soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/10/15 SATURN luminous @ なんばHATCH (ALTZ / EY∃ / JAMES BLAKE / DJ KRUSH / Y.Sunahara / TAKKYU ISHINO / 1945 A.K.A KURANAKA)

昼の時点で相当に素晴らしかったSATURN。近くのカウンターしゃぶしゃぶ屋で軽く燃料を入れて夜の部へ〜。


夜はFM802のエレベーターが封鎖されてて、雨のなか外の階段を5階まで登る地獄。クラブイベントで酔っ払った人もいるから転落事故起こらないかちょいハラハラ。
人も昼より入ってた?昼はミナミホイールに取られてたからなぁ。


会場は健康的だった昼から姿を変えて夜の態勢に。
サブステージはVJやライティングが派手になってた。天井にかけた網に色の付いた液体(?)を反射させて投影したり、レーザーを当てて多重で光の接点を作ったりととても綺麗&サイケだった。サブステージは少人数で踊りやすくて、DJもガチテクノな曲が多くてイイ空間になってました。
そしてメインステージはド派手。巨大スクリーンを3台設置してめちゃくちゃカッコイイ映像を流し、レーザーも気合入りまくり。決してなんちゃってクラブイベントではない!
この日は昼も夜も照明さんが最高の仕事をしてたなぁ。一発目・七尾旅人の控えめなライティングから夜のギラギラなライティングまで思わず見惚れてしまう演出が多かった。


1945 A.K.A KURANAKA

ZETTAI-MUのオーガナイザーで有名なKURANAKAさん。ラスト15分ぐらい見ました。

ダビーな曲で攻める。夜に飲んだの焼酎が妙に効いて早くも気持ちいいモードに入ってたので最高に酔える。
とにかく昼から様変わりしたステージに圧倒されていたのでゆ〜らゆ〜らたまんねぇ。ゆらゆらしながらさりげなくJames Blakeの場所取りのため前へ。
人口密度的には一番好き放題踊れて気持ちいい時ではあった。

JAMES BLAKE

今年のダンス系アーティストで一番注目を集めた人と言っても過言ではないポスト・ダブステップの若王子。
このアクトが目当ての人がほとんどだったんでしょう。フロアはぎっしり埋まってた。
ドラム/電子パーカッション、ギター/シンセ、そしてボーカル/キーボード・JAMES BLAKEの三人編成。


もうアイドルみたいな人気で歌い始めたりサビが始まるたびに歓声が。ただ自分としてはそういうノリのアーティストかな?、と若干冷めてしまったところも無きにしあらず。


「UNLUCK」からスタート。声がCDそのままだ!すげぇ!UKロックでもやりそうな爽やか青年ルックスなのにめっちゃ渋い声。独特のリズムを電子パーカスで叩くのがパズルを解いてるみたいで面白かった。
「I Never Learnt To Share」では自分の声をループマシンでループさせてどんどんハモりを重ねていく面白い技を披露。ループに歓声入っちゃってたけどw
「To Care (like you)」でもドラムが活躍。サビのポコポコ音を電子パーカス再現。とにかくポコポコ叩いてました。これを生で叩くのと録音を流すので偉い違いだろうなぁ。打ち込みをあえて生演奏で再現するところに面白みがあるステージングです。


CMYK」で一気にダンサブルに。真っ白の照明で幻想的な空間を演出しながらも曲はアッパー。続いて一番有名な「Limit To Your Love」。ベース音は強烈すぎてもはやベースかノイズかわからない状態に。若干残念?しかし後半を思いっきり拡張して踊れるダブステップなノリに変えてくるのは強烈だった。
一番印象に残ったのが最後に演奏された「The Wilhelm Scream」。今までの曲は完成しつくされたクオリティだったけど、外に放出されるパワーより徹底的なまでのクールさが前面に出ていた。ただこの曲はまるでmogwaiのライブを見ているように轟音と共に登っていく快感がありました。ライブでこんな曲に生まれ変わるとは思わなんだ。


サウンド自体モロに好みというわけではないんだけれども楽しませてもらった。すでに書いたけど生演奏、ライブにこだわるのが面白い。特にドラムは「どう再現するんだろう?」と始終ウキウキさせてくれました。オタクっぽいルックスも良し。
JAMES BLAKEというビッグアーティストの存在がSATURNというイベントを面白いものにしたのは言うまでもありません。


