soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/07/19 喧嘩記念日 KING BROTHERS vs. あらかじめ決められた恋人たちへ @ 梅田クアトロ

ロックンロールとエレクトロ・ダブ。大好きな二組の夢の様な組み合わせ。当然行くしかないっすよー。


梅田クアトロは二回目。地下通っていけるし立地いいなぁ。
人入りは余裕あるスペースで経っててとりあえず埋まったレベル。身体動かしやすくて良い感じであります。
しかしこの組み合わせならギュウギュウになると思ったけど……こんなものなのかなぁ?


あらかじめ決められた恋人たちへ

メンバー4人+曲によってはサポートギター。


最新EPの『前日』からスタート。
CDを再生して最初に聴こえる話し声が枝野官房長官の「放射能は漏れていない」の会見に差し替えられていました。
3.11以降を象徴するスピーチと曲のイントロ、そして青い照明が絡み合ってクアトロの空気を一瞬で塗り変えました。インストバンドならではのメッセージ主張。あの空間だけ日常から切り離されたような不思議な感覚でした。
ちなみに『翌日』は無しでした。



爆音で展開されるスピリチュアルなダブ。テルミンやハーモニカなどあら恋ならではの楽器が奏でる旋律にうっとり。ギターが生な分、単純にロック成分が上昇する。正式メンバーに負けじと熱い演奏をしていました。


強烈!……ではあるんですが、クアトロの会場の広さがあら恋のスケールの大きさを支えきれていなかったようにも思いました。前にKBS(みやこ音楽祭'11)で見た時に比べると衝撃は弱い……。


『BACK』やらはさすがに盛り上がってくる。サビ(?)の開放パートではフラッシュする照明も相まってぐわーっとくる派手さがありました。
『遠くへ』でのハンドライトでメンバーを照らしながら最終的にぶん回すパフォもかっこ良かった。


そして最後に演奏した『ラセン』はものすごかった。池永さんの絶叫から始まり、次々と展開しながら突き上げるようなグルーヴがずっと続く。ダブならではの”引き”すらもこっちのドーパミンを誘発する。ギターソロ前のウネウネしたシンセが聴こえてくるとことか大好きなんですよね〜。


ギターも弾き倒し、池永さんはマイクスタンドを振り回して暴力的に踊りまくってました。キンブラと対バンというその事実だけでアグレッシブにならざるをえないのでしょうか?


外に出す音楽だけど、内にくるダブのヴァイブも備わってる。
このあとのキンブラもよかったけど、一番良かった”瞬間”はこの『ラセン』でした。


池永さんはライブでは人を寄せ付けない鬼気迫るオーラを発してるのに、ライブ後は自ら物販しながら「フェスじゃないからいっぱい曲あったでしょ?」とニコニコ話してて超良い人でした。
「これ自信作です!」と言っていた池永さんのミックスCDも購入。王道のダブからMINISTRYやDead Kennedysまで飛び出す池永さんのバックボーンがわかるミックスでめちゃくちゃ良かったです。



KING BROTHERS

梅田クアトロは視界の良い段差があるからせっかくなので……いうことで最初は上から眺める。


一曲目『BIG BOSS』の開始から10秒でマーヤは客の上でギターをかき鳴らしてました。遠くから見ると人に揉まれなが見るのとはまた違ったカッコ良さがある。動きのひとつひとつが絵になるホンモノのロックンローラー達です。


『XXXX』『KILL YOUR IDOL』など爆発力のある曲を決めて早い段階で『マッハクラブ』。マーヤが客の上で叫びまくるおなじみの”マーヤタイム”ではステージ脇から伸びる柵をつたっていき、2Fの柵へと人の手で作られた足場で移動。柵を歩きながらひとりひとり握手していく紳士なロックンローラータイム。


『Space Ship』でいてもたってもいられずに前方へ突撃。この曲大好き!
この日は横へのモッシュが多かった気がします。キンブラはひたすら前へ前へと向かう良い意味でのおしくらまんじゅうが多いんですが、パンク/ハードコアノリが数人(ひとり?)いた感じ。
マーヤがクラウドサーフしてんのにダイブする人もいたりしてもうぐちゃぐちゃ。オーディエンス全体が一方向(=キングブラザーズへ)という一体感は薄かったかもしれません。


「ちょっと長い曲だけど」と始まった『メッセージ』。ポジティブなパワーが溢れたキング流のバラードは感動的。終わった時マーヤがガチ泣きしてた気がする。


そしてフロアライブへ。手際よくドラムセットをフロアの中心に置いてメンバーが客の真ん中に集合し『☆☆☆☆』からの『ルル』みんなで囲ってるすぐ近く外側で横に強いモッシュしてる輩が1人。うーん、なんだかなぁ。
リーガーとマーヤは2Fの柵にのぼり、そこにスコットブラウン(だっけ?)という外国人*1も登場。
マーヤとまさかのガチ接吻をかまし、マーヤに「スコット、喧嘩記念日って言ってごらん?」と言われたのにフライイングで西宮コール。マーヤもコントロールできず苦笑いをしててもうカオスに。


マーヤは「ここ(梅田クアトロ)は本日がはじめてでございます。せっかくだからいけるところまで行くぜー」と2FからPAのある3Fそして一番上の4Fまで登る。みんな笑顔でマーヤの大移動を眺めていたのが印象に残っています。


本編が終わりアンコールの拍手。しかしなかなか始まらないと思いきやスタッフがスタッフが客に向かって「どこかにマイク落ちてませんか?」。どんなライブだwww
結局ドラム(?)マイクを使ってアンコールを決行し、マーヤを支えられないようなぐちゃぐちゃの状態で終了。


KING BROTHERSは対バン相手と共演したり、バンド名をコールしたり……とよくやってるみたいですがあら恋メンバーの登場は無し。
でもライブが終わって最後にマーヤが叫んだのが「あら恋めちゃくちゃかっこよかったよなぁ?サンキュー!」。どこまでもロックンローラーマナーに紳士でした。



うーん、最高の組み合わせですしもちろん凡バンドとは比べ物にならない迫力のライブ。
ただ過去に見たフェスでのライブに比べて「もっと行けたんじゃないか?」とも思いました。
梅田クアトロというハコがこの2バンドのパワーを最大限発揮できていなかったように感じたのも事実です。

*1:海外ツアーの時に世話になったバンドのメンバーらしいです