soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

FUJI ROCk FESTIVAL '13 1日目(KEMURI、GENTLEMANS PISTOLS、GAKU MC、EDDIE ROBERT'S WEST COAST SOUNDS、OF MONSTERS AND MEN、GARY CLARK JR.、FLYING LOTUS、NINE INCH NAILS、SKRILLEX、DEATH GRIPS、DJ SHADOW)

はじめてのフジロック!しかもソロ参加!!
経験者の友達と行くのも考えたんですが会うのは会場で。あえて一人で初参加してみました。


色んな人から「フジロックはサバイバル」と脅され(?)ていたので装備は入念に準備しました。毎日のようにキャンプ用品店に足を運びました。買った装備の総額は20万近く!持っていったモノにもいっぱい書きたいことがあるけど……きりがないので別の機会に。*1


待ちに待った当日。
重い荷物を持って家を出る → タクシーで新大阪 → 新幹線で東京へ。新幹線ではスペースのある一番後ろの席を確保してバッグを置いてました。この時から非日常なことだらけ。たのし〜♪
東京駅に着いたら乗り換えて新潟へ向かいます。二階建てだ!途中、切り離しするので車両によって行き先が異なる難易度高し……。意外とフジロックな服装/装備の人が見当たらないから正解の電車に乗れてるのだろうか……?そんな不安も楽しんでました。


無事、問題なく目的地である湯沢越後に到着!有名なフジロックの赤い垂れ幕がある駅ですね。
バス待ち。20〜30分くらい待ったかな?バスはどんどん山を登って……見えてきました苗場プリンスホテル!フジロッカーのブログレポやFujirock.orgで見たことのある風景がどんどん目に入ってくる!


まずはリスバン交換。交換所に虫がいっぱいで「山だー」って気分がアップ。ドキドキ〜。
リスバンとタイムテーブルをもらいます。このタイムテーブルがうまく出来てて外面の紙は破れにくい厚紙。考えられてるな……。


キョロキョロしながらテントエリアへ。イメージでは山(=会場)のいたる所にテントがあると思ってたけど一箇所に固まってるのね。
一人用テントぐらいのスペースならそこそこ場所が空いてる。テントエリア入り口から5分ぐらいの悪くない場所に設営。まぁ、5分ってのは元気の良い到着時だから言える話で……後半は坂道がキツかったなぁ。



虫よけと日よけをスプレーして、ウェストバッグに雨具を装備して……いざ、フジロック会場へ!


【26日(金)】

KEMURI (GREEN STAGE)

記念すべきMYフジロックの一発目はメインステージ・GREEN STAGEでのKEMURI。大阪で再結成ライブは見ているから「やっと見れる!!」感は希薄ではあります。


初っ端から『Rule』『New Generation』『Knockin' on the door』と昔の曲で盛り上がる。すっかりおじさんバンドと言っていい年齢だけどふみおさんは踊りまくり、サックスのコバケンもジャンプしまくり。元気だー!


中盤は新譜から数曲を披露して、後半は『Prayer』『ohicho』『葉月の海』と必殺曲を連発。更に『P.M.A.』『Along the longest way』と畳み掛ける。解散→復活を経てのフジで聴く『Along the longest way』はクルものがありました。


トドメはイントロのチャカチャカギターがカッコよすぎる『Ato-ichinen』で締め。とても良いスタートだったのではないでしょうか。


自分がそんなに前に行かなかったってのもあるだろうけど、意外とフジロッカーのみなさんは大人しく見てるのね。スカダンスしてる人もそんなにいなかった。


GENTLEMANS PISTOLS (FIELD OF HEAVEN)

過去にSAKEROCKROVOが演奏してるライブ映像を見て「素敵なステージだろうなぁ」と思ってたFIELD OF HEAVEN。森に囲まれてる安心感と空が開けている開放感が同時に味わえる、やはり素晴らしいシチューションでした。

GENTLEMANS PISTOLSはどストレートなロックンロール。ベーシストのアクションのキレがよくて見た目に面白かった。キャラが濃そうな4人に自然と引きつけられる。フラッと立ち寄ったけど最後まで見ちゃった。


