soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

srepoleved / developers music label

オリジナルのテクノ系アルバム。


具体的にジャンル名を挙げるとハウス/ドラムン/トランスと色々ありますが、全体的な印象としては”尖ったテクノ”というイメージ。レーベルのカラーからそう感じるのか?
あくまでも主題はいかにノレるトラックを作れるかにある気がします。
ハードコアやダークエレクトロニカとは違うテクノならではのギラギラした感じ。特に主催HbK Akazawaさんの鋭さが半端無い。逆にYuji.MさんやQuattroさんのお洒落な曲が一辺倒になるのを防いでいます。
耳にすっと入ってくるフレーズが多いのでテクノ慣れしてない人でも聴けそう。それでいてコアなテクノファンからは「このメインストリームを無視した音がいいのよ」とウケが良さそうとある意味すんごいCD。
飛び道具楽曲があるわけではないけど、各曲にしっかりした個性があって最初から最後までダレずに聴ける。なかなかの良作です。


①Yuji.Mさんによる哀愁プログレッシブトランス。4つ打ちにシンセとトランスの構成なんだけど、どこかバラードポップスっぽい印象を受ける。「泣き」というより「クール」な印象。
②700/1300さんによるパーカッシブな音がガシャガシャと鳴ってるテクノ。シンプルなベースがスピード感を生み出してる。わかりやすくノレる。
HbK Akazawaさん曲。トライバルなリズムに超ウネウネシンセが絡む。すごくシンプルな構成なのに最高にグルーヴィー!シンセが二重になるところがたまらん。執拗に顔を出すスネアロールも病みつきになる。今作で一番好きな曲。
④700/1300さんによるアゲないテクノ。暗闇の中を青い光がフワフワと浮いてるイメージ。体をゆったり揺するには丁度いいBPM
⑤Yuji.Mさん曲。とぼけた感じのSE、シンセが飛び交いながらもお洒落な雰囲気を有しているハウステクノ。良いベースだ。
⑥Izurudeさん曲。だれかの変名義?エスニックな金物が耳に残る民族系テクノ。原始的な反復音楽。
⑦Quattroさんによるムーディーなディープハウス。しっかりと支えるベースの上を綺麗且つキャッチーなメロディが駆け巡る。サビ(?)のメロがすごく好き。Quattroさんはもう攻撃的なテクノは作れないんじゃないかなぁとも思うけど、この曲を聴いてるとそれでもいいかもなと思いました。
HbK Akazawaさん得意の電車テクノ/ドラムンドラムンビートに駅内放送がサンプリングされている。緊迫感のあるシンセに惹きつけられる。アングラ臭がぷんぷんするトラックです。この曲で終わるのがカッコイイべ。


ミニマルほどガチガチではなく、テクノポップほど一般的でもなく、「ピュアなテクノ」が楽しめる一枚です。もう7年前ぐらいから追っているサークルさんで、一時期やわらかくなったなぁと思う時があったものの、今作では初期にあった尖った空気をひしひしと感じるのがたまりません。
良い感じに変な方向(個性)に偏ってないのが良いな。
こういう直球な同人/BMSテクノが楽しめるサークルって案外少ないんだよなぁ。