soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/09/04 K.K.NULL & 山本精一 & N.I.P RUBBLES @ なんばベアーズ

先日の山本さんのライブの時「K.K.NULLは今のノイズで一番かっこいいです。絶対見といたほうがいい」と言ってたので行ってきました。
山本さん自身もどんなライブするかも楽しみ。

山本精一

ぬっと誰かが出てきてステージのドラムにスタンバイ
あれ、山本さんだよね?暗いし細すぎて気づかなかった。
ということでまさかのドラムを使ったソロライブ。


まずはギターをかき鳴らしてルーパーで増幅させながらドローンノイズを作り出す。ベアーズに音が充満する相当に強烈な音がしてました。あ、今日の山本さんはヤル気だ。


そのノイズを下地にドラムを重ねていく。
山本さんのドラムは初めてみたけど上手い。スナップとアクセントを効かせた"わかってる"ドラム。しかしねちっこいドラムだなぁ。ワンツーじゃなくサイドコーナーに追い詰めて無表情でひたすらボディにフックを入れてるみたいなドラム。


たまに腕を振り上げてシンバルを叩く様が雷神様のようで緊張感が生まれてくる。サマソニの雷を思い出しました。あの雷よりこっちの方が怖かった気もする。


途中に和太鼓のようにフロアを叩きだしてハッとさせられました。そのうちノイズにリズムがついてそれがまた気持よかった。たまにギターをスティックで叩いたりもしてたような。
終盤は楽器をスティックからギターに持ち替えノイズに合わせてギター。どこかキャッチーなフレーズを挟むのが良い。前述の和太鼓リズムなどノイズのなかにフックを挟み込んでくるのが他のノイズアーティストと違う感じ。


これだけダークサイドに振り切った山本さんは久しぶりに見ました。すごく良かった。
個人的にはこっちのほうが前回のライブより電子的アプローチだったようなw


N.I.P RUBBLES

ドラム+サックス+ベースのバンド。
ジャジーなサックスに普通じゃないフレーズを弾くベース。拍子という観念は完全になくなってる。
サックスが一時退場した時のベースが『Iambic 9 Poetry / SQUAREPUSHER』みたいな演奏で綺麗でした。


悪くはなかったけど、前後がすごすぎる人達に囲まれてたから小休止的扱いにはなっちゃったかも。


K.K.NULL

卓にある機材を使ったノイズ・ミュージックでインキャパみたいなスタイル。
でもインキャパに比べてもっとリズムがあって音もハッキリしてる。ハーシュノイズで塗りつぶすんじゃなくて音を綿密に組み合わせ重ねまくってノイズ・ミュージックを作っていく感じ。


淡々と機材をいじりながら良いフレーズ/リズムがどんどん飛び出してくる。次々と顔を出すフレーズを追うのが楽しくてしょうがなかったです。
リズムがあるのがすごく良かった。ノリノリで踊るようなタイプではないけど、リズムの繰り返しが徐々に頭をおかしくしてくれます。それでいて一発一発の音はめちゃくちゃ強烈爆音。
自分のなかのノイズの理想形のひとつに出会った気がします。


最後に強烈なシャウトをかまして終了。ここまで綺麗に決めて終わるとは。素晴らしいライブ構成。
終わったあとに大きな拍手。後ろにいた山本さんが一番元気に拍手してたのは笑った。


ノイズ初心者にもいいんじゃないでしょうか。
あまりに聴きやすいんで物販で買ったCD聴いてる時も普通の音量で聴いちゃう。けどそれをすると耳がおかしくなります。やっぱノイズ。




素晴らしいライブばかりでした。
山本さんのノイズ良すぎ、K.K.NULLも期待を遥かに越えるライブ。
客数は30人いるかいないかぐらいでした。これほどのライブがそれだけの人数にしか見られてないって……なんつーか世の中って不思議ですねぇ。


あ、転換のBGMがずっとダークステップ・ドラムンベースだったのが意外。