歩いてたら良い音楽に出会う。そんな瞬間が最高に嬉しいし楽しい。ちょっとフジの楽しみ方がわかったかも。



次は木道が続くボードウォークを歩いて自然を楽しみながら途中にある木道亭へ。


GAKU MC (木道亭)

「あぁ、大阪から長い時間かけてフジにきてよかった」と心から思った一番最初の時がGAKU MCの森の中のライブでした。


GAKU MCは昔から好きでした。WORD MUSIC 1&2は日本のヒップホップ史に残る名盤だと思う。
でもギターを持ってアコースティックな作風になってからはしっくりきてなかった。あまり熱心に追うことはありませんでした。

この日はベース、ドラム、ギターボーカル(=GAKU MC)のミニバンド形式。
びっくりするぐらいすんなりと詩が入ってくる。ラッパーとしての言葉選びのすごさだろうな。アコースティックなサウンドも悪くないじゃないか。
そしてGAKU MCの人柄がそのままでたような優しいリリックを受けて客がすごく穏やかな表情で見てる。音楽を中心に心から幸せそうな気持ちが木道亭に広がってる。「あぁ、これがフジロックか」と思わず涙しそうになりました。


『夢の叶え方』の歌詞は心を打つし、『Women No Cry』のカバーで歓声があがって合唱が起こるのもフジロックらしい。


EAST & YURIの「DA・YO・NE」からソロ作の曲まで彼の歩んできたフレーズを張り巡らした『もしもラッパーじゃなかったなら』は色々と思い出して涙しそうになった。『All you need is Rap』で皆で手を振って終了。ほんと良い瞬間だった。
大量に客がいる苗場会場。その森のど真ん中、100人いるかいないかの少人数でキセキみたいなライブが行われてる。フジロック、すごいフェスです。
GAKU MCは見るかどうか直前まで悩んでたけど見て本当によかった。



EDDIE ROBERT'S WEST COAST SOUNDS (FIELD OF HEAVEN)

ウロウロしてるとFIELD OF HEAVENから良い音楽が。ニューオリンズなジャズ。かなりアッパーな演奏。
うわー、この手のサウンドを聴きながら揺れるのがめっちゃきもちいい!フジはがっつくより出会った音楽で揺れるのが最高っすな。
これ以降の三日間、ロックなライブよりこういった音楽を求めるようになりました。


最高にクールなキーボードとギター。飛び出てくるフレーズがいちいちカッコイイ!
次はWHITE STAGEで大本命が待ってる……と思いながらもなかなか離れられない。「よし行くぞ」とステージを離れたら『Somebody That I Used To Know / Gotye』が流れてきて思わず坂道を引き返して聴きに帰りました。こりゃ反則っすよ。



OF MONSTERS AND MEN (WHITE STAGE)

初日、いやフジロックの目当てのひとつ。
シガー・ロスと同じくアイスランドのバンド。シガー・ロスが天上の神の音楽だとすれば、この人達は神を支える地上の人々の音楽。神聖だけど人間味がある。


ライブを見てもやはり勇敢な森の勇者って感じでスピリチュアルなモノを感じる。フジというシチュエーションも手伝って我々もその一因になれたような気分になれました。
逆にそういう部分が強すぎてエンターテイメント的な面白さは欠けていたかもしれない。

女性のボーカルはこの手のバンドにしては濃すぎなくて美人!
途中で雨。雨でボーカルさんの服が透けてる?……雨ナイス!
雨の中に響く勇敢な旋律はあつくなるものがありました。映画のワンシーンみたい。


集客のわりに踊ってる人らは少なくて……フジってそんなとこありますね。自分の場所取りのせい?
『Little TALK』はさすがに盛り上がった。みんなで「HEY!」。でもライブならではのマジックは起こってなかったかも。うーむ。


GARY CLARK JR.

