soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

NOODLE / べろシティ

オリジナルのフルボーカルアルバム。誠に熱いロックである。「Questionnaires」の後に出した3枚の無料ミニアルバムから全曲+新曲。


本物のロックを見せてくれた「Questionnaires」から一年半、ついに2ndがドロップ。色々な方面に手を伸ばしていた前作からロック一本へと方向性を絞ったガレージロックアルバムなっています。
サウンドはよりルーズになりガレージ、グランジへと近づきました。エッジの効いたグルーヴィなギターが熱い!
根本的に他のサークルと音の作り方が違います。前作や他サークルが「ポップスにロックを持ち込んだ」って感じなのに対して、今作は確実にロックのフレームにポップスやらを巻き込んだ形になっている。音から魂を感じるのがロッキン!
それでいて本場ロックのイミテーションでは無く、オタク/同人のセンテンスならではの要素も感じられます。そこが個性的で面白い。
浮森かや子さんの歌はシャウト気味の熱い曲からしっとりバラードまで完全に歌いこなす。綺麗に歌うだけでなく、良い具合に崩す本当に実力のある歌い手さんです。パワフルでロリっぽいという声質も最高の武器。
ギター中心のロックなので、メロディアス&キャッチーなフレーズは少なめ、さらにミドルテンポが多いと取っつきは悪い。ただ聴けば聴くほど味の出てくるスルメアルバムです。


①一曲目から激渋いロックンロール。サビのギターのワルっぷりが最高。力強い歌も良い。
②一定のリフを繰り返すミドルテンポ曲。「操縦する〜♪洗浄する〜♪」のサビコーラスが耳に残る。ギターソロが熱い。
ダンスビートに合わせてロックなギターが鳴らされるポップな曲。打ち込みとロックの絶妙なバランス。かや子さんは思いっきりロリっぽい歌い方。こういう歌い方しても嫌味にならないのがこの人の良い所だよなぁ。ギターソロ前の声の伸び方がさりげなく末恐ろしいレベルじゃないか?
④元「ぼくの考えた幼獣0円」のラストトラック。この曲が4曲目とは意外。最初は違和感あったけど、最近はこの位置も悪くないなぁと思うようになってきました。やっぱラストのノイズギターかっけー。
⑤他曲に比べると明るい南国風のアコギ主体ロック。けど引き籠りの歌詞。
⑥⑦と「ちきゅうおんだんか0円です」に収録されてた曲が続く。方向性は違えどどちらも良いギターだ。
⑧朗読のようなAメロと高音が響くサビの構成。のっそりしたダウナーロック。溜めて溜めて最後にノイジーなグランジギターで爆発。良い流れだ!
⑨「ぼくの考えた〜」収録曲。リフがカッコよすぎる。ミニアルバムで聴くより、今作の流れのほうがしっくりくる。
⑩ブルース・ロック。サビは英語歌詞だけど全然変な感じはしない。ギターがエモーショナルっす。
⑪「ぼくの考えた〜」収録曲。明るいサーフロック。
⑫熱いロックが続く中にスッと挿入される透き通ったシンセにハッとさせられる。穏やかなアコギと控えめなドラム/コンガが参加し極上の歌メロが紡がれる。壊れ物のように繊細なサウンド。最高に綺麗なバラードで完全に虜。泣けるAメロがたまりません。今作で一番好きな曲。
⑬ガレージロック系の曲。懐かしい感じのするギターはUKのThe 〜sなバンドのツボを押えています。
⑭「ちきゅうおんだんか〜」のラストに収録された曲がトリ。そんなに好きな曲じゃなかったんだけどやっと良さがわかった。この野暮ったいギターが最高だ!イントロの荒いギターが入ってきた時点でテンションが上がる!!もしかしたら音質が向上しているのかもしれない。


さらにロックになっていくべろシティさんのオリジナルアルバム。
NIRVANATMGEThe libertinesが好きな人にも十分アプローチできるホンモノのロックアルバムです。それでいて同人音楽のフィールドで頒布されているのもわかる「何か」がある。
最初は「前作に比べると地味になりすぎたなぁ」と思いましたが、今じゃすっかりお気に入り。オススメ!