soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/08/18 SUMMER SONIC OSAKA 2012 - 一日目(GYM CLASS HEROES,KINDNESS,Perfume,小南泰葉,KE$HA,AZEALIA BANKS,NEW ORDER)


今年もやってきましたSUMMER SONIC
知ってる人も多いと思いますが、大阪の一日目はとんでもない1日になりました。


行きは桜島まで向かったはいいもののシャトルバスの長い列に気負け。市営バスで行こうと思ったけどこちらも長蛇の列。*1。結局タクシーを拾っていきました。
桜島でウロウロしてるときに日射病で倒れて救急車で運ばれる人がいました。
またシャトルバスが遅れてたのは交通事故が原因で舞洲への橋で車がストップ。タクシーは外回りルートを走ってくれたので助かりましたがシャトルバスの正規ルートは通常20分くらいのところが1時間くらいかかったそうです。
この時からとんでもない1日になってたんだなぁ。

GYM CLASS HEROES (OCEAN STAGE)

SONICに向かう途中に横目にチラッと。
湿ったアメリカンなメロディが野外に響き渡る。
サマソニきたーって感じがして早くもウルッと。けいおんフェス回を見て以来患ってるサマソニ幸せ症候群です。
野外で洋楽聴ける機会なんて日本じゃそうないもんなぁ。

KINDNESS (SONIC STAGE)

アンダーグラウンドすぎないチルウェイブ/グローファイ経由サウンド。


ヒット曲の『CYAN』でスタート。
紳士的な変態といいますか。奇妙なステップを踏みながら歌う様子はジャケからも感じる一筋縄ではいかないオーラがビンビンでていました。
チルウェイブ系のライブは初めてだったけどアンニュイムードが先行するCDに比べて踊れる感覚もあって新鮮。こりゃハマるかも。


貴公子と呼ばれてもおかしくない甘いな風貌なのに、『Gee up』のサビで「Get up(↑), Get down(↓), Get up(↑),Get up(↑), Get down(↓)」のトリッキーな振り付けを客も真似したり、一度引いたと思ったら台車にうつ伏せに乗って再登場する謎のパフォをしたり、とどこかおかしい空気が漂ってる。(台車パフォはうまく前に行けずステージの端っこほうでコソコソやってるだけだったのが爆笑でしたw)


自分の真後ろにシンバルを配置してる変態セットの黒人ドラマーを中心としたバックバンドは安定感がある。
KINDNESS本人もシンバルを叩きにきたりとステージを徘徊。MPCを叩く場面もありました。
女性コーラスがメインになる『That's Alright』では、スティックを素早く交差させる謎のダンスを踊ってる。あぁ、この人頭おかしいわ。


『HOUSE』ではステージ下に降りてきてファンと触れ合う場面もあり、ファンも笑顔で迎えていました。
気を張りすぎることなく音を楽しめる良いライブでした。
一発目から当たり!



プリプリの音を聴きながらグッズ売り場へ並ぶ。
オフィシャルTは多くのデザインが売り切れ。一番シンプルなのを購入。タオルとかその他のグッズ列は人多すぎで並ぶ気にはなれなかった。
海外も良さ気なのはあんまりグッとくるのはないので今回は購入なし。デザインの良かったジャミロクワイも完売。今思うと買えなくてよかった……。

加藤ミリヤ (MOUNTAIN STAGE)

荷物を置いたり落ち着ける"陣地"を設置しようとMOUNTAIN STAGEへ。
ステージでは加藤ミリヤがスタートするところでした。
そこそこに強烈なダブステで登場して、間髪入れずに切ないR&Bでスタートするのに震えた。(いろんな意味で)

Perfume (OCEAN STAGE)

昨年のMOUNTAINからOCEANへ昇格した彼女たちのステージは忘れられないモノになりました。


『レーザービーム』からスタート。やっぱホンモノかわええ。人入りはさすがに多い。
次に新曲の『spending all my time』。この曲むちゃくちゃいいですわ!サビのメロディで楽しい気分になってきた〜。ライブ映えする。
同じく新しめの『スパイス』も良い感じ。畳み掛けるように『ポリリズム』。この曲はやっぱポリリズムパートっすなぁ。