メディアで名前を見かけはじめてた時から気になってたブルース・ギタリスト。
長身細身の黒人がギターを弾きまくるのは様になります。
アルバムを聴いたかぎりではメロウな歌モノも多くポップなアーティストかと思ってたけど、ライブでは10分くらいひたすらギターを弾きまくったりもするインプロなステージでFIELD OF HEAVENにぴったりのアーティストでした。
紫と青の照明も手伝って大人の渋みがあふれる一時になってた


自分はFIELD OF HEAVENの名物らしい石焼ピザを食べながら観てました。かっこええわー。ってかピザうめー。


FLYING LOTUS (WHITE STAGE)

NINの前にちょこっとだけ。10分くらい。


今のFLYING LOTUSといえば多層式3DVJ。
Electraglide大阪で見てるのでファースト・インパクトは過ぎてるわけですが……野外で見るとまた死ぬほどかっこええなぁ!
映像が始まった瞬間に周りから「うおおお、かっこええ!」と少年が変身ヒーローを見る時みたいな興奮の声が挙がってました。そんだけの衝撃とかっこ良さがある。自分も震えました。


音も良かったし良いライブが繰り広げられたんではないでしょうか?
ただ自分は大・大・大本命のNINへ……。


昼は晴れて快適なフジロック初日でしたが、このあたりから雨がどんどん強くなって終いには雷まで鳴り始めて「さすが雷雨を呼ぶ男、トレント・レズナーwww」と爆笑してました*2

NINE INCH NAILS (GREEN STAGE)

twitterのアイコンをNINのロゴにしてるくらい大好きなバンド。その活動復活の第一弾がなんとこのフジロック!この歴史的瞬間が見たいがためにはるばる大阪から苗場まできたようなもんです。


そこそこ前の方まで進行。
外国人がうるさい。フジの外国人客はあまり好きじゃないなぁ。ズケズケ前の方に来る割にはあんまり音楽聞かずに騒いでる。ある種ナチュラルなのではあるのだろうけど……。


まもなくライブスタート!……という時間になってもステージはマイクが一本立ってるだけ。頭上では雷鳴がなりまくって異様な雰囲気に。
ステージ中央にキーボードを持ったムキムキなスタッフがやってきた……と思ったらトレントやんwマッチョすぎるだろww


テクノな新曲で幕開け。曲が進むにキーボードと共にメンバーがひとり、電子パーカッションと共にメンバーがひとり……と少しづつNine Inch Nailsの面々が揃っていく。もうこの演出の時点で興奮しまくり!
そして5人が揃って曲も盛り上がりのピークに達したところで後ろにでかいスクリーンが5つ出現してシルエットが映し出される!かっこ良すぎるだろう!「ぎゃーーーーーー」ってな叫び声がでました。


最初3曲は新曲で全メンバーが楽器をとっかえひっかえして演奏していく。トレントのボーカルも迫力十分。だてにマッチョなだけはあります。
一番印象に残ってるのが移動型のスクリーン。縦長のスクリーンを数名のスタッフが人力で動かしていました。機械じゃなくて人力ってのが「システマティック」と「人間」という変な組み合わせとなって最高にカッコ良かった。スチームパンクとか鉄男の世界観ですなぁ。


4曲目にThe Slipの「1,000,000」がやってきて残りはオールタイム・ベストと言える最高のセトリ。Downward SpiralとYear Zeroからが多かったかな。「March on the pigs」での大暴走、「Wish」のフィストファック、「The Hand that feeds」のリズム感……最高です!
音の重みと迫力が他のバンドと桁違いでした。遅い曲での迫力は恐ろしいものがある。「Reptile」とか巨大要塞が迫ってくるみたいだった。音の塊を上から振り下ろされるみたいなインパクト。
ライブで聴いてみるとYear Zeroの曲が結構好きだったり。とっかかりにくいけど身体の芯で感じやすいグルーヴを持った曲が多いんですよね。


スクリーンはいくども投影方法を変えて楽しませてくれる。あえて骨組みを見せたり、カメラで撮った映像をリアルタイムで映したり、レシオメーターみたいになったり……OnlyではPVと同じ白黒ワールドが展開されたのもよかった。


ライブ中も雷は鳴り続けてました。「ピカピカ〜!」と光って「あれ?いま昼間?」と思うことが何度も。爆音と一緒に聞こえてくる雷鳴。異常な緊張感。最悪の天候が最高のショウを演出してる。最高のシチュエーションでした。


そしてラストの「Hurts」で泣きそうになる。


文句なしのライブでした。これぞ大物!これぞトリ!!
活動休止前、サマソニ大阪で見たときは正直なところイマイチでした。でも今年のフジのライブの完成度はものすごかった。やっぱNINは最高だ。人生で一番好きなバンドです。


