soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/01/21 PAOS! vol.8 〜勝手に珍民投票〜 @ 梅田シャングリラ(ゑでぃまぁこん、water fai、ざ×こ×ば、山本精一、クリトリック・リス)

元・あふりらんぽのPIKAが主催するイベント。原発、エネルギーに関する問題提起/議論といった真面目なテーマが敷かれておりライブ以外にトークイベントもありました。
主張のあるイベントで山本精一さん、クリトリックリスがどのように振る舞うか興味があったのでゴー!


フロアは3割埋まりぐらい。
淋しいというよりそれぐらいの人数でまったりするイベントなのかも。子供連れがけっこういて小学生にもなってないようなお子さんがシャングリラ中を走りまわってました。

water fai

ラスト一曲の終盤だけ拝見。


女性オンリーのシューゲバンドかな?
甘っちょろいなんちゃってシューゲじゃなくて、しっかりとしたフィードバックギターがうなってる。そこに女性ならではの清潔感が絡んで気持いい音を出してました。
爽やかで歪。ちょこっとしか聴けなかったその間に心を奪われました。また機会があればちゃんと見てみたい。


※帰って調べてみるとシューゲオンリーでもなく、轟音をキーワードにポストロック的なアプローチもやってるバンドみたい。


ざ×こ×ば

最前線には子供。ステージ上ではガチ・ハードコアパンク。シュール……。
ということで年齢高めの方々のH×C。
子持ちのメンバーも多いみたく、最前に張り付いている子供たちはメンバーの子供だった模様。なら安心だね(?)。


ストレートのイカついハードコアで騒いだら気持ちよそうなサウンド。大人の貫禄を感じさせるステージ立ちが印象に残ってる。
歌詞を今回のイベントに合わせてエネルギー問題に変えてたらしいです。
ただ、普段しないから慣れてないという曲間トークはおざなり。なぁなぁなMCじゃ伝わってこないと最認識。

クリトリックリス

ライブが始まるというのにステージ前に人がよりつかないw
幕が開いて第一声「ビビッてんちゃうぞっ!」


温まらないフロアをなんとか盛りあげようと色々な話題を振って道を探す。それはさも営業マンが顧客への切り口を探すかのようでした。次第に歓声、笑い声が増えてくる様子は見事。これが社会人か。


曲はこどもがたくさんいるのに容赦のない下ネタの嵐。親から訴えられても仕方がないレベル。まぁ、このイベントにくる親は大丈夫だろうけど。
二週間前のムジカジャポニカではやらなかった新曲あり。社長のパスワード忘れのエピソード。面白いw
ある曲で「チーズ、キムチ、ちんぽ」コールを求めてるときに、隣の親子が「歌ったらあかんで」とか会話してたのが笑えたww
最後にイベントテーマにのっとってノーマイク/アカペラで『スウェッティ』。手拍子が起こる中、ノーマイクなのを忘れる声量で熱く歌う(語る?)のは胸が熱くなった!


前から「ホームのクリトリック・リスばかり見てるからたまにアウェーも見たい」といってたけどようやくアウェー寄りのライブが見れたかな?
ただ漠然と曲をやってたら盛り上がるんじゃなくて、必死に客を温めようとアプローチしてたところクリトリック・リスのセンスと真面目さを感じました。


ゑでぃまぁこん

名前はよく見かけるけど聴くのははじめて。
フルート、サックスを含むアコースティックなバンド編成。
なるほどこういう音ね。
琴みたいな珍しい楽器もあったけどアレは大型のスチールギター(横置きギター)かな?


スポンジみたいに優しい感触のサックスが良かった。
演奏も歌も繊細で整ってる。
でも自分の好み直撃の音ではないかなぁ。若干の眠気が。

山本精一

ボアダムスの眼鏡ドラム・楯川陽二郎さんとサプライズ共演。レアな組み合わせです。陽二郎さんはゑでぃまぁこんで叩いてたみたい。気づかなかった……。
「借りてきた猫みたいになってます」とは本人の弁。確かに無主張の山本さんはこのイベントじゃ浮いてる。


セトリは『いつものうた』『宝石の海』『ハルモニア』『空の名前』の4曲と短かかったけど素晴らしい内容でした。


MCは落ち着いてたけどやはり躁状態の演奏。
『いつものうた』の後半でカマした熱いギターソロはめちゃくちゃかっこ良かった!
歌声も良かった。ここ最近の山本さんはギターも歌もかなり調子良い気がする。


陽二郎さんのドラムは叩き方はおとなしいけどフレーズはがっつり自己主張。『ハルモニア』の山本さんソロにタムでケンカ売れるのはすげー。
フィルインひとつひとつが耳に残る。アルバムで叩いてる千住宗臣さんとは違った解釈で合わせてて面白かったです。

「暗くなるから嫌なんや」と3曲で終わりそうだったけど、客の要望に答えてもう一曲。その時に言ってた「原発じゃなく震災があった。そのことが語られなくなってきてる。(震災があったことを)忘れないのは大切なことです。」という言葉が印象に残ってます。自分も強くそう思う。
そのあとに演奏された『空の名前』はガツンとハートにきた。
しかし、エネルギー問題を軸にしてるイベントでこの発言も相変わらずすごいよな……。


曲が始まると視点がステージ上に集中する記憶に刻まれるライブ。
他の出演者との違いを見せつけた素晴らしいライブでした。


このあとにトークコーナーがあったんだけど用事があったんで退出。
いつになくリラックスしてクリトリックリスと山本精一が聴けて良かった〜。