soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011年上半期ランキング | アルバム / トラック / ライブ

ちょっと遅くなったけど、恒例の2011上半期の個人的アルバム/ソング・ランキングです。
6/30までに発売したCDからです。同人音楽は抜き。順番は特に意味無し。
動画貼りまくりなので続きから読むで〜。
ちなみに2010年のはこちら、2009年のはこちら、2008年のはこちら

2011上半期 CD BEST10

絶体絶命(通常盤)
今までに比べてコンパクトな曲が多いけど聴いてて胸が熱くなるのはあいかわらず。 歌詞もドキッとするフレーズがいっぱい。
シングル曲のDADA、携帯電話、狭心症は文句無しで、アルバム曲もメロコア/ロック調の曲にイイ曲が揃ってる。新作が出るたびに楽しませてくれるバンドです。

A HISTORY OF NOW [解説・ボーナストラック付き初回限定・国内盤] (BRC280LTD)
個人的に「Enemy of the enemy」以来の大復活作。突進力のあるブレイクビーツグッと泥臭さが抜けたラップ。TANK以降のヌメッとしたモタつきが消えて、アグレッシブに攻めまくり。
とにかく聴いててノリノリ、気持ちいい!ゴアトランス的なギラギラ感もあって、さながらブレイクビーツ&ラップで攻めるJuno Reactor。異質なポップメロディが一瞬だけ顔を見せる「This Land Is Not For Sale 」が良いアクセント。

  • Princess Ghibli / Imaginary Flying Machines(V.A.)

プリンセス・ジブリ
インパクトなら間違いなく上半期で一番。手を叩いて爆笑すると同時に、普通にメロデスとしてテラカッコよすぎて、興奮しながらまた手を叩いちゃう。
ブラステのアホカバー・センスにMundi直系の音圧で彩られて絶賛以外の言葉がでない。デス声で日本語を叫びまくるエットレさんが素晴らしすぎる!
さらにDestrageの変態メタルコアが最高の刺激剤。遠慮ゼロで本職の音がそのまま出てるの良いわー。
「皆が知ってる名曲カバー企画」では過去トップレベルのお気に入り!

PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT
復活枠2。
元ハイスタが贈るストレートなパンクロック。凝ったひねりは無い。けど何度も聴きたくなる。
爽快なスピード感、青臭いメロディ、感動的なシンガロング、当時定番だったカバー曲。この7曲入りのミニアルバムに、メロコアで熱くなった古き良き日の空気が詰まってる。
はじめて「MY WAY」のPVを見たときは無条件で泣きそうになった。やっぱすげーよ、難波さん!

ゴールド・コブラ
復活枠その3。
100点満点かと言われるとそうではない。ウェスのリフは最強、オリジナルメンバーに戻ったリズム隊も最強。しかし1リフの繰り返しが多くてサビでの爆発力も弱めで、展開的な意味でのかっこよさが不足してるんだろうな。
でも、このヒップホップのリズム感にロックの重さを加えたミクスチャーなノリがなんだかんだで体が一番反応する。気づいたらコレばっかり聴いてますよ。
鼓膜に入ってくる瞬間に「これだよ、これ!」と高まるグルーヴ。オレはヒップホップ+ロックのハイブリッドとしてのミクスチャーが好きなんだなと改めて思わせてくれる一枚。

Wtf?!
芯は変わらず、常に進化してる抜群の安定感。
デジタル色が強いけど「豆腐バホフ」みたいな四つ打ちテクノ色より、最初期のEBM的なアプローチ。ダサさすら感じるボディビートにガシガシのメタルギターが斬り込んできていぶし銀なかっこよさです。
まともにメロディが出てくる曲がほとんどないストイックな一枚。でもどこかお祭り騒ぎな陽の部分があるのがKMFDMなんだよなぁ

  • Analog Aquarium / Rick Wilhite

ANALOG AQUARIUM
四つ打ち枠。ムーディなデトロイト・テクノ/ハウス。
じわじわと酔わせる大人のハウス。でもオシャレというより、ソウルフル/ダークと二面のブラックな部分が顔を出すのが煙たい空気を作り出している。
ビート感弱めの曲で揃えられたなか、唯一直球四つ打ちなnew horizonがたまらん!

Mind Bokeh [解説・ボーナストラック収録・国内盤] (BRC285)
エレクトロニカ枠。
WARPから出てるだけあって音の作り込みは半端無い。温かい心地良さにサウンドコラージュの無邪気さも加わってめっちゃポップ。シリアスな音のおもちゃ箱。モロにUKロックな曲もあってびっくりしたけどそれらも良質!傑作だわー。

  • All Things Bright & Beautiful / Owl City

All Things Bright & Beautiful
1stがあまりに完成されていたから「今後は金太郎飴みたいな作品しか作れないだろ」と軽く見てたけど……やっぱ最高。
ストリングス系シンセが多用されてて格段にスケールアップ。「You & I」から「You & I & World」になった。
基本は前作と同じくメロディの素晴らしいエレクトロポップ以外の何者でもない。ここまで素直な正統進化もなかなかお目にかかれない。Firefriesみたいなキラーチューンは無いけど聴いてて元気の出る一枚です。

  • 男達の宴 / クリトリック・リス

ちょい番外編的。、クリトリック・リスのライブ限定CD。
内容は名古屋のライブをワントラックで封じ込めた内容。曲がどうこうのまえに封じ込められた空気がすごく良い。熱い。
おっさんが語るように騒いでるだけなのに元気がでる。


2011はADF、LIMP、難波さんと2000年代頭に熱かったラウドなバンドが息を吹き替えしてきている印象が強いです。当時の他のバンドもこれに続いて欲しいなぁ。
75〜90点の良作は多いけどまだ90〜の「度肝を抜かれた一枚」ってのには出会ってない。アルゼンチン音響派にハマって過去の名盤を聴き漁ってたってのもあるのかな?さぁ、下半期はどうなるか〜。

2011上半期 SONG BEST10

アルバム曲やMP3配信が多いから動画は少なめ。

驚異の38曲ミックス in 1。ただ単純に過去曲を繋げるんじゃなくて、各曲のフレーズが複雑に絡み合ってるのが面白い。先日のライブにて生で聴いて改めて構成力の凄さ/変態さを思い知りました。20分あるのに中だるみはゼロ、名フレーズの数々がひたすら連打!