NINのライブが終わったら当然のように雨は止みました。トレント……。



SKRILLEX (WHITE STAGE)

NINで燃え尽きてWHITE STAGEに着いたのはほぼ終わりかけの時間。こっちもすごい人。


ステージにはデビルガンダムみたいな巨大セット。派手だー。知能指数低そう!(褒め言葉)
ちょうど大有名チューン「Scary Monsters and Nice Sprites」がかかったところ。ブロステな暴れパートが終わると同曲のメロディがバラード調で奏でられ、日本国旗とアメリカ国旗を持った人がステージを走り回る、というよくわからないけど感動する演出で終了。
たぶんこっちもすごかったんだろうなぁ、と思わせる迫力のある音でした。
あと声がかわいすぎたw



初日のライブはおおかた終了。ここからはオールナイトの時間です。
その前にオアシスで腹ごしらえ。でっかい鍋で焼いてたパエリアを食べてみました。うまい!フジの飯はうまいと聴いてたけど本当です。おかげで他のフェスの飯をまともに食べられなくなったw

DEATH GRIPS (RED MAQUEE)

Hellaのザックヒルのハードコア・ヒップホップ・ユニット。


暗い照明、砂嵐のスクリーン。ほぼメンバーのシルエットしか認識できない状態。
そんな環境で放たれる禍々しい音に完全に狂わされました。踊るというより力任せに体を振り回すように音に侵されてました。
ステージを見てもどうせしっかりと見えない。狂いすぎててわけがわからない。でも掛け声は妙にポップだったり……やばいユニットです。
狂気的なドラム。そして殺気すら感じるラップ。なんだこの危ない空気は!?
ぶっちゃけ記憶は定かじゃないんですがそれはDEATH GRIPSの瘴気に完全に侵されてたからです。


DJ SHADOW (RED MAQUEE)

”未来的すぎる”とDJを強制終了させられたニュースが話題になったDJ SHADOW

ヒップホップ、トラップ、エクスペリメンタル〜さらにビートルズみたいなロックまで色々なジャンルを一緒くたに回す恐ろしさ。さらにどの曲も挙げたようなジャンルを連想させるけど微妙に違う。聞いたことがない。
急にMPCをスティックで叩きだしたりとライブ要素で魅せる部分もありました。
前半は「わけがわからないことやってんなー」ぐらいの気持ちで見てたけど、それがどんどんハマっていって気づいたら踊りまくってた。この日で一番持って行かれたかも。


「何をやっているかわからないと思うけど、クールなトラックをミックスして流してるだけ」と自己弁護をするかのように何度も言っていました。その言葉どおりのDJ。それが成功してるんだからすごい。
サンプリング・ヒップホップを期待してた人は肩透かしをくらったと思うけど、未来的なDJを期待してた自分には最高でした。



DJ Shadowが終わったらテントへ。時間はすでに3時。テントでゴソゴソしてたら4時。二日目は10時には起きたいから5〜6時間ぐらいしか寝れない。やばいなこれ、三日間持つか〜?


とりあえず一日目終了。
夕方まで晴れたおかげで会場の探索もしやすかったです。夜はフジ名物の雨も体験できました。雨ってか雷雨でしたが。


とりあえず初日を過ぎて思ったのが、店によって酒の種類が違うってのが新鮮ってこと。サマソニとか他のフェスだとだいたい統一されてるもんな。自分の好きな酒を売ってる店は三日目くらいにようやく発見するのでした。
あと本当に飯がうまい!ピザもパエリアも絶品でした。ただフライドポテトとか軽くつまむもんがあまりないなぁ、とも思いました。
あと、めっちゃ外国人が多い。日本人は外国人のノリに押されちゃってる。あの人ら平気で割り込んで、しかもあまりライブ見ずに騒いでるもんなぁ。ちょっと苦手かも〜。


装備は金出しただけあってフジの環境に十分対応できてる。快適に過ごせてます。
では二日目へ〜。

*1:書けるといいなw

*2:NIN活動休止前の日本ラストライブにあたるサマソニ東京では雷雨のなかで壮絶なライブをして伝説となっている