soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

The Sorrow of The Islands Remix EP / YMBPR

xarvaさんが2002年のnarve名義時代に作った名トランスBMShe sorrow of the islands」オンリーリミックスCD。この曲の階段ピアノで何人のプレイヤーが昇天したことか……。


原曲と同じく澄んだ空気のなか上昇していくトランスが主。原曲から現代の音にアップデートされることでユーフォリックな雰囲気があります。
基本は全曲似た路線……のなかにそれぞれ微妙な違いがあり、なによりどの曲も聴いてて心が洗われるような気持ち良さで通して聴ける。メロディというよりコード進行が気持ち良さのツボを刺激するんでしょうか。
voidさん、junkさんといった今イケイケな若手がキックをドコドコ鳴らしてて、その他ベテラン勢は穏やかに攻めている違いも面白い。


あと、紫と橙を基準としたジャケットの色合いが素晴らしい。曲それぞれに対してジャケの色が動いていく映像が頭に浮かんでくる。

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①xarvaさん本人によるリミックスでスタート。ディープ&アブストラクトな空間系へ。
音が空気へと溶け込んでいくような広がりのあるドローンシンセはさすが。一つ一つの音に惹きこまれていく。気持ちいい……。narve時代とxarva時代でのサウンドの変化がよくわかる。
白をバックに霧状の霞んだ色が広がっていくイメージ。


②Xacla a.k.a fenさんによるイビザトランス・リミックス。原曲の発展形です。アコギと波の音SEが響く中盤の「引き」が素晴らしい。これぞイビザ!
原曲のBGAと同じく海のイメージ。


③syattensさんのリミ。ピアノやバックの三連シンセといった点を際立たせ、キックの四つ打ち感をより強調したミックスに。
下から上へと放出するように上がっていくイメージ。


④voidさんによるリミ。少しギラギラとしたシンセでアッパー感が増してる。
聴きどころはなんといってもここにきてやっと登場の階段ピアノ(5:52)!待ってたー!4曲引っ張っての登場は快感です。
紫の線がグルグル周り徐々に中心部へと集まっていくイメージ。


⑤Junkさんによるリミ。正統派なトランスアレンジ。ちょいダッチトランス風味。
電撃のような波状のラインが水平移動していくイメージ。


⑥loaxさんによるニュースクール/プログレッシブレイクス・リミ。非四つ打ち、空間を持たせてCDのチルアウト・ゾーンへと持っていく。リラックス〜。
泡がフワフワと浮いているイメージ。

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正統派な形で現代に甦ったトランス・クラシック。
驚きのリミックスやら強烈な一曲ってのはありませんでした。そういう意味ではインパクトは弱い。
けど何度も聴いてるとなんだかフワフワしてくる、「気持ち良い音」が充満している佳作です。