soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/07/20 SNIFF OUT 2013 初日(明和電機、Do As Infinity、WORLD ORDER、石井竜也) @ インテックス大阪5号館


アートフェスと音楽フェスの融合を主軸にした新しいプロジェクト/フェス。
作品が展示してあるアートスペースとライブが行われている音楽スペースに分かれてます。


ライブは夕方から。昼はアートスペースで高木正勝さんを招いてDOMMUNEの公開収録をやってらしいですがリハの音と被って大変だったそうな。そんなとこからもわかるように運用は手探り感満載でした。


自分はライブがスタートする少し前に到着。インテックス前が「本当にイベントやってるのか?」ってくらいにガランとしてる……。
独特なテンションのクレーマー青年を早くも2人見かけて……アートフェスやなぁ、と。
とりあえずライブエリアへ。6つのブロックに分けられており、自分は右側後方のB3へ。そこそこ大きいブロックの最前列しか埋まってないんですが……。見やすくていいけども、なんか不安になってきたなぁ。*1

明和電機

オープニングアクト。知る人ぞ知る、シュールな創作楽器でパフォーマンスする方々です。
指パッチン木魚、コイビート(nationalのスイッチを板に付けてONにすると電気が通って後ろの機械がリズムを奏でるシーケンサー的な装置。”リセット”が指スライドさせてスイッチオフにするだけなのに吹いたw)あと実際に製品化してるオタマトーンの”デモンストレーション”。


やってることが十数年前とあんまり変わってないなーw。そこがまた愛おしい。
アナログな趣の製品群。ギャグも一昔前の空気が漂ってます。オタマトーンで『君をのせて(ラピュタ)』を演奏して途中からオタマトーンそっちのけで自ら歌い出すくだりなんてまさにそれ。
本当の笑いと失笑が入り乱れるなんともいえない空気に。いや、これはこれで面白かったです。



ライブの合間に高木正勝さんの映像作品を上映。”静”の存在感が強い映像なんだけど、アートスペースの方でPVが上映されてる「パラレルパラレル……♪(相対性理論)」が聴こえてきて……なんだかなぁ。Dommuneといい高木さん踏んだり蹴ったりじゃないですか。さすがにかわいそうだった。

Do As Infinity

こんな機会じゃなけりゃまず見ないであろう人たち。全盛期は結構聴いてました。


ボーカル+2ギター+ベース+カホンのアコースティック編成。伴さんは変わらずロングヘアーが似合っててお美しい。
マニアックになることなく昔のヒット曲をバンバンやってくれました。全曲知ってた自分にびっくり。
セトリは『深い森』『冒険者たち』『陽のあたる坂道』『Week!』『アリアドネの糸』『本日ハ晴天ナリ』。『深い森』のイントロが始まった時は身体の中でこみ上げるものがありました。


全盛期当時の人気に比べると落差はすごいもんだろうけど*2歌上手いし、良い曲多いっす。素直にいいと思えるメロディ。
高校時代、周りに異常に好きな友達がいてPV集をよく見せられてたなぁwとか思い出に浸ってました。


思いの外楽しめた!でもなんでこのフェスにDo As呼ばれたんだろう?そんなアートとは結びつかないけど……。



次の転換中には、抜いてきた標識に豚をぶっ刺して丸焼きにする映像作品……。綺麗なDo Asからなんつー落差。

WORLD ORDER

噂のWORLD ORDER!今回はこれが目当てでした。大半の客もそうだったらしくスクリーンに名前が表示された時に歓声があがりました。


意外だったのが、ステージ上で徹底してロボットを演じるのでなく人間味のあるトークもしていたこと。須藤元気さんがメンバーを弄ったりしてる。メンバーのキャラもファンには周知のものらしくちょっとしたアイドルみたい。音楽と映像だけの側面から触れてる人間からすると意外に映るんじゃないかな?