DJ KRUSH

JAMES BLAKEが終わった直後はフロアの人数は1/3ぐらいに。そんな客のリアクションもなんのその。最高のDJを聴かせてくれた。


DJ KRUASHは渚春のダークステップの印象が強かったんですが、今回はエクスペリメンタルなヒップホップ……いやヒップホップの枠に収まらない数々の幻想的なサウンドをミックス。
James Blakeの空気を受け継いでアブストラクトなトラックからスタート。超絶テクのスクラッチを織りまぜて徐々に盛り上げる。スモーキーな雰囲気を保ちながらもブレイクビーツ、テクノ、ダブステップまで縦横無尽にクロスフェーダーで綱渡りしていく。危ない空気に完全にヤラれました!
ラストにドロップしたTABOO1 feat.志人の 「禁断の惑星」がかっこよすぎた!


クラッチテク、前アクトから自分の世界へとスムーズに持っていくDJスキル。ダークステップのイメージから良い意味で裏切られたという意味でも個人的ベストアクト。
DJ Krush、舐めてました。


EYE

DJ KRUSHが完全にフロアを温めたあとに登場した山塚アイことEYEちゃん。


初っ端から正統派の四つ打ちハウス/テクノ。
急にオリエンタル・ディスコなフレーズを挿し込んだりと奇妙さも顔をのぞかならがらも、EYEにしてはびっくりするほどまともなダンスミュージックを展開。


テープリールは使わないもののイコライザーをこれでもかと挟みながらとにかくアゲアゲ。曲がどうこうの前に感覚を刺激しまくる選曲&プレイ。
盛り上がりはこの夜一番。どこを見てもハッピーに踊っている人たちばかり。ツマミを弄れば特大の歓声が湧く。


個人的にもこの夜で一番楽しい気分になってたアクトです。


ALTZ

EYEちゃんのDJに完全にヤラれてアルコールも回ってきて最高に気分の良い状態。


人口密度が少なくて踊りやすいセカンドステージでグルグルと周っておりましたー。ぶっちゃけどんなDJだったか覚えてないけどとにかく気持よかった。
幸せー。

Y.Sunahara

ALTZから遅れて参加なんでラスト3曲のみ。
まったく同じ服装をしたマニピュレーターと二人でステージに。ガタイが違うけどぱっとみどっちがどっちかわからん。そういうネタ?
映し出されたメッセージ性の強い映像とシンクロしてドープな曲が流れてた。あぁ気持ちいい。


と、ほろ酔い気分でスクリーンを眺めていると真っ黒な画面に「JOY / rei harakami」の文字が。
「え?」とあっけにとられていると流れだすJOYのメロディ。James Blakeの時以上に大きな歓声が響くとともに、泣き出す人、隣の人と騒ぎ立ててる人、「harakamiさんありがとー」と叫ぶ人も。
自分も目頭が熱くなってなんだかいてもたっていられなくてフロア後方へ意味もなく歩いていった。すると後ろのほうでEYEが驚くほど澄んだ目をしてステージを眺めてたのに気づいてまた涙腺が刺激された。色んなイベントで共演してるしこの二人も関わりが無かったわけではないだろうな。


後で知った話なんですが、この時流れたのは砂原良徳のカバーで一からJOYの音源を作り直したとのこと。
harakamiさんが亡くなって、自分にとって追悼イベントはメタモになるだろうと思っていたのに台風で中止。以降harakamiさんに対する拭い切れないモヤモヤとした気持ちをまりんが解き放ってくれた気がします。ありがとう。


ライブ前半も相当に良かったみたいですね。うーん、全部見りゃよかったかも。

石野卓球

最後は卓球さん。
日本人DJの第一人者たちが集結したこのイベントのラストが卓球ってのがまた良い。


直球のハウス/テクノ。変化球も入れずにただただ良いダンストラックを流す。
素人目にみても繋ぎやらミスりまくってたけど、人懐っこい笑顔でカバー。約2時間、盛り上げ続けたDJで終了〜。


なんばHATCHでオールナイトといった特殊な環境と一級のDJアクト。ここまで気持ちよくアルコールと音楽が身体を巡ったイベントはなかなかありません。最高だった!


昼も入れたら13時から翌日の5時まで。16時間にも及ぶイベントだったけど死にそうになるほど疲れることもなく、ひたすら「楽しい」の感情が充満してたイベントでした。こりゃ今年のベストイベント候補だな。


また次回もやってほしいなぁと思うイベントです。