soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/09/01 Eat the Rock(GOOD 4 NOTHING、The Cherry Coke$、アリス十番、ゴーカートモンキー、oddments、SNAIL RAMP、OVER ARM THROW、JERRY BEANS、THE GELUGUGU)


滋賀県のスポーツ施設で開催された新しい野外フェス。
主催はGELUGUGUのメンバー・KAZUYAさんと地元団体の3人。入場料は無料。
音楽、食、そして福祉をキーワードにしたフェスです。



客数は300〜400人くらいだったかなぁ。
規模的には小さめではありますが、しっかりと芯の通ったフェス。
具体例を挙げると:

  • 福祉が大きくコーナーを構えている。活動の紹介や販売など
  • いわゆるB級グルメのフードが充実してる。他のフェスではみかけないような料理もチラホラ
  • 地元の竜王(すごい地名だ)の店も出して地元を大切にしてる
  • 会場外で滋賀県の高校の軽音部が演奏するステージがある

と地元を大切にしながら、キーワードの音楽・食・福祉が言葉をただ掲げるだけでなく、しっかり形として存在していたのに感動しました。



福祉コーナー関係で親子連れが多い。ちっちゃい娘がスカパンクに合わせて踊ったりしてる♪ほのぼの〜。


GOOD 4 NOTHING

痛快なメロコア。盛り上がってる〜。
名前は知ってるけどこんなに人気あるとは知らなんだ。

飲食店紹介

飲食店の紹介に加え福祉コーナーもあるなどイベント趣旨の紹介。
MCと一緒に手話で通訳(?)されてる方がいました食や福祉の言葉をただ借りてきただけじゃなくしっかりとアクションしてる。
クリーンを謳いながら分別とゴミ袋配布で止まってる多くのフェスとはなにか違うな、と感じました。
このへんは小〜中規模だからこそできるフェスなのかも。


アリス十番

「ダイブするアイドル」だの「ヘドバン+アイドル」だの言われてるアイドルグループ。興味あったんですよねー。


基本は普通のアイドルなんですが、随所でヘドバンを取り入れた振り付けになったりと噂通り。
メンバーによって気合の入り方は違うものの、なかなか豪快な首の振り方してる娘も。
まぁ、本来自然発生するはずのヘドバンが振り付けという時点で違和感はまとわりつくんですがそれとは別にエンターテイメントとして面白い!


また単なるイロモノではなく曲がかなりいい。アイドルソングとメタルをスムーズにシフトチェンジしていく。ポップさとヘヴィさを兼ね備えた曲は聴き応えがありました。
音響があまりよくなかったけど音出てたらかなり迫力ありそうだった。ミクスチャー的なラップを取り入れたりとボーカルも凝ってる。


今まで見たこともない音楽とステージングに魅了されていきステージ前ではダイバーも発生。最終的にはガチなサークルピットまで出来上がってました。アイドルと左回りのコラボに爆笑。


ステージ上でも盛り上がるオーディエンスに負けじと肩組み陣形ヘドバン、タオルを使った振り付けで盛り上げてく。
一番印象に残ってるのがゴムボートを持ちだしてクラウドのど真ん中に突撃していくパフォーマンス。スティーブ・アオキかっ!
ゴムボート付近にはイルカ(ビニールぬいぐるみ)が泳いだりと芸が細かい。
ただイルカの下で操ってるのが普通のおっさんで吹きそうでした。


もしかしたらこの日一番の盛り上がったんじゃないだろうか。
最初はネタを見る目で眺めていた客も最後は魅せられていた気がする。
しかし、やっぱ生のアイドルってかわいいよなぁ、と。TVや動画で見るのとは段違い。


ゴーカートモンキー

イレギュラーなアイドルタイムが終わったら反対のサブステージで関西スカパンクのルーキー・ゴーカートモンキーがスタート。
これぞスカパンクってなポジティブなノリ。次々とスカダンサーが発生中。


ポップな曲のクオリティもさることながら、ルーキーと呼ばれる所以を感じたのが規格外の煽りっぷり。サークルやスカダンスをどんどん煽る。
度肝を抜かされたのがLess than jakeを彷彿させる超巨大サークルが発生したこと。ドラゴンハットが67m。その1/3は使ってたと思うんで最低でも直径20mのサークル、下手すると30M近いサークルが出来上がっていたのは壮観でした。


The Cherry Coke$

邦楽離れしたアイリッシュ・パンク。荒々しい男たちのガチパンクな世界。
他のメンツにスカパンク・バンドが多いんでアイリッシュパンクだけどスカダンスが大量発生。


このバンド、ハマるときはハマるんですが今回は音が悪すぎていまいち乗りきれなかったかも。


先日までアコーディオンの女性が事故の負傷により休んでいたようで、今回は片手を包帯巻きにして登場。机に置かれたアコーディオンを器用に弾いてました。
女性ボーカル曲が良かった。綺麗な声をしてる。激しいパートが乗りきれなかったので余計に感じました。


