soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

四季楽典 / 5150


オリジナルのメタル系フルアルバム。


東方シンフォニックシリーズと方向性は変わらずスピード&メロディでひたすら押せ押せなメロスピ/パワーメタル。ダイナミックなシンフォオケを装備し、メロスピの魅力への絶対的な信頼を武器にがむしゃらにぶっ飛ばす様は爽快!ボーカルを合わせた全パートに最高級の勢いがあります。
5150さんは東方フレーズも自分の色に染めていたのオリジナルになってもそこまで違いは感じられません。
逆に言うとオリジナルでも東方に匹敵するメロディセンスがある。いや、高揚感は東方以上か。
テンションの上がる良いメロディが満載です。聴きやすく、かといってポップスほど軽くならず。うーん、熱い!


5150さんの良いところはメタルならではの暗黒性を持ちながらしっかりと希望感に溢れているところ。
音楽で演出される舞台は、空は薄黒い紫色で見渡すかぎりは緑のない山ばかり、確実に魔王が地上に蘇っていて世界中に魔物がはびこり、魔王の済む城のまわりには万単位の魔軍が存在しているような世界だけど、そこで語られるのは暗黒の世界で魔王軍をバッタバッタと倒していく英雄たち。手には9つのドラゴンの秘宝を秘めた武器、5150さんの青年風でいて少し邪悪な声は魔王の息子が仲間になっているイメージも浮かんできます。まさしくRPGの一番燃える部分がCDに圧縮されている。
言ってしまえばCradle of filthの世界観でRhapsody(of fire)のシナリオ、もしくは新暗行御史の世界観でドラゴンボールのシナリオ。
ダークで勇敢。マンネリにならないように色々な手法を取り入れながらこの一点を表現しています。漢なら熱くならないわけにはいかない!

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②前曲のオケインストから一気にトップギアへと踏み込む疾走曲。ザクザク刻まれるギターから一気に広がるサビが最高〜!勇敢なメロに男気がビンビン反応します。希望感あふれるギターソロもたまらないー。


③イントロのコーラス、間奏のストリングスとシンフォ要素がカッコイイ一曲。マイナーコードで進むけどあくまでも勇ましい。サビのダブルバスドラのドコドコっぷりに燃える。


④こちらは哭きのギターが目立ちます。熱い!疾走を止めてのBメロがメランコリックな旋律で胸が締め付けられる〜。続くサビは神々しい合唱系。これだけ大仰にやりながらスピード感が損なわれないのがグッド!


⑤メロディがかなり日本人らしい響き。1999年代のV系+メタルという感じ。V系といってもナヨナヨしか感じではなく当時のブームで日本人に刷り込まれた琴線に響くメロを上手くもってきてる。ゆえにほんのりとノスタルジーを感じます。激キャッチーなサビがツボで今作で一番衝撃を受けた曲。普通のメタルとは違うメロディ運びに初めて聴いたときはビビッときました!


⑥『えくすとりーむ☆どーじん』に提供した曲をボーカルを変更して再録。ブラック色の強い楽曲でかなり黒い。それでいて聴き苦しさは感じ無いのはギターが次々と印象的なフレーズを奏でるからか?楽曲全体の持つパワーが印象的ですがギターだけに焦点を当てても魅力に溢れています。


⑦パワーメタルの王道を行くポジティブなメロディの曲。疾走に頼らずしっかりと音を刻む。ってもBPMは十分高いですが。サビは希望に満ちすぎて涙が出てきそう。


⑧ラストはシンフォとメロスピのダイナミックな融合。高次元で見事に混ざり合った音の塊が一気にたたみかけてきます。フィナーレにふさわしくサビも気合が入ってる!どんどんとポジティブに上り詰めていく終盤は前作ラストの感動が再来。熱い!めっさ熱い!!

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抜群の勢いで一気に聴かせるメタルアルバム。
ブラックやシンフォニックの色はありますが、コアにあるのはメタル/メロスピのお約束が詰まった王道のノリ。けどその王道を極限まで極めた一作です。
メタルに一度でもはまった人、勇敢なRPGで燃えた人なら熱くなること間違い無し!