soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/09/02 RUSHBALL 2012 (RIZE、忘れらんねえよ、10FEET、the band apart、N'夙川BOYS、rega、Dragon Ash、QUATTRO、Boom Boom Satellites、サカナクション)

RUSHBALL!
毎度似たようなメンツでマンネリとも言えるフェスですが、今年は特に王道中の王道。The ド定番。トリも2年前のサカナクション。それでもチケットはソールドアウト。
去年は開催すら危ぶまれた前日の豪雨でドラマが生まれました。さぁ今年は?



泉大津駅からバス乗り場へ。
道順にある出演バンドの曲を流してる謎のレストランは今年も営業中。なんなんだろうなぁここ?バスはすんなり乗れました。


会場に着くと髭のライブが聴こえてくる。「夢は持ってるかー?」とか言ってた。
さらに近づくと物販の公式Tシャツの列がエゲツないことになっているのに驚く。1時間待ちじゃ済まないん

じゃないだろうか。去年はすんなり買えた気がするんだけどなぁ。
Tシャツ欲しかったけど諦めて荷物預けてメインステージへ。

RIZE (Main Stage)

セッティングからバキバキのベースを鳴らすKenKenに早くも興奮してくる。「女が抱きて〜!関西の女が抱きて〜!」と叫んでましたw


さ〜て、My一組目のライブスタート!
『ZERO』で始まり、してRIZE流トランス・ロック『KAMI』でフロアは早くも踊りまくり。さらに『Get the MIC』でラップ中心の曲を披露しまず3曲畳みかける。
Jesseの声とKenKenのベースはやはりすごい。


『Respect』→『Heiwa』とスローな曲で休憩タイム。
ここで悪ノリして人に突っ込んでた酔っらいがキレられて一触即発の事態になってるのに遭遇。回りの友人達がなんとか押さえて大事にならずでよかったよかった。
ドキドキしたけど注意した人GJ、あと二人をなだめた回りの人も素晴らしかったと思う。
このいざこざが気になって『Heiwa』の歌詞が入って来なかったのは残念。


一度落ち着かせてあとは懐かしのアッパーチューンで大暴れさせる。2ndから『日本刀』でモッシュ再開。
そして曲が終わると同時に聴こえてくるあのベースフレーズ。『KAMINARI』!
この曲はすごすぎるわ。破壊力のあるフレーズばかりで構成されてる。


早くも燃え尽きるぐらい楽しませてもらいました。
『KAMINARI』が終わった瞬間に雨が降りだす。雷鳴ったら奇跡だったけど。結構な降りっぷりで避難するように急いでステージから離れていく客。
でもラッシュの会場は雨宿りできる場所が少ない〜。


荒い言葉でアジテーションをかますJESSEは永遠の中二病だなぁ、と思った。でもかっこええ。MCではちらりとDAの馬場さんにも触れてました。


忘れらんねえよ (ATMC)

サブステージのATMCで忘れらんねえよ。客層を見るとFANDANGOとかでよく見かける客もいたw


知名度的にたぶんこのバンドを知らない客が多かったと思う。でも勢いのある熱いロックに少しづつ、けど確実に持ってかれてく人が増えていくのがわかる。
3曲目ぐらいに演奏したカイジの『CからはじまるABC』ではついにモッシュが発生。


爆笑のMCをかましながらがむしゃらなステージでどんどん人を惹きつけていく。
見ている人も徐々に増え始めATMC前が人でいっぱいになった時、「初めてのライブは3人しか客がいませんでした。でも今は……どうよ?こんだけの人が見てくれてる」って笑顔で言った時はウルッときた。
表のメインステージでは大人気の10FEETがRUSH初参加までもうすぐだったのに、これだけの人をATMCに集めたのはスゴイことだと思う。


熱いMCと熱い歌。めちゃくちゃ良いライブでした。ロックでした。
雨があがってきた終盤には「見ろよ、晴れてきたぜ!」と嬉しそうに一言。本当に彼らが晴れを呼び込んだんじゃないかってぐらいに良いライブでした。


10FEET (Main Stage)

