soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/06/09 ROVO @ 心斎橋サンホール

ついにこの日がやってきました。ROVOワンマン!
VJの迫田悠さんが離れてどうなるのか?が一番気になるポイント。


当初予定されていたNOONが摘発を受け、急遽サンホールへ会場変更。
初めて入りましたがグラフティ風ペイントのある黒壁、缶のフタで作られたオブジェ、ドリンクコーナーとフロアの間が金網で仕切られてる……となかなかにアングラ臭。ROVOに似合ういいところじゃーん。


ステージは奥に長い?普段よりまとまって楽器が配置されてる。カーテンはされてなかったけどかなり暗くしてあって詳細はよく見えない。
山本さん前で待機。ギター付近にイスが無いのを確認*1
ほぼフロアが埋まるぐらいまで客入ってる。けど踊る場所はある。一番良いフロア・コンディションだ




ほどなくしてステージの暗闇からメンバーが登場。
久しぶりの『horses』からスタート。まずはミニマルなビートでジワジワとフロアを温めていく。
さて、気になる照明はスタンド固定で白とオレンジ色だけのシンプルそのもの。
ただ加えてステージから客の頭上にかけて大量の裸電球が吊るされておりこれが美しかった。ジワ〜と明かりが付いていく様子は静かながら力強い。


無骨な照明に呼応してか音がいままでになく生々しい。特にドラムはいつもの倍はロックしてる。反響しやすいハコの音響もあったのかな?肉体的でいままでにないRovoです。
残念ながら岡部さんが見えない位置でしたが他はバッチリみれる良位置。ど真ん中にはナスカカーTシャツが目立つ原田さん、山本さんは帽子を深めに被りいつも以上に怖い…誰かを恨み殺すような表情でギターを弾いてました。立って演奏する山本さんは久しぶりにみたなぁ。


続いてRAVOから『eclipse』。
この曲はメロディが頭から離れない。原田さんと益子さんがいつも以上に楽しそうにしてる。この頃は客もまだ理性が働いてて揺れる程度。


ここから新曲ラッシュ。『新曲1』
山本さんのギターが大活躍でした。BAALの発展系?いや、もっとザクザクしてて土臭くてじゃがたらの『HEY SAY』を思わせるものがありました。ギターソロもアメリカンロックな感じ。ROVOで山本さんがこんなギターソロを弾くのは初めて聴いた気がする。好きなノリかも。


『新曲2 (MIR)』丸括弧はDVDのチャプターリストにある曲名です。仮名?
この曲もTHE SEA AND CAKEの曲でも始まるんか?みたいな爽やかなギターで入る。ロックだ。山本さんになにか心境の変化が?
音の隙間を大きく取ったアンビエント系の曲調でスタートして新鮮。気持よすぎる音を鳴らす6人を後ろから照らす7つほどの照明が次第に夜空に浮かぶ星のように思えてきた。順調にトリップしてきております。
この曲かは覚えてないけど、山本さんが後ろを振り向いてメンバーが円になって演奏するシーンが何度かありました。ROVOでは珍しい光景。”バンドメンバー”って感じがしてほっこりした。
振り向いた山本さんの手元を他の全メンバーが凝視してるシーンもあったけど……もしかしてライブ中に曲をアップデートさせていってるのだろうか?う〜ん、この人達なら普通にやってそう。


RAVO DUBから『SINO DUB』。
最初のギターが鳴った瞬間に割れんばかりの大歓声。良い客だ。
ドンドコドンドコ・ビートが入ってきた瞬間のプリミティブ感がヤバイ
やっぱ知ってる曲は起爆剤。ここらへんから客のテンションが完全にクレイジーになった。フロア内で音が反響しやすいから、勝井さんのバイオリンが高音を奏でるとまるで歓声が湧いたように感じる。それが余計高まりを助長させてくれました。
アウトロでもアガりきった客の声が静まらず、ギターの音が聞こえなくなるくらいの大盛りあがりでした。この日のROVOは例年以上に熱狂的!


『新曲3』
ノリノリのベースでスタート。ファンクネス…ブラックミュージック的なバイブを感じるダンスチューンって感じ。これも今までにないテイストでした。しいて言うならKARMAの発展系?
ここらへんから勝井さんの高まり方がヤバイ。上方45度くらいにバイオリンを持ってフルパワーで弾くときは光がそこに集結していくようだった。
MCで何度か風営法に触れ「踊ること」に対して正面から向き合ってた勝井さん。気合が入りまくってました。山本さんも瓶(?)を弦に高速でこすり付けてものすごい音だしてた。


『新曲4(D・D・E)』
去年からやってたサイレン音から始まる大爆走曲。
前聴いた時は一瞬で突き抜けた感じがしたけど後半がより練り上げられてて音のスケールがアップしてました。勝井さんのバイオリンの熱気がすごかった。弓の紐がどんどん切れてほどけていく。ありったけに爆発して終わった本編。もうスゴすぎて笑っちゃうレベル!


山本さんは音が気に入らなかったのかしきりに耳を押さえながらスタッフにブツブツ言って退場していった。笑顔だったけども。




アンコールにはMonの『haoma』。珍しいやるなぁ。
最初の勝井さんが弾くフレーズがボアダムスの「Super you are」に似てて「まさかカバーか!」と思ったけど『haoma』でした。じっくりした前半から一気に盛り上がる後半。
なんでこの曲?と思ったけど思いのほか盛り上がった。勝井さんはもう早くももう一本弓やっちゃうんじゃないかってぐらいに弾き倒してた。
曲が終わり山本さんがまたスタッフにブツブツ言いながら帰っていきました。


アンコールが終わり、BGMが微かに聴こえ始めても「もっと踊りたい!」と言わんばかりの拍手。するとメンバーが出てきてダブルアンコール!「曲止めてください。もう一曲やります。」


始まったのは1st・Picoの『CISCO』。
この曲と言えば途中からまったく別のリズムが入ってくる常人には理解できない曲構成。
途中から眼を閉じて他のメンバーとまったく別のBPMを叩きだす芳垣さん。ズレの快感。そこだけぽっかり空間が違うみたい。すごすぎる。
異常すぎる違和感がついに一体化しはじめた、と思ったら岡部さんがまた違うリズムを放ってくる。規則が崩壊する瞬間がめちゃくちゃ気持ちいい!


リズムもわけわからんことになってるあいだに音が集まりだし、全員がひとつの塊になって粒子砲のようなパワーで爆音を鳴らしヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!!!!
……凄かったです。


去り際に山本さんがニヤニヤしながらマイクに向かって一言「がんばれよ」。
半笑いだったし去年のMDTでのセルフパロディかな、と思ったけど風営法に対する本心でもあるんだと思う。最高の一言です。
そしてまたスタッフにブツブツ言いながら帰っていきました。笑顔で。




VJがなくなってどうしても空間的な広がりは弱まった。大人しめの新曲の中盤とか一瞬だけど意識が他に行った時がある。
でもロックな部分が強調されててバンドも客も熱狂っぷりが凄かったです。衝動に任せて爆発していった感じ。特にCISCOの力強さは言葉に表せないほどでした。
今のROVOがスゴイことになってますよ。新曲も良かったし次回作が楽しみ!


わざわざ言う必要もないかもしれませんがROVOのライブはいつも最高。特に今回は転機だから特にインパクトが強かった。
広がりが弱まった分、バンドへ集まる威力が増した感じ。ショットガンと霊丸みたいな。


この日は6/9 = ロックの日
ROVOはトランスであり、ロックでありました。

*1:昨年11月の迫田さんラストライブではイス座って演奏したとのレポが各所で上がっていました