2013/01/30 四万十川友美×3月33日 @ 難波ベアーズ
ボロフェスタ2010でたまたま見かけて虜になったバンド・3月33日。
3月以降しばらくライブ活動を休止するとの告知を見かけ「こりゃいかん。今のうちに目に焼付けとかねば!」とベアーズに飛んでいきました。
この日はバンドと仲の良い四万十川友美さんとのツーマン。
四万十川さんはどんな音楽をやる人なのかは全く知りませんでした。
しかし、終わってみると3月33日の素晴らしさを再確認したと共に四万十川さんにも脳天を撃ちぬかれた一夜になったのであります。
3月33日
菜箸で叩くスタンディングドラム、独特のリズムの刻み方をするベース、姿勢の軸が傾いてるギター。そして全員がとびっきり優しい声で歌う。
独特な立ち振舞いを見てると「これぞ3月33日だな」と思います。
アルバム一曲目の『かえる電車』からスタート。
この日は過去に見た演奏より生命力に溢れていた気がしました。優しいだけじゃない、何かが外に飛び出そうとしてるのが音となって聴こえてくる。
コーラスが重なると「あぁ、この3人が揃ったのはやはり奇跡だな」と思わずいられない美しいハーモニーにうっとり。
3人で交代交代にMCをしながらリード・ボーカルも替わってくのもこのバンドの特徴。
喋り下手であろうベースのチェブ・J・ノーマン*1も下手なりに喋ろうとする不器用さがなんだか好き*2。
3曲目にやった『月の光の下で』はギターソロのセンスがライブだと映える。速弾きとかじゃないけどウルっときちゃうフレーズを丁寧に奏でてる。山本(精一)さんのギターの正当な後継者だな、聴きながら思いました。
彼らの曲ではアップテンポな『空の真下』では跳ねるように演奏。昭和っぽいメロディが軽快な演奏にからみ合ってキラキラしまくってる。
『春』は神経質にも感じる静の曲。ドラムの一挙一動を凝視してしまう。良い緊張感。
音源未収録の『青』という曲では、終盤にくらみつみらく流さんがギターを直角に振り降ろしノイズを撒き散らす大暴走。ステージ上の非常灯を割るんじゃないかとハラハラしました。
エフェクタを踏み外したりとがむしゃらにノイズを撒き散らす。ドラム、ベースも飛び跳ねるように激しい演奏。攻めはこのバンドの本質ではないかもしれないけど、奥底にこういう面を持ってるのが面白い。
最後の曲は僕の大好きな『川に足をさらしながら』。透き通ったイントロのギターと歌が聴こえてきた時、ステージが輝きながら儚く滲んだような錯覚に陥りました。ほんと良い曲。3人の声が美しく重なるコーラスでは心も身体も震えました。
よかった。本当に聴きに来てよかったと思えるライブ。
CDで聴きなれた曲がライブになると1.75増しくらいでよくなってる。特にギターのセンスの良さには改めてハッとさせられました。*3
↑『月の光の下で』3:15あたりからギターソロ
四万十川友美
フライヤーに映ってるおじさん(?)が四万十川友美さんだと思ってて、ルックスから暗めのフォークでも歌う人かなと思ってました。しかし後になってよく見ると3月33日のみらく流さんだった……。なんというか……この人笑顔下手だなw
出てきたのはアベフトシみたいな切れ味の尖そうな若い男性。おぉ、イメージと違う。
アコギ一本だけでフォークを経由した曲を歌い上げる。少し崩した歌い方。マイクいらないんじゃないかってぐらいに声量があります。
聴き取りやすい歌詞と一緒にメロディがガシッと胸を掴んでくる。キャッチーであり且つポップスとは違うフォークやロックを通ってきてる歌にどんどん惹きこまれていきました。
1分〜3分のファストチューンを次々と歌う。彼女から貰ったという時計をマイクの側に持っていってカチカチ鳴らす、ってのもあったけどあくまでもギターと歌のみ。
でも最小の構成で発せられる音楽はパンキッシュでさえありました。青春パンクっぽい……と言ったら怒られるかな?その源流となるフォーク熱く泣ける部分が強く出てる。
『3月33日』って曲もあって、曲に載せて想いを伝えるこの日の出演者の絆にグッときた。
音楽が好きそう。楽しそうに歌う……とかの脳天気な感じではない。歌わずにはいられないみたいな。
3月33日目当てだったけど良い出会いができました。
四万十川友美 + 3月33日
最後に3月33日のメンバーを呼んで特別コラボ曲『ギター』。
これが本当に素晴らしい曲でした。青いギターポップ。
初っ端に響いたギターフレーズがとびっきり素敵で「うわぁ」ってなった。
3月33日メンバーのコーラスが入ってきた瞬間も美しい声でまたグッときました。みんながボーカルを取るのも仲良さそうでいいなぁ。音楽好きな人らが部屋の篭って共同生活をしながら作ったって絵が思い浮かびました。
3月33日メンバーはいつも抑えてる躍動感を伸び伸びと解放していた気がする。特にドラム。
最後のコーラスまで幸せ指数が高まり続けて最高だった!
このコラボをみて、改めて本当に行って良かった、と思いました。
同時にこの素晴らしいコラボを20人そこらしか体験できていないってのももったいない話だなぁ、とも。
ライブ活動休止に関してMCで触れることはなかったけどバンドからは特別なライブに挑んでる感じがした。四万十川さんも放っておけない様子が、同じく明確に言葉にはしないけどステージの空気から感じられました。
またこのツーマンを見たいな。