忘れらんねえよからダッシュでメインステージのモッシュゾーンまで突撃。
2曲目(?)の『goes on』からオーディエンスは元気に跳ねまくり。
笑顔でプレイするバンドに笑顔で飛び跳ねて応えるオーディエンス「これぞキッズのための音楽!」と言わんばかりのライブ。
「俺たちについてこいよ!」ってオーラがすごい。人を引っ張っていく魅力。


バラード『シガードッグ』から最新曲の『その向こうへ』のカッティングギターを間髪入れずにかましてくるのはめちゃくちゃ熱かった。イイ曲だなぁ。


最後の『River』は学生時代に戻ってモッシュで大騒ぎしました。最近、このバンドは熱心に追ってなかったけどここまで熱くさせられるなんて。
「普段おとなしくしてるヤツも今は騒げ!回りの奴とハイタッチしろ〜!」とのアジテーションでは現役のキッズ達とハイタッチ!


最近はライブでも一番騒いでるゾーンと距離を感じたりと大人になってしまった自分を感じていたけど、まだまだキッズ現役でいけるなぁ、と嬉しくなりました。
まさにアンセム。


the band apart (Main Stage)

RIZE → 10FEETと騒ぎ倒すバンドが続いたのでここいらでまったり鑑賞タイム。全体が見渡せる後ろの方で観てました。


2ndの一曲目『coral reef』からスタート。懐かしい〜。ホント爽やか。そして演奏が半端無く巧い!
次曲に入る前に原さんのベースがトラブルでストップ。ボーカルがアドリブ弱そうなMCでなんとか繋ぐ。


3曲目くらいに名曲『Fuel』。この曲は隙が無い。最高。
最後にイントロフレーズに戻る時、原さんが右手をハンマーのように下ろしながら笑顔でバックステップしていく動きが面白すぎて大爆笑したwww


『HIGHER』『PHOTOGRAPH』と最後まで爽やかな空気を崩さないまま上品なライブが続く。
最後の『Eric.W』は大好きな曲だけど次のATMCが気になるので、聴きながら出口へ向かっていく。姿は見れないけど、歩きながら聴く音楽ってのもまたいいものなんですよ。


やっぱ原さんの動きが面白すぎた!この人の動きが一番印象に残るw


N'夙川BOYS (ATMC)

今までのATMCの3倍くらい人がいる。ノリにノッてる感じだなぁ〜。


よく「フェス持ち時間を3曲で済ますバンド」と自虐してたけど今回は『プラネットマジック』『Freedom』『Candy People』『物語はちと?不安定』と4曲もプレイ。それイコールマーヤのダイブ時間は少なめということでもあるんですがね。


『プラネットマジック』では真っ昼間の野外だというのにミラーボールをキラキラ回してる。最高やっ!
ライブで初見の『Freedom』はPVだとそんなに好きな曲でもなかったけど、シンプルなビートと歌詞がノリやすくてライブだと盛り上がりました。


全体ではハチャメチャなステージングは弱まってる気がする。優等生でキラキラした面が強調されてるなぁって印象。
客層が変わってきたのもあるんだろうなぁ。『物語はちと不安定』で周りの押しが強くなった時、突然人一人分くらい距離下がってきた。誰か倒れたのかなぁ。
マーヤがダイブするときもとにかく「絶対ケガはするなよ!?」を連呼してた。戻った時に真っ先に「大丈夫か?」と声をかけてた。
今までのままのノリだとファンが耐えられなくなってきてる。


それでもサブステージに集まった大量の人達を前に、人の上に仁王立ちするマーヤは最高にかっこよかった。
あと『物語はちと不安定』のシャウト部分(サビ?)が始まった瞬間に大雨*1が降ってきたのはまるでPVを見ているかのようなジャストのタイミング。あれを呼び込むのが真のロックンロールだよなぁ。


"今の夙川ボーイズ"として最高のステージを見せてくれたと思います。



次のメインステージthe telephonesでも騒ぎたかったけど体力を考慮してここは昼食タイム。
加古川グルメのかつめし。初めて食べたけど美味い!ボリュームもかなりありました。フェスで安定の一品として今後も行くかもしれない。
telephoneはかなり良いライブをしてましたね。楽しいが楽しすぎて感動になるみたいな素敵なライブ。

rega (ATMC)

