soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/07/12 ZENI GEVA、オシリペンペンズ、サイケ奉行、POWEREMPIRE

ノイズミュージシャンとしても活躍中のKK NULLさんと吉田達也さんの二人ハードコアユニット・ZENI GEVAの大阪ライブ。対バン相手がなかなか濃い!こりゃいかなー。

開演から15分遅れくらいで到着。一組目のPOWEREMPIREがすでにスタートしてました。客はキャパの4割くらい。


POWEREMPIRE

アーティスト写真とかで勝手に直球ハードコアなバンドかと思ってました。実際はとびっきりの轟音でサイケデリックなサウンド。スピード遅めでひたすらリフをリピート。
音量はすさまじく空間が音で埋まっていくみたい。音の蟻地獄に巻き込まれて知らない世界に引きずりおろされそうな感覚になりました。


”連れて行かれる”ではなく”引きずり落とされる”。そんなヤバいサウンドなんですが最後の曲で面白いハプニングが発生。


ベースの音が出なくなる → 色々試すけど諦めてマイクにシャウトして捌ける → 治ったベースを高く掲げて帰ってくる → (ステージ暗くて)ジャックの差込口がわからない → 袖の照明あるとこで付ける → アンプのスイッチ入れるもやはり鳴らない → 袖に戻る → やっと音出た!


ギターとベースが自分の世界に入ってエゲつないリフを繰り返してる中、ひとりコント(?)のようにピンチを切り抜けようとしてるベースが面白くて大笑いしてました。


でも音は本当にカッコ良かった。「カツンっ!」と高い音のスネアでじわじわとグルーヴを変えていく最終曲のドラムはヤバかったー。爬虫類系なルックスのギターの振る舞いなど若さを感じさせるのもエネルギッシュ。
今回は一組目ということで自分もフロアも完全にスイッチ入ってなかったけど、”その時”にライブ聴いたらヤバそう


サイケ奉行

西さん不在の3人体制。


サイケデリックで時代劇を」というアホなテーマを一切の迷いなく実行する津山篤さんの堂々とした佇まい
それを砂十島NANIさんと須原さんの最強のリズム隊が笑顔で支える。特に須原さんは楽しくて仕方がないって感じで顔がくしゃくしゃになるまで笑ってました。


新曲ということで水戸黄門リスペクトの曲を披露。タイトルが「Water Door Yellow Gate or Asshole」。ヒドすぎるwww


やってることはアホだけど音楽はホンモノ。演奏の熱がすごい。個人的にはやはりNANIさんのドラムが「オラァーーー」って感じで好きです。


オシリペンペンズ

最初から最後までほとんどヤジが飛ばなくてやりにくそうでした。意外とアウェー?
一曲目からマイクを頭にガツンガツンぶつけてフロアを横断してくモタコさん。良い感じに髪が伸びてかっこええなー。


迎さんのドラムはヘンテコなリズムすぎて、何度見ても「どうしてこうなった?」と頭にハテナマークが充満します。ガキ使の七変化の個人的傑作で笑い飯の哲夫がヒゲダンスをして「とっかかりがわからない」というコメントされるくだりがあるんですが、迎さんはまさにそのドラムバージョン。でもその意味不明さが気持ちよさにも繋がるんだからわからないもんです。


全体的に前にRoToRで見た時より演奏のキレは無かったんですけど、キララさんと迎さんが睨み合う『コミュニケーションブレイクダウン』は場内の空気が2、3度下がるくらいの集中力で鋭かったです。


ZENI GEVA

悪そうなリフとガナリボイスのハードコア。と言っても両者とも凄腕ミュージシャンだから変拍子を軽々とキメたりテクニカルだけども。


吉田達也さんのドラミングは完全に”化け物”。普通のビートでも迫力半端無いのにブラストビートまでやられたら……。
KK NULLさんはソロでやってるノイズの方が好きかな。
篭ってる音はハードコアらしいけど好みが分かれそうなところではあります。個人的にはそこまでピンと来なかった。


KK NULLさんはやってる音楽はハードコア/ノイズと邪悪だけど、一曲ごとにしっかり曲コールをしたり、終演後に芯の通った声で「ありがとう」と感謝しており礼を重んじる日本人の美しさを感じます。あの佇まい好きだ。