soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

INNERVE / S.C.X


初音ミクを使ったフルアルバムサイズのCD。


今回のテーマは「クラブトラック集」。歌メロパート比重が少なめのトランスで、曲長も6〜7分と長めが基本。
マイナー調のメロディが多くどちらかといえばシリアスな作風です。
過去に良作をいくつも世に送り出しているだけあって、音のクオリティは決して低くない。
しかし、リズム > メロになることでClean Tearsさんの魅力であるポップネス、一瞬で聴き手のハートを掴むキャッチーなメロディが100%発揮されていないところがあります。ところどころに顔を出すポップネスが魅力的ゆえになおさら……。
リズム/フロア要素も飛び出てトランスできる訳でもなく、あくまで歌の比重が減り四つ打ちが増えて……うーん、クラブとポップスの間で揺れ動いてて中途半端ってのが正直な印象かもなぁ。

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③ロッキンなギターがかき鳴らされるハイテンポ・トランスポップ。高速でトンネルを突き抜けるようなスピード感!この曲のアレンジメントはかなりカッコイイです。1:44のブレイク部分のギターがお気に入り。ただメインメロディは地味かも。


⑥キャッチーな日本人的メロディのトランス・トラック。やっぱりこういう曲が一番しっくりくる。ちょこっと神々しいシンセが神経を高めてくれます。


⑧明るいトランス。1分かけてしっかり盛り上げるブレイクが良い。3:20あたりからのポップなメロディが好み。やっぱりこういう曲……というのは野暮でしょうか。

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クラブ志向のミク・トラックス。
コンセプトの割にはフロア感の不足しており、強烈な一曲も無いので地味な印象ある一枚です。


Clean tearsさんは3〜4分の曲中に良質メロディとそれを最大限に支えるアレンジを作るポップス作者としての魅力を感じています。本作でもそのポップスの強みが出ていれば良かったのですが……。