soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/03/24 週末と音楽vol.11(地底紳士、白波多カミン、タケヤリシュンタ) @ R公会堂

家から徒歩10分のライブスペースで毎月開催されるイベント。
ちょうど一年前に第一回目に行った時に「こんな温かい空間で白波多カミンさんの歌が聴けたら幸せだろうな〜」とか思ってたんですが、今月のブッキングを見るとまさかの白波多カミンの名前がっ!
心臓が飛び出すほど嬉しい話です。


会場時間10分前くらいに着くと客は自分ひとり。
「まだ客入ってないので開場時間を30分遅らせます」とゆる〜い段取り。
最終的に客は3人くらい。他は出演者やスタッフさん。でも寂しい感じはなく少人数でも心地良い空間でした。
ぎゅうぎゅうに入ってた2月の公演が特別でこれが普段のR公会堂の姿なのかな。


始まる前に夢のようなできごとがあり、気持ちがふわふわした状態でライブがスタートしました。

地底紳士

男性のギター語り弾き。いきなり女装して出てきたのでびっくりしました。


ボリュームも音和も最小まで抑えられたギター。消え入りそうな歌。
強風が吹けばかき消されそうな音楽に、R公会堂外の商店街の生活音が入り込んできて心地良かったです。雨音みたいな心地よさ。
R公会堂はシャッターを下ろす音とか普通に聴こえてくる。普通だったら音楽の邪魔になるけど、その生活音をいかに味方につけるかってのも影響してくるかも。


私生活で色々あったらしく気分は激ドン底。ドン底ながらも生活してるのが音楽に現れていた気がします


白波多カミン

いままでバンド形態でしか見てないのでソロのギター弾き語りは初めて。


順番までずっとニコニコしてたけどカミンさんですが、ギターを取っていざ歌うとなると僕らとは違う世界を見てるような遠くを見る目へ一秒でシフトチェンジ。ミュージシャンだ……。


CD未収録の『生命線』という曲でスタート。
聴いてると地元で白波多カミンさんが歌っているという事実に感極まって泣きそうになりました。サビに「泣きたいな」という歌詞あるけど泣きたいのはコッチっす!


CDからは『コトバのうら』と『ハイライト』のみ。(代表曲?の『ランドセルカバー』が無いのは意外だった)
『ハイライト』は「酷いコトバを歌ってるなぁ」と最近は歌ってなかったらしいです。でも「最近は別の視点から見れるようになった」と演奏してくれました聴けた。大好きな曲なんで嬉しかったー


新曲3〜4曲はどれも良かった。一度聴いたら「おっ!」となるとっつきやすいメロディは健在。特にサビメロの悩殺率は磨きがかかってる。
youtube未発表曲Aとしてアップされてる「うまくできないこと」ってフレーズが印象的な曲がお気に入りです。


曲の完成度……といいますか、曲の”枠”がしっかり出来てるという意味ではこの日の出演者の中ではずば抜けてた。
またノーアンプノーマイクという環境ではカミンさんの声のスゴさに気付かされました。特に高音の”鋭さ”。
カミンさんの曲は「君の事強く強く殴りたい(コトバのうら)」「僕らしくいれば君は殺されてしまう(ランドセルカバー)」みたいな鋭さのある歌詞が紛れ込んでるのが特徴です。ソレは声にもあるのかもしれない。
R公会堂の狭い空間にカミンさんの高音ボイスがかまいたちみたいに切り込んできて、その刺激が心地よかったです。ノーマイクだからこそ、かな?


タケヤリシュンタ

こちらも男性のギター語り弾き。
一番手の地底紳士さんと逆でギターの音色が詰まっている。速弾きとこではないけど織物のようにしっかりとパターンが曲に存在している感じ。

男ならではの渋甘い声は男の私でも惚れてしまいそうでした。


箕面ビールを飲んでの演奏で、終盤に酔って間違えまくるのもご愛嬌。
でも最後のインストはしっかりと決めていました。



人がいっぱい入ってた2月は知らないみんなでひとつの音楽で楽しんだ…例えるならかまいたちの夜のペンションでゲームを楽しむ透たち…みたいな感覚だったんですが、今回はもっと小さな集まり…けいおん!の部室で知った顔が音楽を聴いてるような感覚でした。……自分でも何を言ってるかよくわからないけど、とにかく音楽を身近に感じられるイベントでした。


帰りに家の近所のいつも行ってるカレー屋に行くと僕の来てたベアーズTシャツに反応した店長とディープな音楽話*1


自宅の徒歩圏内で音楽の世界が広がった。そんな一日でした。

*1:あとで実はこの人はすごいミュージシャンだったとわかりました。知らないで話してた……恐れ多い