soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/07/15 国生音楽祭 @ サンライズ淡路特設会場(DJ ERAGURU、DAMAGE、Lobo、Nabowa、APPLEBLIM、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND、THA BLUE HERB、Marcel Fengler、井上薫)

淡路島で新しく始まったフェス。会場・サンライズ淡路では初のフェス開催なんかな?
淡路島に住んでるイベンターが地元にシーンを作りたいと発案……ってのはあとで知った話で単純にメンツとロケーションに惹かれて行ってきましたー。


アクセスは三ノ宮から高速バスで70分。少し躊躇する距離。
ホームページも手探り状態で情報が少なく直前まで行くか悩んでました。
でも淡路島ってロケーションが気になった。


そこそこに混んでた高速バスに乗って会場最寄りのパーキングエリアへ。
会場への案内は無し。到着して早速どこに向かえばいいかまったくわからない。うーむ、ここらへんは不備よなぁ。
それっぽい集団とかすかに聴こえる音を頼り*1に迷いながら付いていってなんとか会場へ。



小さな丘を登るとステージがパ〜っと見える。良い眺め!音も結構な爆音!!周りは一面の緑。こりゃ良いロケーションだ〜。
客は面積の10分の1も入ってないけどそのゆとりのある空気がまた良かった。




メインステージは面白いデコレーションがされてる。のちのTOSHI-LOWのMC曰く「天井も無いステージ」。写真に見える白い部分はほとんど団扇の骨組みで作られてます。面白いアイディアだなぁ。
広さは十三ファンダンゴより少し大きいくらい。でも高さがあるからせせこましい感じはしませんでした。



メインのすぐ横にあるダンスステージはオーソドックスな野外レイブ形態のテントステージ。
メインのすぐ隣で「音がだだ被りやん!」っと思ったけど意外にも互いのステージの音は全然被ってませんでした。スピーカーの位置かな?
こちらはステージ前がユルいスロープになっててこれまた開放感がある。寝転びながら聴いてるとすんげー気持ちよかった。


フードはカレー、焼き鳥、焼きそば、かき氷、アイスと簡単なもの。飲み物はひと通り種類が揃っててしっかり冷えてた。
売店スタッフも手探りだった気がします。サービスが上レベルってわけじゃないけど必死に自分の仕事をしてたのが好印象でした。


気持ちのいい風と爆音に包まれながら淡路島のフェスを楽しんできました〜。

DAMAGE(メインステージ)

渚音楽祭でもチラッとみかけたエレクトロバンド。うーん、どうもクルものがないなぁ。テンションがアホみたいになってる状態なら楽しそうだけど。
メインステージの音響がしっかりしてるのを確認したらダンスへ。

DJ ERAGURU(ダンスステージ)

なんでもありなDJ。
最初に行ったときはファンキーなハウスをかけてました。スミノフ買いに行って戻ってきたらドラムンを回しててそのままトライバル……というよりサンバlikeな曲へとつなげる。


客を踊らせるためには手段(ジャンル)を選ばないDJ。”ノージャンル”を謳ってるこのフェスを象徴するプレイ。
いきなり気持ちよくテンションをアゲてくれました。
良い時間帯から最高のDJをやってくれたおかげでこのイベントの楽しさが1.5倍くらいに膨れ上がった気がします。

Lobo(ダンスステージ)

テンションの高かった前DJと打って変わってプロッグ系の落ち着いた選曲。
寝転びながら聴いてるとめちゃくちゃ気持ちよかったっす。イイ意味でノージャンル。

Nabowa(メインステージ)

MDT2012で最高の幕開けをかましてくれたのが記憶に新しいNabowa。淡路島の地でもやってくれました。
トラディッショナルな旋律ながらもブーストレベルで気分を高めてくれる独特のトランス感。
セトリはほぼMDTと一緒だったと思います。


彼らのレポを書くたびに触れてますがギターがほんと良いアクセントになってる。ゆったり演奏するドラム、バイオリン、ベースに対してがっしりロックなフレーズを弾くギター。このバランスの崩し方が素晴らしい。
あまりに気持ちよくてさっそく氷結2本も空けてしまいました。飲み物と最前の行き来がすんなりできる国生ならではの楽しみ方!


裏でやってるAPPLEBLIMを見に行こうと思ってたんだけど結局最後まで見てました。
近いうちに二度見ることでMDTの客のテンションのおかしさを再確認もできましたが、こっちはこっちで楽しかった。


APPLEBLIM(ダンスステージ)

ダブステップと紐付けて語られることもあるAPPLEBLIM。でも典型的なダブステの範疇で語れるプレイではありませんでした。
四つ打ちのクールなハウスを基本としたなか、しっかりとノせてくる。
落ち着いた気持ちのまま身体はどんどん動いていく。ウィスキーみたいな音楽。


クールな音空間の作り方はまさにダブステに通じるものがある。ワブルだけがダブステじゃない。良いDJでした。
あと気難しそうな音なのにめっちゃ良い人。出番終わった後はニコニコした笑顔を見せながら会場で音楽を聴いてファンと話してました。


OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(メインステージ)