しかし、曲が始まると表情を変えずにカクカクとロボットダンス。
自分のブロックが右側だったのもあり綺麗なフォーメーションが見れなかったのが残念。照明が眩しくてダンスがまったく見えないという本末転倒な場面も結構ありました。『2012』のハイライトである腕伸ばしがシルエットすら見えなかったのは泣きそうだった。


PV見てると「絶対こんなの生で再現できないだろう」と思ってましたが、側面から裏側的なところを見てると「意外と簡単な動きも多い?」と感じました。
ただそれを真正面から見ると芸術的なパフォーマンスになる。ずっと真正面から撮ってたスクリーンはステージを見るのとぜんぜん違う。スクリーンのほうが断然面白い。ダンスのキレもスクリーンの方がいいように見える。真正面を完全に意識してるパフォーマンスなんだなぁ。


また陣形も真正面を第一に考えられてました。ステージを見るとスゴイ遠いところに一人居たりするんですがスクリーンで見ると遠近法が働いて綺麗に陣形が組まれてるんですね。こういうのがわかっただけでも横からみた収穫はあったかも。
そしてダンスのキレ自体は映像以上でした。スクリーンで見ると本当に綺麗に決まってる。


ステージよりスクリーンを見たほうが面白い、ってことで現時点ではライブより映像のほうが正直面白いかもしれない。ただ音楽は大音量のライブ会場でも全然通用するしっかりした作りというのもわかりました。『IMPERIALISM』からノンストップで『MACHINE CIVILIZATION』が始まった時は鳥肌が立ちそうになりました。
ダンス、歌、そしてコンセプトから日本人の特有の美しさを感じる。そんなとこが好きだし誇りに思います。


見れてよかった。
そして本格的な夏フェスでも見てみたいな、と思いました。絶対盛り上がる。

石井竜也

米米クラブカールスモーキー石井名義の方が有名でしょうか?


一曲目は聖飢魔IIみたいな音楽。ステージ上にはフリーザ様を連想させる奇妙なオブジェ(あとで実はマイクだったと判明)。ファッションもなかなかに奇抜。
「そこまでビブラートかけるか」と突っ込みたくなる癖の塊のような歌い方。声量がすごい。ただ曲がそんなに……。


と若干ダレかけてたらまさかの聞こえてきたのは『浪漫飛行』!たぶんこういうサプライズは無いだろうと思ってたので……嬉しい誤算です。名曲やなぁ。ただガキ使のせいでくーちゃんver.(野性爆弾)が頭をよぎるw


最後にサングラスを外して歌ったバラード『はなひとひら』にはがっつり心を撃たれました。
ピアノの伴奏だけで歌う綺麗なメロディ。言葉がすっと入ってくる歌。サングラスの上からではわからなかった真面目そのものの目。あぁ、これが日本中が夢中になった歌い手なんだなぁ、と本物の凄さを目の当たりにしました。『浪漫飛行』以上ににヤラれました。


あと石井さんはアートエリアでもKAODAMAというオブジェを飾っていました。すごい迫力で完全にロックされた。アート展示で一番気に入りました。ネット画像で良さ気な写真探したけどあの迫力を閉じ込められてるのはないなぁ。意外に大きいんですよ。球自体が人間の半分くらいある。もし機会があるならぜひ見てほしいです。


脳天気に歌うカールスモーキー石井のキャラクターからは想像もつかないアーティストとしても素晴らしい才能。石井竜也、舐めてました。



↑とてもいい曲です。ぜひ聴いてみてください。


イベント全体の運営はあまり褒められたものではありませんでした。不便に感じる時が何度かあったし、会場にいたたまれない空気が流れてた。アートも自分にはよくわからなかった部分が多いです。
でも面白い試みなんじゃないですかね。反省を生かして2014、15と続けば面白いフェスになるのかも。


今になって見るとは思わなかったDo As Infinity、一度見てみたかったWORLD ORDER*3、ホンモノを見せつけられた石井達也。なかなか満足して帰路につきました。

*1:前列のAブロックはとりあえず後ろまで人が入ってた様子

*2:コールのかけ方がホール仕様。しかしレスポンスもほとんどなく……

*3:MCで「ファンじゃないけど一度は見てみたいといわれるようになりました」と発言して笑いをとってました