soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/06/06 プラチナ・ジャズ・オーケストラ presented by ラスマス・フェイバー @ Billboard Live Osaka 2nd stage

大御所ハウスDJのラスマス・フェイバーが一流ジャズプレイヤーを引き連れてアニソンをカバーするプラチナ・ジャズ・オーケストラ。
昨年の1月に来日した時も観に行きましたが、それから新譜のvol.3が出たというのもあり今年も行って来ました〜。


入り口付近でとらのあなみたいな匂い*1がしてドキッとした。そんな状態でよくBillboard来れるな〜。自分の席までは匂いが来ることはなかったのは幸い。


お洒落な一時を過ごしたい気分だったので、フード/ドリンクはいつものフライドコンボ+ジントニックではなく、チーズ盛り合わせ+赤ワインをオーダー。チーズに添えられてたレーズンパンがめっちゃうまい!


ワイン片手にセレブな気分に浸ってるとライブスタート!





最初に登場したメンバーはピアノ、ベース、ドラム、トランペット、トロンボーン、サックス×3の8人。
ステージが進むにつれ電子オルガン、ボーカル×2、そしてラスマス(担当楽器はエレピがメイン)も加わり総勢12人の大人数バンドでした。


一曲目は『わが名は小学生(みつどもえ)』。違和感ゼロの見事なジャズアレンジでいきなり楽しくなってきた。本当にジャズになるために生まれてきた曲では?と錯覚するぐらいフィットしてた。心地ええ〜。
安易にリコーダーを持ち込んだりはしない、あくまでも本格的なジャズアレンジにうっとり。
いい歳をしたオッサン8人が「むしゃこら」「ひーふーみつGO!」と掛け声をかけてるのには苦笑いw


『旅の途中(狼と香辛料*2』→『小さなてのひら(CLANNAD)』と開始から良曲ラッシュ。前者はフューチャーされてたオルガンがカッコ良かった。そして後者、『小さなてのひら』はー流プレイヤーが奏でる鍵旋律に本気で泣きそうになりました。幸せすぎる。
開始3曲の時点で大満足!


そのあともひょうきんな男性ボーカルを呼んで盛り上がった『はじめてのチュウキテレツ大百科)』、スタートするや歓声が挙がったノリノリの『そばかす(るろ剣)』、女性ボーカルがしっとり歌い上げる『Genesis of Aqarion(アクエリオン)』などvol2以前の曲も盛り込みながらステージは進行。


印象に残ってるのはvol.3からの曲。
風の谷のナウシカナウシカ)』のメロディが琴線を捕らえたり、ピアノが嬉しそうに曲名をコールした『デリケートにキスして(クリィミーマミ)』などどれも耳にすんなり馴染んできた。ナウシカはキタなぁ、こんないいメロディだっけ?原曲でも気づかなかった魅力を知ることができました。


昨年は中盤にバラードが集中して寝そうになった時間帯も正直あったんですが、今回は盛り上がる曲、キャッチーなメロディの曲が中心の攻めのセットリスト。当然のことながら寝てる暇もないくらい常にワクワクしっぱなし。
ハレ晴レユカイ』『プレパラード』『星間飛行』『ハピマテ』などvol.2以前の有名チューンをやらなかったのが全く気にならないくらいvol.3の曲が良かった。


そして今回の一番のハイライトが『God Onlys Knows(神のみ)』。フルバージョンだと8分超え、組曲のようなプログレ曲構成でアニソンの常識を覆したこの曲をみごと完全再現していました。
第三幕*3のイントロを代表する印象的なピアノ、美しく伸びるメロディを奏でるブラスパート、複雑な曲構成を難なくこなすバンドアンサンブル、後半はドラムの高速ライド刻みをベースに盛り上がっていくポストロック的な熱さ。
原曲で多様されてるオルガン/エレピがいるのにあえてブラスパートで再現するのも良かった。
ジャズというよりもはやプログレ。本当に聴き応えがありました。この一曲の中で何度鳥肌がたったことか……。


そこからさらに前回サプライズで披露した『GO!GO!MANIAC!(けいおん)※未音源化』で畳み掛ける至福の流れ。う〜ん、相変わらず二番のディリリディリリディリリがカッコよすぎる。
締めに『銀河鉄道999銀河鉄道999)』。希望溢れるメロディを高らかに歌い上げるこの曲が最後にきてがグッとくるものがありました。「The Galaxy Express 999 will take you on a journey  A never ending journey  A journey to the stars♪」良い歌詞だ。
ボーカルが客席のど真ん中で歌っての大盛り上がり。ダイブするフリまでしてましたw


アンコールで今回のサプライズ。(たぶん)CDでも音源化されてない新アレンジの『fly me to the moon(エヴァ)』をボーカル二人で熱唱。


そして最後は『1/2(るろ剣)』。「悲しいバラードで終わるんじゃなく、楽しく終わろう」とのMCの通り、サンバなテイストも入ったアレンジでメンバーもノリノリ。みんなが本当に良い笑顔してました。
ネクタイ外れてるひともいたり、楽器そっちのけで踊りまくってる人がいたり、ラスマスに至っては電子オルガン椅子の上に立ち上がる興奮っぷり。
ハッピーで最高のフィナーレ。




いやー、本当に素晴らしいライブでした。
懐かしいメロディにドキドキしっぱなし。原作アニメを見てた当時を思い出してノスタルジーにウルっとくることが多かった。
前回は初プラチナ・ジャズ、さらに初Billboardで興奮してたのもあっての満足感だったから「今回は微妙に感じるかもなぁ」と期待値は低めだったんですが、終わってみると前回公演の1.5倍、いや2倍は楽しめた!
演奏レベルが高いのはもちろん後半にいくにつれ笑顔が増えていくメンバーがまた良かった。スリリングな熱い演奏より楽しげな演奏。


前回がアニソンを本格的なジャズという枠組みに取り込むスタンスだったのに比べ、今回は電子オルガンをフューチャーしたり掛け声を入れたりプログレ状態にとジャズの枠を取り払ったエンターテイメントなショウでした。
前回と違うノリ。個人的には今回のほうがドツボにハマった。


何度も繰り返しますが……めっちゃよかった〜。


*1:要するに汗臭かったです

*2:本当に旅の途中だったか若干自信なし。聴いたことがあるフレーズが散らばってたのは確かなんだけど……

*3:アニメOPで使われた部分