先日新譜を出したテクニカルなインストロックバンドrega
音出しから『VIP』の途中までがっつりプレイして「めちゃくちゃ良いプレイができそうです」と一言。
インストバンドだけど言葉で盛り上げるのうまいんだよなぁ。


新譜でも特に元気な『ZOMBIE』で始まりお馴染みの『VIP』へ。竜二さんのギターは歌ってるみたいで唯一無二。でも少し前のライブよりがむしゃらな熱量は抑え目な気がする。


次に新譜から『IDIOT SAUCE』。
奇妙なギターのミニマリズムが面白いこの曲。元気の良さだけじゃなく泥臭いグルーヴで魅せる一面も兼ね備えてきました。この路線はまだまだ成長できる気がする。
2つのギターが交互にフレーズを弾く『smile』では客が音に合わせて左右を指差す楽しかった。
ラストは『EXTRA』。中盤の各者が一音づつ出してひとつのフレーズを作っていくパートは思わず拍手したくなる絶技。


ベースが「ここに集まってる人らは一番センスいいよ!」っていうのは本当でモッシュをするでもなく、みんなが自分のスペースで好きなように踊ってる素晴らしい空間だった。この日の中でも居心地は一番良かったです。


2年前も同じステージで見たrega。あの時はステージによじ登ったりと若さが爆発してたけど今はだいぶ落ち着いて大人になったプレイになりましたよね。
その変化を見るのも面白かった。
あと前は2曲で終わった気がするけど今回は5曲ぐらい。ATMCのライブ時間増えた?



メインステージ脇で[Champagne]を寝転びながら聴く。このバンドはRUSHBALL☆Rで初見しましたが良いバンドですね。メロディも演奏もパワーのあるバンドだと思う。


ATMCでやってるCzecho No Republicも見たかったけど100%の状態でDragon Ashを見たかったのでセッティングしてる間から場所取り。

Dragon Ash (Main Stage)

馬場さんがいなくなって初めてのDragon Ash
RIZEも10FEETも明確には言わないけどDragon Ashに触れてて、確実にこのアクトが今年のRushballの中心になってる空気ができてた。その時のキーワードはROCK BAND


夕日の一番綺麗な時間帯。サポートはKenKen。
一発目から『AMBITIOUS』!馬場さんのライトセーバーが目立つ曲。でもステージの上にライトセーバーが見えないのが悲しい。続くは『Bring it』と攻めの2曲で幕開け。


最新の『Run to the sun』『Walk with Dreams』と新曲タイム。『Run to the sun』で夕日に照らされたRUSHBALLに「ウォーオーオー♪」のコーラスが響きわたったのは本当に感動的だった。
馬鹿みたいな話だけどステージの上にちょこんと座ってバンドと客を穏やかな表情で見てる馬場さんが見えました。ステージ脇でも客席でもなくステージの上。そういう場所が好きそうじゃん。


必要以上のMCは入れず『For divers area』ではタオル回しを煽り、二人のMCを呼んでの『Rock Band』はカッコイイの一言。
ラストの『Fantasista』は踊り狂ってぐちゃぐちゃになったピットでもうフルに楽しむしかない!


ライブとしてはDragon Ashにしては中盤のおとなしい曲達と盛り上がりどころは少なめだった。でも見れて良かった。『Run to the sun』のコーラスが頭にこびりついてる。



DAが終わったら帰った人が結構多かったみたい。

QUATTRO (ATMC)

暗くなり始めたなか、ATMCの横をフラッと通るとフレンチエレクトロを取り入れたディスコな曲をやってる。
夙川と違い正しいミラーボールの使い方で光に包まれたフロアをまったりと踊ってるオーディエンス。泣きそうなほど素晴らしい光景。RUSHBALL終盤のATMCっていつも素敵な絵が見れるのよなー。


あまり知らないバンドだったけど良い物見せてもらいました。


BOOM BOOM SATELLITES (Main Stage)

すっかり真っ暗になってBBSにぴったりの時間帯。


登場してすぐに「BOOM BOOM SATELLITESです。」とMCをしたのに「MCを入れるなんて変わったなぁ」と驚きました。昔はほとんど喋らなかった印象がある。
いまはギター二人でロックバンド然としたステージングだもんなぁ。


