soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

正義の味方ギガトラスト / サークルゴリッチュ

私の中でフリゲの超超名作に位置している「B.B.ライダー*1」の作者が作ったフリーのノベルゲーム。ダウンロードページには”短編”と書いてますが実際はかなりの”長編”です。プレイ時間は20〜25時間ほど。


平凡過ぎる日常から抜け出したいと思っている塩彦は森の中で光る”玉”を見つける。興味本位で手に取ると”玉”が身体の中に入ってきた。
同じ森の中で追うものと追われるものがいた。命のやり取りを伴う追跡に巻き込まれてしまう塩彦。死を目の前にした塩彦は”玉”の力を使ってギガトラストへと変身する……。


ジャンルはコメディ/シリアスを行ったり来たりするバトルモノ。
残酷表現も伴うシリアスな大枠にアホらしいドタバタ劇を大量にこれでもかとまぶした作風。名前はヒーローモノっぽいけどコテコテな設定は無くメインになるのはアクションモノなのでその手の話が苦手な人も大丈夫です。


システムはオーソドックスなLivemaker製。バックログが読みにくいのがちょっと困った。
絵は正直なところ上手くないです。ひぐらしよりアレかも。でもプレイしてるうちに好きになるんだよな。
ただこの絵で微エロ(15禁くらい)シーンを入れられても……ってのはある。


しかし、視覚面でのディスアドバンテージを跳ね除けるのがシナリオ。何度も吹き出したギャグに身体の芯から熱くなるバトル。物語に引き込まれた時のパワーはすごいです。


ギャグはハイテンションすぎるところが若干人を選ぶだろうけどホモネタ、下ネタ、ロリネタ、自虐ネタ……と面白い。氏家ト全生徒会役員共etc.)のようなこじつけネタが多い。
シリアス/バトルはとにかく熱い。プレイしてるこっちが恥ずかしくなるほど熱い。決心や忍耐からくる逆転劇。戦闘で歌とか入れちゃいます。それがまた熱い!
わざと中二病?いや厨二が奥にあってそれが留められ無くなってる感じ。


と、構成しているピースは文句無しに良い。もちろんキャラも良いです。(友達のいない先輩が好き)すべてがボディブロー級。それなのに全体で見ると大満足とはいえない……というのが正直な印象。全員が主人公級の見せ場を持っている。それゆえ全体的に散漫としているのかも。また後半は設定説明ゲーになってるところもあります。


あと一番はオフザケの度がすぎる。「コチョコチョ」「やめて〜」みたいなやり取りが30クリックぐらいあるとさすがにダレてき集中力が切れる。ゆえについブラウザを開いてネットサーフィンをし始めたりとなかなかゲームが進まなかったです。チビチビやってたらプレイ開始から終了まで2ヶ月半ぐらいかかってしまいました。


ほんとノッてきた時の熱中度はものすごいんです。
劇中歌に合わせて「うおーーー!!!」と叫びたくなる衝動にかられるほど。
言ってしまえば無駄が多い。勢いに乗ればいいんですが……。
それが顕著に出てしまったのがのがエピローグ。ここでビシッと終わればいいものの全キャラの残りを回収しようとするからしつこい感じに。


漫画でよくある「雑誌連載だと微妙だけど単行本だと面白い」の逆パターンです。少しづつ進めていくにはいいけど一気にプレイするノベルゲームにしては毎回似たようなシーンが入るのでダレる。漫画とノベルゲームの違いを見た気がします

*1:一時期公開停止してましたが再公開されてます。未プレイの人はぜひ