soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/12/17 NAMASTE NIGHT VOL.2 (Vermilion Sands、DANTEFONE with 大野雅彦、DUVALI、山本精一&Psychedelic jet sets、NICE VIEW)


山本精一&Psychedelic jet setsが出るらしいので「とりあえず行っとくかぁ」ぐらいの軽い気持ちでチケを買ったんですが、とてつもないライブをいくつも目の当たりにする一夜になりました。
PARAのキーボード・西さん主催のイベントらしいです。西さんは5バンド中3バンドで出演。


開演時間にシャングリラに到着。人入りは6〜7割くらい。
カウンターでチケットを買ってるとフロアへの扉から聴こえてくるド低音!
ロビーのガラスが揺れるほどの大音量でシャングリラスタッフも顔を見合わせながら吹き出してしまうほどでした。


その発生源は……。

Vermilion Sands

大音量に心躍りながらフロアに入ると視界に飛び込んできたのが西さん、YOSHITAKE EXPEさん(PARA)、菅原さん(SOLMANIA)とあまり考えられない並び。まさかのVermilion Sandsが一番手だー。


衝撃波が発生しそうな重低音のダブです。
さきほどあげた3人方がすごい存在感。YOSHITAKEさんと菅原さんが普通に演奏をしてるの新鮮。


がなりたてるようなボーカル(元ハナタラシのメンバーらしい)も危険な匂いを助長させてる。
途中から詞を読む人が出てきたりとシリアスでとにかくヘヴィな演奏。原子炉なんていらないんじゃないかってくらい音のパワーがこもってる演奏です。
ダブを基準としながらハードコアにも足を突っ込んだ疾走ビートやタム回しによるトライバルなリズムなども顔をのぞかせながら強力な演奏を聴かせてくれました。


いや〜、すごかった!
ドリームチームな並びに負けじの曲の素晴らしさ。言葉じゃ表せない”パワー”のあるライブでした。


DANTEFONE with 大野雅彦

Bonanzasのボーカルの吉田ヤスシを指揮官に配置したノイズユニット。
フロアの1/3をステージにしてのライブ。


SOLMANIAの大野さんもいたみたいだけど……あの改造ギター持ってないと判別できないなw菅原さんはすぐわかるけども〜。
ギター+ベース+マニピュレーター+キーボード+吉田ヤスシ。キーボードは西さん。


「ボーン、ボーン……」と一定のリズムが刻まれる中を強烈なノイズが走る。低音ノイズより高音ノイズでSolmania的。
吉田ヤスシさんの動きがBonanzasと同じくカリスマ性抜群。声もここぞというところで呻き叫んでる。


ギター(大野さん?……にしては小さかったような)も仕切りが無いフロアに突っ込む勢いで歩きまわったり(メインの)ステージに寄りかかったりあげくには寝転んだりしてノイズをかき鳴らす。
西さんも壊れたような不穏なピアノを鳴らしてPARAとはまた違った演奏をしていました。
がっつり30分くらい。身体の芯から熱くなるノイズ。気持ちよかったー


フェードアウトと共に照明も真っ暗になり……。


DUVALI

DANTEFONEが終わった瞬間にメインステージのカーテンが開いて次のバンドがスタート。トランペッターとリアルタイムでダブ処理をするガチなダブバンド。
音圧はVermilion Sandsほどいかないものの沈み込む空間(≠広さ)を感じさせる音はドープという他ない。



酒も回ってきて良い感じに気持よくなってきました。
ロビーで売ってたマフィンをモフモフ。美味いっ!

山本精一&Psychedelic jet sets

この日の山本さんはキテました。


まずいきなり一曲目が『ソングライン』!!まさかのソングライン始まりですよ!
イントロとともにカーテンが開くとアンプに腰をかけてギターを弾いてる山本さんがいました。バッと立ち上がって一言「ナマステ!*1」。きゃー、ちょっとかっこよすぎないですか?!


歌が始まると山本さんの声の出し方がいつもと違うのに気付く。あの無感情歌唱ではなく声を張って高めの声で歌ってる。
見た目も髪を切ってるうえ表情がなんだか若々しく10歳くらい若返って見える。まるでタイムスリップしたような心持で美しいメロディと須原さんのコーラスの絡み合いを聞いてると泣きそうになってきました。*2


ソングラインが終わると須原さんのベースを基準にサイケデリックなジャムがスタート。
実力者4人による怒涛の演奏。JET SETSの名前通りのスピード感。
山本さんは遠慮ゼロで弾きまくり。挑発するようにメンバーの前に行ったりと珍しくステージ上をよく動く。軽く暴走気味とすら言える演奏。半ばで客に背中を向けてたときにうっすら見えた横顔は満面の笑顔だった気がします。


西さんがPAに「山本さんボリュームを上げて」のサインを送ると、山本さんは逆に「(今日の主役の)西さんの音量を上げろ」のサインをいたずらっこのような表情で返す。もうこの時点でわけわからん空気になってきてる。制御不能なナニかがシャングリラを覆い始めた。


そして、ついに沸点に到達した山本さんがギターを振り回してマイクスタンドをぶっ倒す!
さらにマイクを直そうとしたスタッフの娘からマイクをぶんどって絶叫。
最後はドラムに向かいシンバルをなぎ倒しマイクスタンドを地面にたたきつける嵐のような終わり方。須原さんもTAQUIさんも西さんも笑うしか無いという感じで佇んでました。


ライブ時間はわずか20分。*3
最初から「今日の山本さんはどっかおかしいなぁ」とは思ったけど完全にハイ状態でした。機嫌が良かったのか悪かったのか。たぶん前者。
山本さんの若さが蘇ったエネルギーあふれるライブ。ものすごいモノを見ました。
あそこまでガチで叫ぶ山本さんは初めて見た。近年では稀?


ライブは短時間で最後の暴走が印象に残ったけど、演奏自体もむちゃくちゃ良かったです。特に西さんのソロはROVOの益子さんを思わせる勢いのあるソロで痺れました。

NICE VIEW

Psychedelic jet setsでテンション上がりまくった状態で激烈ハードコア。
ブラストビートも不規則リズムもありの切れ味の鋭い演奏。ツインボーカルで絶叫につぐ絶叫。


最初は後ろの方でみてたけどいてもたってもいられなくなって前の方にいっ
て暴れてました。こんなの魅せられておとなしくしてられるはずがない。
突進曲だけじゃなく重いヘヴィネスで殺していく曲もエグい。


竜巻太郎さんのドラムはスゴイな。思わず笑っちゃう勢い。ミサイルみたい。



この日のシャングリラは磁場がおかしかったです。
その磁場を一番作っていて、同時に一番当てられてたのが山本さん。この日の山本さんは本当にぶっ飛んでた。


どのバンドも飛び道具とか話題性とかじゃなく、長年やってきたホンモノだけが出せる重みのあるエネルギーが渦巻いてました。
今年も残り2週間というところでスゴいイベントに立ち会えたことに感謝!

*1:今思うとこの時から声のテンションがおかしかった

*2:後日須原さんがtwitterで「ソングラインで泣いちゃった」と発言してました。この日はなんかあったんだろうか

*3:他バンドのライブ時間からすると30〜40分は持ち時間あったはず