2013/02/02 (青葉市子、山本精一、ゆーきゃん) @ 難波ベアーズ
新しく始まった歌モノオンリーのイベント。シリーズだからsongs...2以降もあるのかな?
一発目に相応しい豪華なメンバーです。
ベアーズに到着すると人でいっぱい。
なんとか(地べたに)座れたもののほぼ身動きできないぐらいにぎゅうぎゅうでした。おそらく青葉市子効果。
ゆーきゃん
初見。京都を中心に活動するウィスパーボイスで有名な男性シンガーです。
この日はキーボード、ギター、ベースのバンド形式。
ハンドマイクなのが意外だった。この手のゆったり系シンガーでハンドマイクっても珍しい。構えになんとなく違和感。
ウワサのウィスパーボイスは……なるほど壊れ物のような繊細な声。目の前で人間が発していると脳が認知しないほどの完成された歌声でした。
ただ曲調はあんまり好みではなかったなぁ。
曲よりハンドマイクに意識がいってるうちに終わりました。
山本精一
ステージに現れるとモソモソと準備。楽譜を落として地面にバラバラになるものんびりと拾い直してました。
この日は曲のテンポが一定じゃなく音も強弱が揺れ動いててなんだか分裂症みたいな演奏だな、と思いました。
不安定……では片付けられないなんとも捉えがたいムードだった。
ハイライトはya-to-iの『シークレット・ソング』のセルフソロカバーを初披露したことでしょう。原曲のワクワク感が一切消えた山本精一色に塗りつぶされカバーで、その徹底ぶりに思わず笑っちゃいそうでした。でも素晴らしいカバーだった。
同じくya-to-iのセルフカバーでこちらはよくソロでも歌ってる『空の名前』はギターエフェクト多用で壮大な感じにアレンジされてました。
一週間後に約10年ぶりのya-to-i復活ライブがあるのを意識してか、この二曲は印象的な歌い方をされてました。
途中で短いギターインプロもありました。ノイジーなギターが鳴ってるから「もしかして『からっぽの世界』来るか?!」と思ったけど(たしか)『待ち合わせ』でした。
青葉市子
初見。しっかり聴いたことがなく、勝手に『SSWなら平賀さち枝の方が好きだな』と勝手に比べてました。
で実際聴いてみるとフォークな平賀さち枝さんに比べ、青葉さんはクラシックギターが基準で別物でした。
テクニカルなフレーズも時折奏で、歌声はポップで親しみやすいというよりとにかく美声。
『日時計』という曲がよかった。モロプログレな変拍子と良メロが行ったり来たりする緊迫感のある曲。大サビ的に配置された中盤の優しいメロディにウットリした。
七尾旅人の『沖縄県東村高江の唄』のカバーも良かったです。
うん、なかなか良かった。クラシックを経由してるからポップ追求系や癒し系の歌モノとは違った感じですね。
デビュー当時の印象で黒髪&ワンピースで清楚なイメージでしたが、今は髪を染めてて猫背でこたつにうずくもってる猫みたいだった。
内向的なのはイメージ通り。でもときおり顔を上げて魅せる笑顔は素敵でした。ニンマリ笑う。やっぱ猫みたいだ。
3人でセッション
出演者3人 + ゆーきゃんさんのバックバンドの6人でのアンコールセッション。
各人が曲を持ち寄ってカバーを3曲。
まずは青葉市子さんから魔女の宅急便EDの『やさしさに包まれたなら』。良いメロディを素直に届けてくれてとても良かった。
次はゆーきゃんさんからthe velvet undergoundのバナナジャケから『Femme Fatale』。男ふたりのコーラスが印象に残ってる。
最後は山本さんからカバーアルバムの最後にも収録されている『we shall over come』
「みんなで歌う曲」「想いがこめられた歌」「こんな世の中だから」と3人で歌の説明をして客も真剣に聞いてたのに、いざ始まる直前になると山本さんが「(楽譜を見ながら)一緒に歌うってなってますね。止めてくださいねカッコ悪いから」で一蹴。そりゃないよ〜。
と、そんなオチがあったにせよ、歌はとてもとても良かった。優しい歌い方だけど力強い。こんな世の中だから歌い継がれてきた名曲で気持ちを共有/共鳴したい。
『we shall〜』は半年前の山本精一 完全コピーライブでも最後に歌ってました。
このタイミングでカバー集を出した意味がわかる気もします。
紛れもなく歌モノなライブでした。リズム好きな自分でも最後までダレることなく楽しめる極上の歌モノでした。
中でも最後のセッションは良かったなぁ。
song...2は本当にあるのかな?山本さんはシリーズとか言いながら二回目がなかったり、次回が数年後ってのが多いからなぁ。