でも音では『DRESS LIKE AN ANGEL』『BACK ON MY FEET』と中毒性の高い曲でRUSHBALLを完全にダンスフロア化。
特にクラブ出身なのが顕著に出たのが『MOMENT I COUNT』。ループに合わせてズブズブとトランスさせていく曲調はRUSHBALLでは明らかに異質。でもめっちゃ気持ちよかった。


最後は『Kick it out』。この曲だけ盛り上がってる層も多かったけど元から踊ってる層は気にせずに踊りまくり。'10はバラードの『STAY』を長々とやられてダレるところがあったけど、今回はダンスアクトとしてのBOOM BOOM SATELLITEを堪能することができました。
スモークを炊きまくり、レーザーも使った照明もかっこいい。他バンドと比べて段違いにスケールが大きかったです


サカナクション (Main Stage)

オオトリのサカナクション
2年前に同じ場所でトリとして見てるし、1ヶ月前にZEPPで見てるし、今年3回目だししっかり楽しめるか?という不安はあった。
でもそんな不安を吹き飛ばすのがサカナクションでした。


「気まぐれな君の色 部屋に吹くぬるい色♪」のアカペラコーラスから『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』が始まる今までにない新技をいきなりかます。何個引き出し持ってるんだろう。
自分は特に特定の場所に留まらず、メインステージの前から後ろまで歩きまわって、いやほぼスキップしてる状態で聴いてました。後ろの方でも踊りまくってる集団がいて最高の光景。ロックが音楽が弱くなってきてると言われてるのがウソにしか見えない素晴らしい空間が広がってました。


アルクアラウンド』『僕と花』と名曲ラッシュ。全曲イントロ聴いた瞬間にうわっとなる。アンセムをいくつ持ってるんだ!
一列PC形態のへシフトの仕方も1ヶ月前と少し違う、と確実に変化/進化してるのがすごい。
野外に鳴り響いた『ネイティブダンサー』のイントロと歓声は忘れられないし『アイデンティティ』で会場一杯に広がったスウィングする腕も最高すぎた。
ZEPPでもやってた『アイデンティティ』から『ルーキー』へとノンストップで繋げるギミックはこっちでも

披露。ただ唯一『ルーキー』は最後にやるほど盛り上がったかというと……。いや、他のがすごすぎたんですけど。

『ルーキー』で終わるのはなんか不完全燃焼……と思ってたらまさかのアンコールで再登場*2
2年前と同じく泣き出しそうな声で今の音楽/ロックに対してのMCを述べ、最後は「一緒に踊るか?!」の一言でスタートした『夜の踊り子』。


この曲には個人的に特別な思い入れがあるんで心を揺さぶられまくるあまりに涙が。*3大サビの破壊力はハンパないですね。
今回のセトリに組み込まれた曲は全曲ともラストに持ってきてもおかしくないキラーチューン。それだけアンセムを作っといて最新の新曲も軽々とそこに食い込むって……本当にすごいな。


終演とともに打ち上がった花火を笑顔で見上げて今年の夏フェスが終わりました。
最高のオオトリ。誰もが楽しんだ。日本ロックの頂点に現時点でいるのはサカナクションと言っても反論はないはず。



サマソニもポップバンドやダンスアクトが多くてロックが弱い今。RUSHBALLはロック好きのキッズが集まるフェス。バンドも、客層も、自分の楽しみ方も正真正銘のロックフェスだった。
その締めがサカナクションだったのがまた良かった。


チケット完売で人の多さが心配だったけど、そこまでひどくなかった。トイレもすぐいけたし飲み物もそれほど待たずに買えました。
あと印象に残ってるのが、ロックなフェスだけどLet's Dance署名のコーナーの前を通ると常に署名している人がいたこと。他のフェスだと閑古鳥が鳴いてることが多いのでRUSHBALLであれだけ署名してる人が多いのは意外でした。また嬉しかったです。


4連続夏フェスの締めに相応しかったです。
僕の夏はRUSH BALLの花火で締めくくられる、いつも最高の終わり方をさせてくれます。
RUSH BALL大好き!

*1:パラパラじゃなくて粒が当たったら痛いレベルの大粒雨

*2:RUSHBALLはトリもあまりアンコールしないイメージがある

*3:初めて聴いたのがTalking Rock。この日は祖母の初盆だったんですよ。