soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

音楽社会学は生涯研究になる

JASRAC寄附講座に行ってきた。要はJASRACが大学に金出すから著作権についての講義をしてくれというモノです。
今回はリミックスにおける原作者の問題などで有名な増田聡を講師に「著作権と音楽」の話。
簡単に要約すると:

  • カバー、リミックス、盗作、パクリは既存の音楽を使ったもので音楽的に差異は無い。
  • 著作権法的には「音楽の外部」すなわち、P2P/着メロなどの無断流出の問題や適当な機関に著作物として登録したかなどを気にする ⇒ 金の問題
  • それと一緒に「音楽の内部」すなわちフレーズの流用、自己解釈、アレンジなど音楽性そのものにかかわる問題がある ⇒ 芸術的問題
  • それを一緒くたにして考えてる節がある。それってどうやねんって話。
  • 「4:33」をJASRACに登録してカバーしたアーティストがいる。じゃあ4:33秒沈黙したら著作権違反?

非常に興味深い話でした。次の同人音楽.bookのネタに使おうかなぁとかも考えたり。
久しぶりにガチで学術的な音楽の話を聴いてすんごい楽しかった。こんな素晴らしいモノを学ばせていただいたと卒業してから実感。あと今日講義中に発言のため指名されたのも良いもいで。まさかOBとして忍び込んで当てられるとは思わなんだw


講義後はちょっとした縁で、増田さん含む諸々の方々と一緒にお食事させていただいた。いやー、やっぱ社会学者は考えてることが面白いなぁ。増田さんは同人音楽にもホンの少しの理解はある方なので、もっとそっちに踏み込んだ話をしても良かったかもなぁ。
研究会の運営の話とか聴いてて思ったけど、研究者って好き勝手してるイメージがあったけどサラリーマン同じく色々あるのね。でみんな目がイキイキしてるのがすごい羨ましい。
卒業間際に恩師にいただいた「音楽社会学は生涯研究になる」という言葉が頭をリフレインする今日このごろです。