「飲めーー!!飲めーー!!飲めーー!!」との煽り。
ジャンルの先人に習って、このフェスの飲む/食うというワイルドな部分を持っていったバンドは彼らだけかもしれない。


oddments

パンクよりエモ気味。そこそこイイ曲をやってたんだけどお客の反応は厳しかった。
棒立ちの客がステージを囲んでる絵。
他バンドとジャンルが違うからかなぁ。

SNAIL RAMP

今回の目当てその2。
1年前、ドラムの石丸さんのお別れライブにもかかわらず持ち時間の半分はMCで費やした彼らが、今回はおふざけMCはいっさいなし。代表曲ラッシュでした。
真面目すぎて”仕事”っぽさも感じないことはなかったけど青春の楽曲


BMW → Mind your step → 777 → ALMIGHTY FIVE MONKEYS → Jetwalk。
こんな喜ばずセトリ組まれたらハメ外すしかないでしょ!
屋台で店をやってた年輩のおじちゃんも前の方でモッシュに加わってたりとベテランが作ってきたファンベースを感じさせるものがあった。


ベテランだからと演奏の勢いが落ちていることはなく、特に竹村さんのベースプレイは相変わらず切れが良い。低すぎるベース位置。キックボクシングで鍛えたバネから放たれるド派手なジャンプ。キーとなる要素がまったく衰えてない。もう結構な歳なのに。


曲はもう完璧ですよね。JET WALKとかも1から100まで熱い部分ばっか。
サポートで入ってるドラムはうまかったけどビビッとクルものはなかった。前任者が個性的だからなぁ。


しかし、若い人の反応がおとなしかったのが気になった。Mind your stepでも大爆発とまでいかなかった。知らない人も結構いるのだろうか。やっぱ時代が少しづつ過去のものになってるのかもな。
それでも楽曲も、演奏もNo.1ですよ。
いまでも世界で一番好きなバンドのひとつ。


OVER ARM THROW

屋台のフォーを食べながら眺めてました。フォー、めっちゃ熱かったけどおいしい。フェスでフォーってめったにないもんなぁ。


バンドの方は泣きのメロ満載のメロコアでした。けっこう人気あったなぁ。
メロディがいいからモッシュに加わらなくても楽しめた。



ここらで会場内の水分(売店/販売機のドリンク)がなくなるとフェスとして危険な状態になってしまいました。
体力が持たなくなるし、最悪の場合倒れる可能性がある。
今回のフェスで一番のミスはここだったんじゃないかな、と思います。

JERRY BEANS

地元のバンド。そしてキーボードの女性が曲によっては手話をしたりと福祉サイドからのバンド。
歌はポップス寄りのロック。そこそこ良い歌詞とメロ。女性ドラムの叩き方が生命感溢れてる叩き方でバンド全体に魂が入ってました。


ただ振り付け(コール&レスポンス)を”やってください”はちょっと違うなぁ、と。自然とやりたくなるステージングをして欲しかった。



外に出ると高校生がグリーン・デイレッチリやらをカバーしてました。高校生でもうまいなぁ。見てて普通に楽しかったです。


THE GELUGUGU

主催でありトリ。
そしてこのイベントの中心人物であったギターが脱退するライブでもありました。


開始からMC(のお笑い)レベルが他と違う。どっかんどっかん爆笑が起こってる。


曲は高速スカダンス
あの踊らされてる感はハマるとたまらない……なんですが今回は水分不足体もあり体力切れしてる人が多くていまひとつ盛り上がりきならなかったというのが正直な所。


でも、KAZUYAさんのギターを弾く姿はむちゃくちゃかっこよかった。ストロークひとつひとつが力強い。これでもかとステージの前にきてギターソロを弾く。
気合が違うとこうも演奏が輝くものなのか……と圧倒されました。


脱退でも特別なMCとか少なかったです。ライブも盛り上がりまくったとは言いがたい。でもkAZUYAさんが本当にかっこ良かった最高のライブだったと思います。
AZUさんのブログに貼られたライブ後の写真のかっこいいこと!
http://glggblog.exblog.jp/17938305/



19時には全アクト終了。健康的なフェスです。


ゴーカートモンキー

外にでると高校生が演奏をしてたけいおんステージでゴーカートモンキーがライブをしてました。
平地のステージに100人を超える人が囲い、スカダンスを踊りまくり。バンドも客もすごい勢い。

このイベントは、Snail Rampという一度頂点を取ったスカバンドがいて、大阪のスカシーンをずっと支えてきたGELUGUGUがいて……そしてこれからの時代を作ってくゴーカートモンキーが確実にシーンを沸かせてた。


スカパンクの魂はっかり息吹いてるぞ!ちょっとグッときてしまった……。


バスでのアクセスもすんなりといき快適の帰り道。
音と食と福祉。しっかりとした意思が宿ったイベントだった。
そしてスカ、もとい若いキッズの音楽の道筋も見えた。