soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

SPONTANEOUS INNER OSCILLATION / Umikagami

しろかがみうみからきこえるとの合体サークル・Umikagamiとしての一枚。個別曲ありーの、合作ありーの


しろかがみはウチでも過去に取り上げたことのある母性を感じる優しいエレクトロニカを奏でるサークル。
umikagamiはテンポの速い曲調に素直クールな歌が乗るサウンドで、今作ではポストロック経由のロック風とフォークトロニカ風の二曲で参加しています。


お互いのジャンルは完全に一致はしていませんが、ドリーミーなメロディに歯車のようにカチッとしたリズムという共通点があって一枚を通して統一感があります。
全体的にはエレクトロニカ系のCDを聴いてる感覚に近い。けど、ポップな旋律が多いので、空間的に気持ちよさを「漂わせる」だけでなくメロディがポンと耳に「入り込んでくる」キャッチーさがあります。


良い意味で後味が無い。スルッと聴ける良作です。

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②うみからきこえるのボーカル曲。細かいブレイクビーツの疾走感あふれるセツナロックで「アナライザー♪分析してしてー♪」のサビが印象的。文字にすると少し間抜けですが音に乗るとめちゃくちゃ気持ちいい!そして最後の転調でトドメを刺される。いい曲です。今作で一番好き。


③アコギ、ピアノ、柔らかいシンセとフォークトロニカ系の音を駆使しながら旋律はポップ度高し。聴きやすくてイイ曲です。歌モノみたい……とまではいかないけど、ポップスの持つ即効性がピンポイントで配置されてて随所で耳が惹きつけられる。聴いてると浜崎あゆみの「sunrise」を思い出します。夏の幸せな感じ。メロディは本作で一番好き。


④どこか民族的なニカ。いい具合に怪しい。後半の透き通った歌声もナイス。


⑥アップテンポのニカ。音と音の間に不純物がまったくない。電子音と原始的パルスが一緒になったさっぱり感。こういう曲好きです。


⑦ラストは共作。切なくもポップなニカです。ビートの取り方がフライングロータス以降といえるズレのグルーヴで面白い。そこに哀愁漂いまくりのフレーズがやってきて胸にじんわりと染みこんでいく。楽しかった一日(一枚)がゆっくりと沈んでいく。最後にふわさしいしんみり……。

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ポップながら夢の世界へとトリップできる一枚。
少しアンニュイ、気持ちよくなる薬。
薬と言ってもドラッグではなくアロマテラピー的な心地良いアレです。