soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/07/23 KING BROTHERS @ BIGCAT


シンノスケとタイチが脱退することになり、今の4人でのラストライブ。このメンバーで7年もやってたんですね。
4人とロックンロールを見届けようとしたファンでBIGCATがほぼ埋まってました。


開始15分くらい前にアナウンス。「ダイブは危険なので控えてください」ステージの上の人が確実にダイブしてくるけどな〜。
3分前に二度目のアナウンス。またか……と思ったら「本公演ではロックンロールが空から降ってきます。ロックンローラーの力で支えてください。『怪我をしない』『怪我をさせない』『ものを壊さない』のロックンロール3つの掟を守って、本日は無礼講でお願いします……GOOD LUCK!」
まさかのアナウンス内容にアホみたいにテンション上がったのは言うまでもないです。


満を持して4人が登場。リーダーとマーヤは定位置(スピーカーの上)へ。最後になるシンノスケのエビ反りをこの目にしかと焼き付けようと凝視してました。
前半は『ビッグボス』『XXXXX』『Kill your idol』『GET AWAY』『SPACESHIP』と荒々しい曲を連発。西宮の狂犬の呼び名を体言するロックンロールなステージングにブチ上がりました。


勢いにノッたまま『マッハクラブ』。タイチのシャウト部分では「タイチー!」と叫ぶ声が色んなところから聴こえました。
そしてマーヤの人乗りタイム。なんと担がれたままフロア後ろのドアを出て行って別のドアから戻ってくるという常識をぶっ飛ばすことが起こりました。その光景を見て大爆笑してました。出て入ってコードがめちゃくちゃになってるはずなのにマイクが戻ってくるのもすごい。長年付き添ってきたスタッフあっぱれ。
マーヤがステージ付近に戻ってくると今度は人の上を高速ローリング。まさしく高速、物凄いスピードでマーヤが移動してるのにまた爆笑。人の上をあんなに速く移動するのを初めて見ました。そして溜めに溜めてピーク部分で「ロックンロールは完璧だーー!!」のシャウト。かっこいい……。




中盤はスピードを落としてグルーヴを重視にした曲で固めてる。リーダー風に言うなら「ダンスの時間ですよ!」
一曲で音がタイチのビートだけになって、ステージではシンノスケがベースを上下に大きく動かしながら左右にクネクネするダンス。言ってしまえばサザエさんのタマダンスの進化版です。長身だからダンスが映える。リーダーが「ほらほら、こんな風に踊ってくださいよ!なんも恥ずかしくねぇ!」。リズム隊二人の晴れ舞台に涙しそうになる。シンノスケベース弾いてないけどw


中盤からは遅い曲が集中してダレがあったところもあります。でも『PERFECT R&R』の「完璧なロックンロール〜♪」がマッハクラブのMCに繋がってめちゃくちゃきました。「KING BROTHERS」と「ロックンロール」という単語の結びつきは強いです。


そして終盤にKING流バラード『ロマンチスト』。青い照明に包まれて演奏する4人の姿はとても美しく力強かったです。マッハクラブのPVを現実で目の当たりにしているみたい。この瞬間が一番特別な瞬間に感じました。「退屈なのはオマエが 退屈だからなのさ」ってフレーズが突き刺さりました。ライブの楽しめるかもコレだよな。


本編最後は『キングビート』。マーヤの突き刺すようなシャウト→楽器鳴らす×4ぐらいをやって派手に終了。




アンコールはフロアライブ。BIGCATレベルのキャパで人が集まるとほとんど見えませんでした。マーヤは疲れ切ってるようでダラーっと力を抜いた状態で人の上を流れていた(流されていた)ように見えました。ギターもほとんど弾いてない。*1
「最後はどんな顔で人の上に乗るのだろう。笑顔?凶暴?」と色々考えていたけど寝起きの野獣のようにナニかを睨みつけダラーっとしていたのは予想外でした。


ホントに最後の曲で『ルル』。「今日はいつもと違うことをやろうとしたけど………けっきょくいつもどおりになっちまった!」とマーヤが笑いながらシャウト。ホントその通りでした。特別なことはやってない。いつも以上にいつもどおりだった。けどKING BROTHERSはいつでも最高のロックンロールでした。
リーダー、マーヤ以外にシンノスケとタイチもシャウトしてた。演奏してる姿は見えないし、音もいつも以上にぐちゃぐちゃしてたけど「もう終わるんだなぁ」っていう不思議な空気と爆発力がありました。



演奏が終わるとリーダーとタイチはとびっきりの笑顔。シンノスケとマーヤは力を出しきって疲労困憊してる表情。タイチ、シンノスケ、リーダーが抱き合って、マーヤは限界状態で袖へ。
タイチがずっと良い笑顔をしてました。最高の笑顔でいつまでも客席に手を振ってた。たぶん涙も出てた。この光景はすごく印象に残ってます。





4人のラストライブはマーヤのMC通り「いつもどおりでした」。”特別なことが起こる”という点では他のライブの方が強かったのかもしれない。でもこれもひとつの終わりのあり方だよな、と。
『ロマンチスト』だけは特別な何かが宿ってた。「退屈なのはオマエが 退屈なだけ」って言葉を忘れないようにしたいと思います。このメッセージを人生初のフジロックの前に聴けてよかった。


新しいKING BROTHERSが見れるのを楽しみにしてます。
シンノスケ、タイチ、お疲れ様!


*1:体力限界ギリギリのマーヤが立ち上がろうとした最高の場面でマーヤに飛びかかって引きずり降ろそうとした人がいたのは本当に残念だった。最悪の行為。