soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

Temporary 5 / 砂塵音樂室

B級サークルチャンプ・砂塵音樂室のアレンジシリーズTemporaryの5枚目。いつも通りのエロゲアレンジ。


無茶なサンプリングで原曲を破壊するほえ猫さん、チープだけど気持ちのいい音で原曲を再現する亜空さん。
ここのところオリジナルのほえ猫さんソロが続いていましたが、やはり二人揃った時が一番好き!正統派の亜空さんとカオスなほえ猫さんでちょうどバランスが保ててる。


今回はそこまで強烈なカオス臭はありません。いや、他サークルと比較すればじゅうぶん変なアレンジなんですがココの過去作に比べると通常の音楽としての体裁が整っている。
異質成分が減ってツマラなくなってしまったかというと全然そんなことはなく、素直に良いと思える仕上がり。
以前より胸をはって音を鳴らしている印象があり、ストレートに曲の良さが伝わってきます。特に亜空さんのパワフルな音作りは聴いてて気持いい。

      • -


①亜空さんによる「ティナ(下級生)」。遊園地のようなキラびやかなフレーズをエレキで。チープなエレキ音が存分に楽しめる。こういう飾りっけの無い音作りの方がメロディが楽しめたりしますね。。


②ほえ猫さんによる「俺様の美学(異作)」。さすが異作、オドロオドロしい曲調。お得意のブチ込みサンプリングはコンロをひねる音(?)など環境音まで使ってもはやミュージックコンクレートの域。耳に入ると気持ち良い音の塊。ノイジーになってギターが切りこんでくるラスト15秒は圧巻。センスが圧縮されてますわー。


③ほえ猫さんによる「みずいろ(みずいろ)」。多少は音に「ニゴリ」があるものの、ほえ猫さんにしては正統派なダンスアレンジ。次々と変わってくリズムが良い。そのリズムに交わる名メロディ。原曲とアレンジャー両方の魅力を残した良アレンジ。


④亜空さんによる「Atlach_nacha〜Adoption〜(アトラク=ナクア)」。原曲を生かしたストレートなアレンジ。でも、ドラムはけっこううるさく鳴ってる。中速でのバスドラドコドコが癖になってきます。


⑤亜空さんによる「Weeping Cause(アトラク=ナクア)」名曲ニ連発。本格的ではない音でいかに気持よく聴かせるかの極み。綺麗な高音質のPSの音よりSFCの音が気持いいみたいな。亜空さんは音作りのレベルが相当上がってる!

      • -


ほえ猫さんはセンスそのままで整合性が取れてきている。ありがちな綺麗になりすぎてつまらなくなってしまった感が全然ありません。
逆に亜空さんはほえ猫さんに釣られるように軽くドラムが暴走するようになったけど、あくまでも「正統派」な立ち位置を守ってて二人の関係がすごく良い方向に作用している。


奇作というだけでなく普通に良作です。過去作から劇的な新しさは無いけど着実なレベルアップが実感できる一枚。