soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

overworking ep. / radio -virtual.

908さんによるコアなミニマル・ミニアルバム。4曲入り。


ストイックなミニマル・テクノ集。
音空間を広げてホームリスニング方面に向かったりすることはなく、あくまでリズム・リズム・リディムで攻めるクラブで聴きたい直球ミニマル。機械的な打ち込みっぷりは四つ打ち好きならまず楽しめるはずです。


ひたすらコアな反復クラブサウンドは神経を刺激して本能的に人間を気持よくリズムの世界に誘いこんでくれます。
でも実は最後にそれをグワッとひっくり返す曲が待ってるのがまたニクい。
ミニマル好きならマストな良盤です。

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①ひたすら一定間隔で刻まれる単音ベースが印象的なガチ・ミニマル。その規則正しい音の並びは無機質なベルトコンベアが思い浮かびます。リズミカルでノレる!自分の耳には「っぽいんですか」にしか聞こえない声ネタがツボってたりします。


②曲名「M9」。そのぷぎゃーな曲名ゆえ、初出であるBMSではイヤらしい高難易度な譜面と動物達にバカにされた気分になるBGA、で何かとイラつく曲(褒め言葉)でしたが、CDで聴くと……最高のトライバル・ミニマル!野生味溢れるタムを中心にすべての音が「リズム」として刻まれていく徹底したダンスミュージック。ハード・ミニマル好きにはたまりません。


③自作曲「Drivin' IC」のセルフリミックス。クールなシンセにタイトなリズムワーク。レーシングゲームに会いそうな曲調で聴いててスーっとした聴き心地。。


④この曲は他と比べて異質。曲全体のテクスチャーはモノクロでテクノっぽいものの、今までの曲ではまったく見受けられなかった「メロディ」が奏でられる。
しかもこの憂いのある旋律が琴線に触れまくりで最高です。3:42から入ってくる高音シンセは鳥肌モノ!テクノな無機質さと超良質メロディの対比がなんともいない。ミニマルコンポーザーでありながらポップン・ミュージックフリークスでもある908氏の一面が垣間見れる名曲です。

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コアなミニマル・ミニアルバム。
方向性はとてもオーソドックスなクラブミュージックですが、ここまで徹底してリズムを追求したミニマルCDってのは案外この界隈には少ないのでリズム音楽好きとしては嬉しいところ
クラブミュージックが好きなら絶対気に入る一枚。オススメです。