2012/10/29 山本精一 ノイズソロ @ 難波ベアーズ

この日は広島へ出張で行けないなぁ、と思ってました。新大阪まで帰ってきて時計を見るとベアーズに着くのは開場時間から50分経ったくらいになる。でも東京のノイズライブでアンプ二台が煙を吐いて終わったというエピソードにも興味を持ちダメ元でベアーズへ向かいました。


TwitterのTLを見ると耳栓もってった方がいいらしい。買いに行く時間も無いのでイヤホンで代用。
受付に行くとすでに始まってる音がしてる。
「途中入退場不可、トイレも遠慮してほしい、気持ち悪くなったら出てきてもいいですよw」とチケットを買いながら説明を受ける。


そして中へ。
ステージのど真ん中にアンプが三大。その右手横に山本さんが座ってエフェクターを弄ってる。
思ったほどエグい音ではないな……と思ってると「1部終了です」


「東京のような音は出せない。機材を壊すのはダメ。」機材を壊すのが目的でないのか、予定調和として機材を壊すパフォーマンスもどきにノーを突きつける。もしくは単純に自分の店(=ベアーズ)の機材を壊してくないのか。
曰く、「1部は音楽的なノイズ。2部は音楽ではないノイズ。東京と同じ音は出せないけど近いものをやります。とにかく自衛してください。耳栓などで・そこまで面倒はみれませんので自分で防御してください。」山本さんは半笑いで行ってるけど客側からの笑い声はほとんどありませんでした。。


休憩時間。マゾンナ前に近い妙な緊張感が漂ってる。客数は20〜30ぐらい。まぁ、平日のベアーズですわ。
PAがいつもの年配の女性ではなく若い人だった。爆音の問題?




しばらくして山本さん再登場。「では始めます」
90度エフェクターに囲まれた状態であぐらをかいてエフェクターをいじるスタイル。2部全体で30分ほどでそのうちギターを触ったのはほんの2分ほどだと思う。


シュゴゴゴゴ、ジャーーーといったsolmaniaの雨のようなノイズとも違う。かといってピギーーーズギョギョギョといったマゾンナの暴力的なノイズとも違う。
言うなれば映画でよくあるハンドカメラの視点でモンスターに襲われてるみたいなズザザザって音*1。アレが超大音量になったような。物が壊れたり、こすれた時のズガガって音。


山本さんは大きなアクションは行わず、少しづつ機材を弄っていく。
途中高音が鳴ったりと刺激的な音もする。一瞬ものすごいズッキュンって音がしたときは回りの人がビクンとなって一人崩れ落ちそうになってた。
たまーに耳栓(イヤホン)を外すと強烈な音が耳を超えて脳を駆け巡る。耳栓ありでもエゲツもんなぁ。ただ「なんだこれはー新体験!」みたいな音量のインパクトがメインではない。


みんな真顔で動きもせず見てる。唯一某バンドでベースを弾いてるS原さんはこのうえない上機嫌な顔で踊るように身体を揺らしてましたw


最後に4分ぐらい同じポーズで止まって終了。うーん、すごい音量。




「今のが音楽ではないノイズです。パフォーマンスをしているようですけど殆どなにもしてません。(プラグを)出し入れたりはしてますけど」「音を作っているわけではありません。立ち会ってはいるかもしれませんが。」「音を選ぶだけで音楽ともイイます」矛盾してることもポンポンと口に出てくる山本節。でも相変わらず笑い声はほとんど聴こえない。
プラグをブラブラしながら「ほら、これがいまノイズを出してます。これは音楽ですか?私は違うと思います。」「ノイズって、音楽ってなんでしょうかね?」「自分が音楽といえばそうであるとも言えます。」と問いかけを重ねていく。


そして唐突に「アンコールです」と言ってケーブルをぽいっと投げると不意打ちで発生するノイズ。そのまま山本さんはステージを捌けてしまう。
一定のノイズを吐き出し続けるスピーカーの前に放置される客。まったく変わらない同じ音がずっと鳴ってる。ただ自分の頭の位置を変えると能動的に音を変えることはできる。でもそれは音楽じゃない?
ただ一番気持ちよかったのはこの3分間でした。「問いかけ」からの「提示」が鮮やかで気持ちよかったのか?音が気持ちよかったのか?それもわかりませんでした。


けど最後に問いかけで終わったドキュメンタリーみたいな、謎が残ったままの世にも奇妙な物語みたいな不思議な後味が残りました。メタルギアソリッド2愛国者達が全部消されてたみたいなあの後味。


爆音ですげー、とかじゃなく「ノイズってなんだろう?」という問いかけが印象に残る、考えさせられるライブでした。答えが出ていない謎をつきつけられたのに凄く気持ちいい。ベアーズから出て歩いてると脳が活性化してるのがわかる。
返り道に客が「あー、どういうことだろう。あれはノイズだよね?」ってノイズ談義をしてたのが聞こえてきたのがまた良かったなぁ、と。