The story to come / Casket
オリジナル曲と伝統的なアイリッシュ・トラッドを織りまぜたいつもと変わらずの内容。打ち込みとは思えない躍動感溢れる音作りでウキウキしてきます。特に勢いあるホイッスル系の旋律は一級品。
ただここ数作で一定のレベル/安定したレベルまできているのでCascketさんに初めて触れた頃の驚きや新鮮さはなくなってしまったかも。
イベントごとにしっかりとフルアルバムサイズで新作を出しているサークルさんなので、仕方がないのかもしれませんが……うーん、ここらへんが音楽とリリースペースの関係の難しいところ。
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③日本でもそこそこ名前が知られているアイリッシュ・アーティストのクラナドやケルティック・ウーマンのCDにも収録されているアイリッシュの伝統歌「Down by the sally gardens」をインストで。最近ではアニメの「フラクタル」のEDでも使われたのでメロディを耳にした人は多いかもしれません(※今作が頒布されたのはフラクタル放映よりだいぶ前)。
伸びやかに笛で奏でられるメロディに涙。歌で聴く以上にアイリッシュソングの哀愁と力強さをヒシヒシと感じられるかもしれません。グッとくるわ〜。
⑤熱狂的なアップテンポ曲。目まぐるしく踊りまわるホイッスルが素晴らしい。
⑥エレクトリック・ベースがリズムをキープし、更にシンセも多用されるモダンな曲。炭鉱を思わせるうっすらとしたグルーヴの中に、フィドルやホイッスルが細かく差し込まれる。デジタルとアナログの対比が面白い曲です。0:38の一瞬入ってくるホイッスルが好き。
⑧ジャズとアイリッシュミュージックの融合……いやバトルか?渋く演奏されるベース、ドラム、ピアノのジャズトリオに対抗するようにホイッスルとパイプが動きまくる。面白い!なんだかんだで自分はこういう冒険してる曲が好きみたいです。
⑨元気の良い歌モノ。定番となったゲストVo.の蒼咲雫さんに加え、音屋のEscarmewさんも一緒に歌ってます。Escarmewさんの歌は英語のリズムが少しズレてるように感じますが男気があって良い声。なかなか。
⑩映画タイタニックのダンスシーンで演奏されおそらく日本でもっとも聴かれているアイリッシュフォークとなった「John Ryan's Polka」を"Casket the band"で。メンバー紹介→ソロのギミックも面白く、なにより楽しげな演奏が素晴らしい!思わずスキップして踊りたくなる一曲です。今作で一番好きなトラック。
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完成度の高いアイリッシュ・トラッド・フォーク。
ゲーム音楽の影響が強いであろう他の民族系サークルとまた違った作風です。もっと地域密着型で踊りたくなるノリ。
上にも書いたようにCasketさんの過去作と雰囲気が被るけどクオリティは高いです。
あと、ジャケ裏の女の子がかわいい!