  • Pink / phase

DIY HEARTS配信曲から36分間続くトリップ/トランスミュージック。勝井祐二(ROVO)+成井幹子(sgt)のダブル・エレキバイオリンがうねりまくり。次第に高まっていくドラムと一緒にピークで大爆発。心が浄化されるような開放感。ROVO好きにはたまらんです。

  • Gake no Ue no Ponyo / DESTRAGE

爆笑とかっこよさと。ハンパないデス声の「パークパークチュギュ!」は何度聴いても吹くw
キーを下げたサビが癖になって、もうこのキーでしか思い浮かびません。やりたい放題っぷりに拍手!

全部良いけどとにかくサビが最高。力強く駆け抜けるサビを初めて聴いた時の、胸がグワッと熱くなる感覚は忘れられません。かっこいいよ、生き様が。

1:50以降の怒涛の展開にぶっ飛ばれさます。青く切ないエモとしての良さに加えてラストのメタリックなピロピロギターに熱くなる〜。
今じゃメタル+スクリーモは溢れかえってるけど、そのほとんどがエモ/メタルコアの境目がわからなくなってる音楽性。このバンドはあくまで「メタル(≠コア)」をパンクキッズなりに咀嚼している。このバンドのオリジナリティを再確認したしだいです。

「ファッキュー×3 アー」こんなストレートにスラングを連発する曲を久しぶりに聴いた。なんかいいよな、悪ガキがロックを動かしたこの時代の空気は〜。
シンプルでつい口ずさみたくなる。ラストサビ前の盛り上げ方がヤバい!

アニメ枠で花咲くいろはのOP。聴いたら一日は頭の中でリピートし続ける中毒性あるメロディにハマった。キャッチーネスの勝利でしょう。ともすれば地味になりそうな「花いろ」というアニメに青臭い熱さを与えてるのはこの曲のおかげな気がする。アニメの内容に曲が合ってるんではなく、曲がアニメの質/印象を変えてる……ってのは、なかなかないケース。

Dragon Ashは色を変えながらもアルバムに一曲は心から「最高!」と思える曲を入れてくる。今回はコレ。切ない空気の真ん中で力強く燃えるメロディに泣く。Bメロからの広がり方、ラストの躍動感のあるリズムと胸が満たされるパートがたんまり。最近のラテン色に、初期のキャッチーなセンスとHARVESTあたりのスケール感をうまく融合させた良曲!この曲の後に「SLASH」「ROCK BAND」とロックな曲が続くのがまた熱い。

  • 余計なお世話だバカヤロウ / RHYMESTER

「アンタのためよコレわかってんの? わざわざ損な役目買ってんの いいことしかいわないそのへんの人と 違ってあえて叱ってんの」ユーモアが効いた痛烈なリリックにヤラれた。
アルバム全体も「POPLIFE」という名前ながら、歌詞の技巧/皮肉さが蘇ってて良盤だった。キングオブステージはまだ死んでない!

マーチングドラムからファンク&ヘヴィなリフで一発KO。良い感じにぶっ壊れててたまらない。こんだけ早口なのにスラスラと歌詞の意味が入ってくるのがすごい。ラストのサビが一瞬変化するのが上手いなぁと。


曲単位でもアルバムと同じで、日本語ヒップホップ、スクリーモ、ヘヴィロックと昔に熱中したサウンドにビビッとくることが多かった。技術や曲構造がどうこうじゃなく、聴いた瞬間とブワッと胸が熱くなる感覚が何度も。

2011上半期 LIVE BEST5

ライブ参加数が上半期だけで24と十分にランキングできる量なんでこちらも。
リンク先は当日のレポ。


大阪出身のバンドSawagiが大阪在住のバンドとしてラストにかました熱演。全バンドとも良アクトだったけど、なによりSawagiの気合の入りっぷりは凄まじかった。楽しさと激しさと感動が渦巻いた伝説的な一夜。

アレほど身体と精神を解放して踊り狂ったことはないってぐらいに騒ぎ倒した!山本精一の目の前で好き放題に身体を動かせるスペースという奇跡的なポジションが最高だった。バイオリンNIGHTになった対バン、攻撃的な新曲も忘れられない。

アルゼンチン音響派、および即興系ライブに傾いたきっかけとなった一夜。色々な音が飛び出てくるカブサッキのギターは魔法みたいだった。

親指ピアノのおもしろい音とカレーライス屋の面白いシチュエーションで印象に残ってます。親指ピアノの幻想的なループで意識を何度もあっちの世界に飛ばされました。

「震災後のライブ」として強烈に印象に残ってる。
ナイーブな七尾旅人が音楽に救われていく「繊細」な様子、そして不安になった日本にパワーを注ぐソウルフラワーユニオンの「大きさ」。東北大震災は一生忘れないし、同時にこのライブも一生忘れない。


他にもADFやDragonAshのアグレッシブなライブ、Comin Kobeの空気も楽しかった。ドンギマナイトは自分の体調さえよけりゃ上の5つの中に入ってたんだろうけど……。
下半期は7月の時点で最高のライブに4連発だった。残り半年のうちにどんな名演に出会えるのか楽しみです。