっている。荒い音波が音圧をアゲていくイントロが大好き。1:20〜1:36までがこのCDで一番気に入ってる瞬間。ピークが曲の頭という面白い曲。
②「渚(クラナド)」のエレクトロニカアレンジ。ループする階段フレーズは地球の周りを回る星のように感じないわけでもない気がすることも無きにしもあらず。耳に残ります。
⑤おそろしく暗い「朝影(Kanon)」アレンジ。ここまでくればもはやトリップホップです。このドロドロした空気は嫌いじゃない。
⑦「空に光る(クラナド)」のエレクトロニカアレンジ。温かくてちょいチープな音色がyinyangさんらしくて好き。この音色は延々と聴いていたくなるような心地よさがある。テンションは一定のようで地味にハイハットが盛り上がったりしてるのでそこらへんを集中して聴くとまた違った感じ方ができるかも?
⑧「駆ける(リトバスEX)」。自分はリトバス未プレイなのでLovesongの「走る」のイメージが強いですな。今作でもっとも原曲のメロディが残っている。元では一つの音色で奏でられるメロが二つの音色で奏でられるのが面白い。イントロの入り方が泣ける。今作で一番好きな曲です。
⑩「同じ高みへ(クラナド)」アレンジ。広がりのあるアンビエント。穏やかなイントロから音圧が強くなっていく展開は①と真反対。3:10から入ってくるシンセが気持ちいい。


サイトにある「アレンジCDと謳ってますけどオマージュCDと言ったほうがいいかもしれません」ってのに思わず頷いてしまう原曲破壊KEYアレンジ。
リズムが控えめってことで自分の好みからは少し外れたかなぁ。あの絶妙なポップネスが消えたのが寂しい。
ただ、このサウンドは原作プレイ後だとまた感じ方が変わりそうな気もする。「クラナド」「リトバス」をプレイしてたら違った感想になってたかもしれません。
ながら聴きをするにはまったりしすぎてるし、集中して聴くにはミニマル色が強すぎるので聴き方に困るという面もある。薄暗くした部屋で音質の良いヘッドホンを使いながらリラックスした姿勢で聴くのがいいのかもしれない。