この頃にはハートは完全に持ってかれました。しかしステージ後ろに見える雲の様子がおかしい。というか遠くで雷が見える。
雷とPerfumeのアンバランス。奇妙な感覚でした。

「古くてめったにやらない曲」と『SEVENTH HEAVEN』「ポリリズムのカップリングだったんだよ。持ってる人なんてほとんどいないよねー」そうかちょっと前までそんな時代だったんだなぁ。それが今やメインステージのOCEANかと思うと……。


ここらで雨雲が本格的に危険な状態に。雷の音も鳴りまくってる。コール&レスポンスの時間になったあたりで「こりゃあかん」と自分はMOUNTAINの陣地にダッシュ。
落雷で客が軽くパニックになりながらもPerfumeは怯えること無くステージを進めてました。アイドルらしく「キャっ」とか言ってもおかしくないのに肝の据わったプロ根性には関心しました。


荷物をゴミ袋で包んで雨具を取り出してOCEANに戻ろうとしたその瞬間……ものすごい勢いの大雨到来。この世が終わるのかってくらいの激しい雷。会場に設置された数少ないテントに皆が逃げ込んでいく壮絶な絵。
テント内はギュウギュウ詰め。自分は雨具着てなかったらびしょびしょになってた位置だったので間一髪でした。


弱まる気配のない雨……ってか雹が降ってきてます。地面がえぐれていく……。
さっきまで大量の人がいた場所(ステージ前、飲食店前)が無人になってる。みんなギュウギュウのテントで不安そうにしてる。
突然の事態でスタッフの連絡はしっかりしてるとはいえない。
とにかく雷が強烈。大の男でも悲鳴あげちゃうくらい鳴りまくり。
テントにいたのは約40分間。精神をヤラれてもおかしくないようなスゴイ40分間でした。


雨が弱まってMOUNTAINへ戻ると、フェンスに張り付きながら壁で飛ばされそうになったブルーシートで守ってる人とかもいて壮絶な光景。OASISもテント下に人が密集してる。
異常な事態に怖さ半分、興味半分で場内をウロウロ。


雨が降り始めて約1時間後、少しづつ人が戻ってくる。店も再開。ただステージは落雷警報によりストップ。Cardigans待ちのMOUNTAINは怒声が聞こえたりもしてました。同時にドラムセットがステージに戻ってきた時の歓声はすごかった。


アナウンスで「OCEAN再開します!」。ワラワラと集まってくる人。
次のアーティストに進まずPerfumeが最後に1曲『チョコレート・ディスコ』。皆が危険な体験をしたあとに、幸福なシンセが鳴った瞬間は感動して泣きそうになりました。
拳を振り上げ「チョコレート・ディスコ!」と叫びながら人がまた集まってくるOCEANをみて「みんなが知ってる/好きな曲を持ってるPerfumeがこの時間を担当してて本当によかった」と思いました。
この日のチョコレイト・ディスコは一生忘れられない気がします。

小南泰葉 (FLOWER STAGE)

気になってるロックな女性歌手。ミドリのハジメタルがサウンドプロデュースしたこともある。
ミニアルバムの疾走感のある曲がかなりかっこよくて期待してました。


Flower Stageに行くと前の方はももクロのファンが陣取ってる。
リハでワンコーラスだけ演奏したあと、客が「プロじゃないな*2」と文句を言ってました。そしてステージに向かって大きい声で「はよはじめろやっ!」と野次を飛ばしてました。気分は最悪。


小南さんのギターはなんとキングブラザーズのリーダーと同じ四角いギター。
怪しい雰囲気の『藁人形売りの少女』でスタート。うーん、ちょっと冷めるスタートかも。
大好きな『嘘憑きとサルヴァドール』はやはり良曲! 『ルポルタージュ精神病棟』では想像より強烈なデス声風シャウトも披露。

ただ、堂々としたステージングではあったけど、「こりゃヤベェ!」ってほどのオーラ、勢いはなかったかも。まだ新人の域に収まってるなぁって気はしました。


現場にいた人間としてももクロファンについて触れさせていただきます。
ももクロファンは噂に聞いてる通り他バンド空いてでも棒立ちではないけど、直立したまま手を降ってるだけで、ステージ上のサウンドとなんかギャップが。とにかく数が多いので本来の彼女のノリを持った客が隅に追いやられてしまった感じがして居心地が悪かった、というのが正直な感想です。



