soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/03/16 闇鍋音楽祭(ソウル・フラワー・ユニオン、浦朋恵&ザ・ロッキン・バリトーンズ)@ 梅田Shangri-La


毎年恒例のソウル・フラワー・ユニオン主催対バン企画、闇鍋音楽祭。
自分にとっては3.11すぐに開催された七尾旅人との対バン忘れられない思い出になってるイベントです。


客はあまり埋まっておらず。後ろは柵で囲ってた。全部で100〜130人くらいだったと思う。
ソウル・フラワー・ユニオンのメンバーのあいさつ無しで浦朋恵&ザ・ロッキン・バリトーンズがスタ〜ト!

浦朋恵&ザ・ロッキン・バリトーンズ

ふくよかな女性バリトーン・サックス奏者が率いるバンド。2011年のSATURNに浦朋恵リズム&ブルースブレイカーズ名義で出演してたときに見てます。


その時とは別編成。ドラムは伊藤大地SAKEROCK)から高木太郎(メスカリン・ドライブ!*1)。ギターは相変わらずヒデオさん(赤犬)のまま。
編成だけでなくサウンドも違いが見えて、パーティバンドよりゆる〜く音楽を楽しむ感じになってた気がします


高校の頃からソウル・フラワー・ユニオンのファンだったという浦朋恵さんは、緊張してて演奏に思いっきりが無い印象を受けました。
サックスの音も身体のわりに小さい……。それでもボーカル曲で歌からサックスに切り替えると、バンドの中心にドシッと音が乗る存在感はあるのですが……本調子では無さそうだなぁ。


浦朋恵さん、ヒデオさん、もう一人のサックスプレイヤーの前衛3人が吹きながらのけ反る仕草とか、たまに音楽の楽しくて仕方がない部分が出てくる時は見てるこっちも自然と顔が綻びました。
ヒデオさんは「あ”ああ〜〜」「おぅあーい」と声あげながらギターを弾いて浦朋恵さん並にバンドの顔になってました。


盛り上がりきることはなかったけど、温かい客に迎えられながら演奏してました。


ソウル・フラワー・ユニオン

メンバーが登場するやいなや視線に止まったのはミホコさん。黒のショートパンツに黒の水玉シャツというボーイッシュな出で立ち、元々ショートにしてた髪をさらに短くして(桃梨のサイト参照)でまるで美少年。なんだかTMレボリューションみたいw
出てきた瞬間「うわ、かわいい!」と心のなかで叫んでました。


いきなり「原発反対でいいじゃないか」に歌詞を変えてる『エエジャナイカ』→『キセキの渚』と3.11/反原発に対する大きなメッセージを持つ曲でスタート。
でもライブ中のMCでは3.11に触れることはほとんどなく、奥野さんイジりや6月に発売するミニ・アルバムの極秘情報がメインでした。


早い段階で『荒れ地にて』『風の市』などライブの終盤にくることもある曲が演奏されました。持ち歌多いからSFUのセトリは読めないなぁ。


演奏は良かったです。当然ながら。
個人的にこの日一番いいなと思ったのは奥野さん。キーボードソロの気合の入れた演奏っぷりにぐっと目線がいきました。

しかし客層がとにかく騒ぎたい層、大声でしゃべったり荒い声で叫んだりする人達がいたのが気になりました。
おかげで最後までずっと集中できませんでした。
『平和に生きる権利』とか素晴らしいアンサンブルだったのにどうも気分が乗り切らず……。


でも前後にまったくMCも入れずにスタートした『満月の夕』ではそんな客も大人しくなってました。
この日の『満月の夕』は素晴らしかった。2012の時みたいに3.11の映像のフラッシュバックが見えたりはありませんでしたが、「解き放て 命で笑え」と歌ったあとに頼もしい笑顔を魅せる中川さんを見てると、色々な感情が心の奥底から湧き出てきて泣きそうでした。
この日の「命で笑え」は今まで見てきたSFUのライブでも一番心に響いた。この一言で救われる気がしました。


『うたは自由をめざす』『月光ファンファーレ』『神様は安上がり』『死ぬまで生きろ!』『安里屋ユンタ』などは無し。そういや三味線使った曲は『満月の夕』だけたったな。


海行かば 山行かば 踊るかばね』で本編を閉じて、アンコールでは『松葉杖の男』を浦朋恵さんともう一人のサックス奏者、あと高木太郎さんを迎えて演奏。高木太郎さんとの共演は往年のファンはめっちゃ嬉しかったでしょうね。ここでも浦朋恵さんは大人しかったなぁ。


今回の闇鍋音楽祭はとにかく『満月の夕』。
対バン、SFUとも全体的には期待値より下だったけど『満月の夕』は際立ってよかった。


*1:伊丹英子が率いるソウル・フラワー・ユニオンの前身。一時期は中川さんも正式メンバーだった。