soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/05/25 Noise Mayday 2013(MASONNA、SOLMANIA、JOJO広重+CROSSBRED、MANDOG、蒸発都市) @ 難波ベアーズ


ベアーズ名物、ノイズの祭日・ノイズメーデー!今年はMASONNA、SOLMANIA、JOJO広重……とノイズ大御所が集ったすごいメンツ。
受付がDODDODOでビックリ。客入りは文句なしの満員でした。外国人も多い。

蒸発都市

真っ向勝負のソロ・ギターノイズ。見るのは2010のノイズメーデー以来。


この日はめちゃくちゃ気合い入ってた。「嫌なことあったんだろうなぁ」「会社クビにでもなったかな?」と想像しちゃうレベルの怒りをむき出しにした暴れ方。
楽器はアルミ缶(?)ピックで弾くギターだけなれど、身体大きく動かすパフォーマンスで全身からノイズを発しているようでした。


前半はストレートな「グギャギャギャギャ!」とノイズギター。中盤から「ドォゥゥゥウウンっ!」と爆発音を出したり、「ジュワァァアアアン」とエコーを駆使したりと工夫した演奏で飽きさせません。
終盤は”そうせずにはいられない”様子でギターをかきむしり、終いにはフロアに突っ込んできました。私の目の前の人(知り合い?)をスピーカーに追い詰めながら絶叫しててヤバかった……。
気分が高まりすぎて終わり時がわからなくなったのかってぐらいにノイズを出し続けて終了。


ちょっと蒸発都市を舐めてました。今回のメンツなら「まぁ一番手が妥当かな」くらいの認識でいたんですが、しょっぱなから最高のライブをかましてくれた!


やっぱ時間を超過してたのか、機材を片付けながらPAさんに「ごめんなさい、ごめんなさい」と小声で謝ってたのがおかしかったw


MANDOG

ダモ鈴木が絶賛して当初のギタリストを変更してツアーに連れて行ったエピソードがある人だとか。


ミニマル的にギターを反復させてくゴッチン先生みたいなスタイル。ゴッチン先生と違うのは反復フレーズがカントリーやブルースなどアメリカン・ロックのテイストを感じさせるところ。こりゃかっこいい!
演奏も激ウマ。一番前の特等席で見てたんですが指がものすごいスピードで動いてました。この手のギタリストで超絶テク系は珍しいです。ネットで音源聴く限りルーパーをフル活用かと予想してたんですが、ほとんど使わず生でそのまま弾いてたんじゃないかな?


後半になるにつれどんどんスピードアップして突如ストップ。スゴイものを見せてくれました。
終わりの挨拶が思ってたよりおじさまの声でびっくりしたw



solmania

克巳さんはBGMに体揺らしながら悠々とセッティング。一度楽屋に戻ってちゃんと着替えて出てきました。Solmaniaはラフな格好で演奏してるイメージがあるからステージ衣装があるのがなんだかおかしかったw


何度見てもインパクト大な変形ギターは視覚的にアガります。
蒸発都市は若々しいノイズだったけど、solmaniaはベテランらしいズーンとかまえたノイズ。
会場全体に充満するドローンノイズからリズミカルな音が少しづつ増えたり消えたり……。Solmaniaのライブを見てると”宇宙”をよく連想するんですが、今回はそういった情景が見えたりは無かったです。
個人的に気に入ったのは最後。鳴り続けていたドローンが細切れのフレーズになっていく。すこ〜しづつグルーブが遅くなっていきプツンと消える完成度の高い締め方。



JOJO広重 + CROSSBRED

女性二人のノイズエレクトロ/テクノ・ユニットのCROSSBREDと非常階段のJOJO広重さんの組み合わせ。


最初はCROSSBREDが発するドローンにギターが重なって「あれ?PARAPHONE*1みたいな感じ?そのまますぎてちょっと面白くないなぁ」と思ってたら5分くらいしてキックドラムが入ってダンサブルなノリに変化。
四つ打ちにJOJO広重さんのギターノイズが乗るのは新鮮。パワー全開で弾くのではなくソフトタッチのライトハンド奏法してることが多かった気がします。CROSSBREDに異物(激烈ノイズ)を投入するより合わせていった感じ。もっと暴れても面白いんじゃないかな、とも思いました。


でも中盤、全員のリズムがズレながらも音としては最大限に3人がハマった瞬間があって、それがすごくカッコ良かった。自分の立ってる地面が崩壊していくみたいな「ヤバいぞ」って状態。


CONPASSでもやってた1,2,3,の合図でビシッと止めるのは今回も決まってた。これかっこええなぁ。


予想が付きにくい組み合わせで期待してたアクトですがやはり良かったです。ただ客が満員で踊るスペースがほとんどなかったのが残念。

MASONNA

入念なサウンドチェック。アンプをオンにした瞬間にあまりの爆音がスピーカーから聴こえてきて吹き出しそうになった。笑うしかない絶対的なアグレッシブ・ノイズ。


セッティング中のBGMはCROSSBREDの流れを組む四つ打ち系。こういった曲をBGMにマゾンナのセッティングを待つのは新鮮。BGMで雰囲気変わりますね。「マゾンナのライブはセッティングから始まってる」を持論*2に持つ私としてはこの組み合わせは面白かった。


照明が暗くなって(この時にドキドキ/恐怖が一気に上昇します)すっと出てきてライブスタート。
叫ぶ!振る!(エフェクターを)踏む!のマゾンナ・ライブの3大要素だけが濃縮されたストレートな内容でした。
常に叫びまくるより「ブブブブブブっ」て低音部分が多くて爆発する時に一気に「ウギャアアア!!」ってのが多い気がしました。


ハイライトは左袖のスピーカーに掴まって力いっぱいに揺り動かしてた瞬間。いや、目の前に飛び混んできたのにビビって、直視出来てですがスピーカーを引きずり降ろそうとしてるように見えました。怖ぇ!


フロア突入は人が多すぎて前の方だけですが野獣のように暴れてました。
マイクをっぽいとフロアに投げて終了。なんと投げたマイクが僕の方に飛んできて、反射的に手を出したらキャッチしてしまいましたwどうすんのよこれww


一瞬。いつも以上に一瞬に感じました。
入場も凝ったことはしなかったし、とにかくシンプルにMASONNAを見せてくれた気がする。
ライブ時間は1分23秒。*3いや〜、興奮しました。短い時間のライブなのに終わった後喉がめっちゃ痛かった。吠えすぎたww



やはりマゾンナが持っていった感じがするかな。清々しい気持ちでベアーズを後にできました。
次点に想像以上に感情の篭ったライブを見せてくれた蒸発都市。今回はどのアクトも本当に良かった!


去年のNOISE MAYDAYマゾンナ・ワンマンだったし、今年頭のノイズ新年会は変化球すぎたし、1日がっつりノイズなイベントは久しぶり。やっぱ気持ちいいわー。家帰っても耳鳴りやばいっす

*1:西滝太さん(para)とMAYUKoさん(CROSSBRED)のアンビエント/ドローンユニット

*2:もっといえばライブが告知された時から始まってる。ずっと溜めてた期待がわずか1分で放出されるカタルシス

*3:twitterには1分20秒というツイートも挙がってました。自分はマイク事件でストップウォッチ押すの遅れたんでそっちが正解かも