SONICステージへ。だいぶ進行が遅れているようでまだOTHER LIVES。既にタイムテーブルは頼りにならないカオスな状態。よくわからなくなり会場をウロウロ。
もう一回SONICに入ると「タイムテーブルの変更でAZEALIA BANKSの前にHETT Zをやります。ABは○○時からです。」と順番変更と時間告知。うーむ、AZEALIA BANKSはジャミロクワイと被るから見れないなぁ、と落胆しながらOCEANへ。


また、ここいらで免許証を持ってきていないことに気付く。
ウソ、MIDNIGHT参加できない……。これはダメージデカイですよ。テンションが急激にダウン。

KE$HA (OCEAN STAGE)

『UR LOVE IS MY DRUG』でスタート。ポップなメロディが期待値を遥か越えて響いてきた。


曲は良いし、とにかくステージがエンターテイメント。
大きな側転を披露したり、『Cannibal』ではタイトル通りダンサーを食べる仕草をして口元を血まみれにしたり、『DINOSOUR』では恐竜の面を被ったダンサーと踊ったりする。
またテルミンやギター、股間部分にあるkaossilator(?)を演奏したりとミュージシャン的な側面も見せるのが音楽好きな層にも訴えかけてくる


なによりとびっきりの笑顔で歌うKE$HAの表情が、暗くなったサマソニ会場を盛り上げてくれました。
KE$HA最大の不安だった体型*3も生で見るとそれほど気にならない。というより後半は魅力的な女性そのものだった。
まぁ、MCでさかんに「ビールが飲みたいわぁ」とか言ってて「そりゃ太るわなぁ」と思いましたけども。


OCEANステージをハッピーにしてくれた素晴らしいライブ。
ラストに持ってきた『TIC TOK』はまさにアンセム的盛り上がり!
大量のスモークとさぶちゃんばりの紙吹雪で大興奮しました。


「なんで2012年のタイミングでKE$HA?」とすでに熱が冷めてた人の株もあげたであろう最高のステージ。彼女のエンターテイメントなショーのおかげで過酷な初日を乗りきれたのかもしれません。



素晴らしいKE$HAのライブが終わり。次のジャミロクワイに備えて前方へ移動。するとジャミロクワイのメンバーで出てきて「JKの喉の調子が悪いのキャンセルします」とのまさかのドタキャン報告。
そりゃショックでしたよ。けど「あ、ならAZEALIA BANKS見れる」と気持ちを驚くほどすば楽切り替えてSONICに向かってる自分がいました。
雨で予定がぐちゃぐちゃになってイレギュラー事態への反応が麻痺してたんだと思う。


AZEALIA BANKS (SONIC STAGE)

そんな人は入らないだろうと思ってたアクトなんですが、ジャミロクワイのキャンセルもあり結構な人入り。そして大盛り上がり!


メロウな曲は一切やらずに『Von voyague』『Fuck Up the FUN』『2991』アップテンポの四つ打ちビートばかり。音源以上に勢いのあるAZEALIA BANKSのラップは強烈な興奮剤としてSONICのテンションをおかしくしていく。
飛び跳ねるフロア。Perfumeで棒立ちの客とか見てたので「お前らこんなに騒げたのかっ!」と驚くほどでした。


「みんなの知ってる曲よ」のMCからかましてきた『212』はAZEALIA BANKSの魅力を圧縮した超良曲。脳に残るラップにダンスビート。シャウト気味に歌う「What you gon' do when I appear?」の瞬間はクソ上がった!


一気に突き抜けて一瞬で終わった気がします。体感時間は20分くらい。それくらい勢いがあった。
フロアが一番揺れてたのはこのアクトかもしれない。
AZEALIA BANKS。とんでもない逸材です。


NEW ORDER (MOUNTAIN STAGE)

激動の初日のトリに腰を据えているレジェンド。
MOUNTAINへ向かう時m逆方向(リアーナ)に行く人が大量にいる。人がゼロになっちゃうんじゃないかってくらいの民族大移動。
そのぶん本当のファンだけが集まった気がします。