BRAHMANの全メンバーが兼任+2名によるフォークトラディショナル系バンド。名前はよく見かけるけど音はあんまり詳しく知りませんでした。


TOSHI-LOWは一曲目でパーカッションを軽く叩いて残りはアコギを引きながらサイドコーラス的な役割を中心にしていました。BRAHMANのステージ上じゃ見せない優しい笑顔で歌ってました。
RONZIが巨大なスティックで曲の最後を占める謎のパフォーマンスとかゆるい空気。
メインボーカルは外国人のフィドルバイオリン)。日本語も喋るけど若干カタコトなのがパックンみたいで面白かった。


牧草的なフォーク。BRAHMANとは音楽性は違うけど芯にある力強さは一緒でした。
MCもありでダンス、風営法にも「馬鹿げた法(Stupid law)」だと軽く触れていました。
国生音楽祭は関西のイベントなれど風営法へのメッセージって部分は前面に出てなかったと思います。その中でもバンドマンであるTOSHI-LOWがしっかりと触れてくれたことが嬉しかった。前日にSAVE THE NOONに行って、当日もSAVE THE NOONのTシャツを着ていった身としては嬉しかった。



ここいらでフード評。
焼き鳥はうーん、カレーはレトルトっぽいけど暑い中ではそのシンプルな味が非常に美味でした!
地元の牛乳を使った(だったかな?)アイスも美味しかったです。もっと地元の料理あると面白そうですね。
飲み物もビールやひと通りのソフトドリンクはもちろん、氷結、スミノフ、ZIMA、スカイブルーとラインナップ良し。テキーラもあり。飲み物が快適に確保できるのはデカいよなぁ。
トイレは近くの施設のが使えたので綺麗でした


力強いペインティングアートも完成したころステージには大物登場。

THA BLUE HERB(メインステージ)


登場した時はさすがの存在感。間違いなくこの日の一番人気だったと思う。
新譜の曲が中心だったのかな?*2新譜を未聴ってのもあり思ったほど熱中してない自分がいた。
いやもちろんリリックの一部を天気や淡路島に差し替えるのはすごい。雨ニモマケズが始まった時とかもヤバかった。けど完全に心を奪われるとまではいかず……。
なぜかMCでTOSHI-LOWを煽りまくってるなぁ、って印象でぼけーっと見てたんですが、「このイベントにこんなメッセージを語ることを許して欲しい」とのMCから国、震災に対しての明確な主張。そして始まった『HIKARI(fest.クラムボン)』から完全に持っていかれました。



良い感じに日が落ちてきてメインステージのデコの印象が変わっていく。
メインステージの裏は出演者用の芝生広場が広がってます。その光景を何度も見たはず。なのに背の高いステージ、早く動く雲、その後ろにある山が視界に入るとメインステージの裏が絶壁なんじゃないかと本気で錯覚してしまった。それはBOSSが語る崖っぷちにいる今の日本に共鳴する。
いままで片方づつしか動いてなかったステージ横のオブジェが左右とも綺麗に動いてる。ホンモノは奇跡を呼び起こすんだなぁ。

前列でいざこざがあったことに対してBOSSが「おまえたち握手しろ。止めれるよな?」とその場を納める場面も。客の面倒事なんかスルーもできたはずなのに見て見ぬふりはしないBOSSの姿勢。痺れました。


最後は『未来は僕等の手の中』で占める。ステージもフロアも天気も、言葉とトラックの力で持っていくカリスマ性。あの時だけステージが絶壁にあった。淡路島のあのシチュエーションだから見れたライブ。来て良かったです。


井上薫(メインステージ)

強烈なTBHのライブの後、間髪入れずに「踊れっ!」と言わんばかりにがっつりしたビートを持ってくる。そのハッピーなバイブスは見事でした。残り1時間も切ろうというこのタイミングに『string of life』をドロップするなどトリの存在感をしっかり見せてくれました。


Marcel Fenglerダンスステージ)

裏では外国からのテクノDJ。こっちも良いノリ。
難しい選曲をするプレイがなかった。とにかく身体にくる、身体が自然に動く曲ばかりがかかってた。
最後までがっつりとダンスミュージック。
ハッピーに踊りながらイベントが終わっていく。



このあと20時のバスに乗ろうと思ったんだけど乗り場所がわからずに結局見逃す。うーん、ここらへんの整備が弱い。看板ひとつ……それが無理ならサイトに詳しい説明を書いとけば助かったのになぁ。一応推薦している交通機関なんだしここらへんはしっかりしてほしかった。



最高のシチュエーションと最高の音楽で踊って、飲んで、寝転んで……心から楽しかったー。


慣れていない感のあるイベントでした。隅々まで100%文句無しって人はいないと思う。
でもみんな「淡路島まできて良かった」と思えたんじゃないかな?
つまらなさそうな顔してる人をまず見なかった。


心配されてた雨もまったく降らず。*3
会場全体の10分の1も人が入っていなかったイベントだったけどそこも含めて良かったんだと思う。大規模なこなれてるイベントとは違う楽しさがありました。
次はあるのだろうか。

*1:この手のイベントは反響で真反対から聴こえることがあるので注意

*2:TBHはライブだとトラックをまったく別物に差し替えることがあるので自信が無い……。

*3:同日、兵庫で行われてたROKKO SUN MUSICは雨で中止に追い込まれたりと苦難の道を歩んできたことで有名です。