バックにある巨大スクリーンに映像を映した大物らしいステージ。
”下手なバンド”の代名詞であるNOですが、想像してたより演奏はしっかりしてる!
いや、バーニーのギターはたまに怪しいことがありましたが、ボーカルはそんなに問題ない。
フィルは飛び跳ねたりとパワフルなギタープレイで魅せてくれました
なんたって曲がいい。打ち込み+ロック、憂いのあるメロディで充満した数々のクラシックは古さをまったく感じさせない。


「天候でタイムテーブルが押したので短縮ライブになる」と申し訳なさそうになんども謝っていたのも誠実さを感じて良かった。
「みんなが聴きたい曲をやるよ」と『Bizzale love triangle』。一気にレイヴ化するMOUNTAIN STAGE。
辿々しい日本語で歌われた『Krafty(日本語ver.)』もスペシャルな体験だった。
『TRUE FAITH』のシュールなPVが野外の大型スクリーンに映されたのは苦笑いな体験だった。
そして『Blue Monday』がコールされた時の盛り上がり!生で聴く「ドッドッドッドドドドドッ」のビートは昇天モノでした。サマソニきて良かった。


短かったレジェンドのライブ。最後に演奏されたのはDepesh Modeの「Love will tear us apat」。
後ろのスクリーンに映し出されるのはDepesh Mode時代の写真。目の前に立っている3人がものすごい人生を送ってきたと思うと、その位置場面をいま目にしてると思うとクルものがありました。
さらに追い打ちをかけるようにイアン・カーティスのどアップがスクリーンに映った時は泣き崩れるような歓声が湧き、トドメに「Forever Depesh Mode」の文字が流れたのは反則級の衝撃に涙が止まりませんでした。
歩んできた歴史に重みがある。これぞレジェンド、これぞロックフェスのトリとしかいいようがない素晴らしいライブでした。


あぁ、生でNew Orderを見たんだなぁ。


RIHANNA (OCEAN STAGE)

帰路へ向かう途中に聴こえてきた『We Found Love』。サビに合わせて打ち上げられた花火。
綺麗な光景でした。曲と花火をシンクロさせるとは粋なことをする。
RIHANNA自体は見てないけど、大勢の客と花火の下で派手にライティングされたステージを見れば、ロックからアウェイでも見事トリを務めたのはわかります。




コレにて一日目は終了。
一日目はなんといっても雷雨ですよね。すごい体験でした。止んでからも足元に水たまりができたのには困った。。
自分はそこそこ装備を整えてたからまだ笑い話で済むけどそうじゃない人もいたと思います。
飲み物は昨年ほど長い列になってなかった。OASISだけじゃなくステージ脇にも配置したのはアリだと思う。
客層はいつも以上におとなしいの増えたなぁと。まぁperfume狙いやRIHANNA狙いのノンフェス層が多かったのかもしれない。


激動の初日だったけど僕はすごく楽しめました。
むしろ雷雨があったからこそドラマチックな事がおこり、かけがえのない1日になったかもしれない。
不満より楽しさが勝ってました。



さて終わったあと自分が取った行動は、MIDNIGHTのために免許証を忘れたので家に帰って取ってくることに。ただ問題は時間。
シャトルバスは待つ、ならタクシーだ、と思ったけどこちらもものすごい列。
会場から少し離れたところでピックアップしようとしたら「ここではタクシーはとらないでください」とだいぶ遠いところまで警備がやってきてた。これも会社によっては連絡がいってなくて混乱してたみたい。
けっきょく歩いて桜島まで帰りました。早めに歩いて40分くらいかかったかな?疲れてなきゃいける距離だけどサマソニ中は……。


なんとか帰宅……しかし既に日をまたぐ時間。タイムテーブル押し、交通手段の不足、免許書忘れと冗談みたいに色々なことが重なってしまった。
それでもタクシーで1万2千円払って家からサマソニ会場へ。高く付くが一年で一番楽しみにしているイベントに出し惜しみしたくない。
タクシーのおっちゃんが音楽の話の通じる面白い人で良かった。


ってことで次回はMIDNIGHT SONICのレポ!

*1:去年は空いてたのに

*2:リハの存在を知らないのか、リハが全力演奏じゃなかったからなのかは聞き取れてません。ちなみにリハだから全力で演奏する必要はまったくない

*3:デビュー当時に比べてだいぶふっくらされてる体型の写真がネットで出まわってました