soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

FUJI ROCk FESTIVAL '13 2日目(前野健太とソープランダーズ、DOBERMAN、トクマルシューゴ、SKINNY LISTER、KARL HYDE、HURTS、BJORK、JURASSIC 5、森は生きている、溺れたエビの検死報告書)


起きた〜。テントの外に出ると……晴れてる!やったー。


一日ぐらい我慢するつもりだったけど、やっぱりお風呂入りたい!
ってことで本日から参加するためやってくる人たちと逆方向に歩いてって近くの日帰り温泉へ。フジロックはちょっと歩くと普通に街が広がってるんですね。俗世から切り離された山の奥……みたいなイメージあったから意外。
疲れてる身体で徒歩20分くらいで到着。そんなに混んでない。洗い場も一人二人待てば使える。疲れた身体に温泉が気持ちええわ〜。


リフレッシュから戻ったら二日目の準備。


初日はとにかく何もわからず手探りでした。
フジロックの過ごし方が少しわかった二日目は折りたたみイスを持ち歩いてのライブ参加に挑戦!

前野健太とソープランダーズ (FIELD OF HEAVEN)

フジロックでやってみたいほんと小さな小さな夢として「イスにゆったり座りながら歌ものを聴く」ってのがありました。その際の曲として最有力候補前野健太の「東京の空」でした。はたして?


前野健太みたいな崩した歌い方は苦手なタイプのはず。でもこの人の歌は染み渡ってくる。FIELD OF HEAVENという場所だとなおさら。
前野健太は軽いギャグを挟んだり、ギターを置いて踊りだしたり、なにかと上機嫌な様子。バックバンドのジム・オルークが後ろのほうでボソボソつぶやいたりもしてる。


朝ごはんに酢豚丼を食べながらゆったりと聴く前野健太。幸せです。


そしてやってきた「東京の空」。
ここは東京ではなく新潟だけど頭上には青い空が広がっていて……「東京の空は 今日もただ青かった」。素敵すぎる空間に目尻が熱くなりました。


PVで聴く限りではパッとしなかった「国家コーラン節」もフジで聴くとシンガロングしやすい良曲に。ここでも泣きそうになった。
最後に、石橋英子に「ファック・ミー」と歌わせて終了。


すごく心地よい気持ちで終了。
お天道さまもよく晴れてくれた。


DOBERMAN (ORANGE COURT)

そのままFOHでトクマルシューゴを待つつもりだったけど、遠くから「朱い太陽」が聴こえてきてフラフラとOrange Courtへ吸い寄せられて行きました……


大阪でも見れるし今回はスルーのつもりだったんですが……曇りのなか、日本の力強さや昭和男児の屈強さを思わせる堂々とした佇まいにしびれました。正直ヤバいほどかっこいい。ここまでスゴいバンドだったか?


決して多くはないお客さんが泥となった地面も気にせず、全力でスカダンスをしてる。
その光景は素晴らしいものでした。誇りや!大阪の誇りや!


中盤に3.11を受けてのバラード。祠の中で歌う勇敢な戦士に見えた。この日の さんはカリスマっぷりが半端無かったな。
最後は……なんとこの日2回目になる「朱い太陽」!


FOHのトクマルシューゴが気になるけど、離れられないって人がいっぱいいた様子。すなわち組んでたスケジュールを変えざるえないほどDOBERMANというバンドに引きつけられているひとが大勢。自分もその一人でした。
堂々とした佇まいは本当にかっこよかったもん。もう一度言いますが日本人の誇りです。


終わったらトクマルシューゴにダッシュする人いっぱい。自分もその一人でした。


トクマルシューゴ (FIELD OF HEAVEN)

DOBERMANのライブも壮絶だったけどこちらも心地よい。


「Green Rain」など昔の代表曲はもちろん素晴らしいし、新譜の曲もライブで魅力が落ちることはない。特に「Decorate」は最高です。
色々なモノを楽器にしてしまうのに注目が行くことが多いけど、個人的にこの人のライブで好きなのはトクマルシューゴのギターテクニック。めっちゃうまいっす。


前半はなんとか雨が持ってたけど、後半から強めの雨が降ってきました。するとバンドの演奏もハードになる。「Parashute」の速弾きなんか鬼気迫る、と表現できるような演奏でした。最後に大爆発する「Helictite (LeSeMoDe)」で雨は豪雨へ。FIELD OF HEAVENは踊らにゃ損損のお祭り騒ぎへ。
野外ライブの最大の敵のはずの雨さえもステージを演出する一要素になってしまう。これがフジロック・マジックなのか。


演奏が勢いに乗ったまま早口で「雨なんて大丈夫!……なんたってこっちには屋根があるからね!」なんて珍発言も飛び出て「あ、やっぱりこの人おかしいよな」と。



二日目あたまの邦楽3組はホント素晴らしかったです。
特に天候が最高の演出を見せていた。前野健太の晴れ、DOBERMANの曇り、トクマルシューゴの雨。
各バンドのステージにフィットする空模様が狙ったようにやってくるのは奇跡でした。これがフジロック

SKINNY LISTER (FIELD OF HEAVEN)

開催前からなにかと「今年の裏ベストアクト!」とか言われてたバンド。アイリッシュパブの酔っぱらいの音楽とでも言いましょうか。酒飲みの音楽。


女の人がいきなり巨大な焼き物瓶を持ってきてグビり。あかん、こいつら根っからの豪酒だ。


トラディショナル・ソングとオリジナル曲をプレイ。ドラム無し、エレキギター無しなのでロック的なダイナミズムはないんだけども歌いながら「Yeahhhhhh!!」とか叫び始めるハイテンションっぷり。ベースの人なんかウッドベース抱えたまま客席にダイブしてましたからね。
そして、ステージ上ではどんどん消費されていくビール。全員飲みまくってる。


楽しい!……んだけど「ホラ、これ楽しめないとかセンス悪いだろ」的なとろこも若干感じてノリきれなかったところもあります。似たような曲で単調でもあるし。


うーん、個人的には裏ベストアクト……とは程遠かったかな。思ったほど、でした。



ここらで体力がごっそり無くなっていくのがわかりました。疲れ方が普通と違う。おそらく雨に打たれて身体が冷えたのが原因だと思います。体温無くなったらこんなに体力奪われるもんなんだ。新たな経験/発見でした。
テントに戻ってレインコートの下に長袖来たらだいぶマシ。装備は大切です。「寒さには強いから*1」と長袖持って行ってなかったら危なかった。

KARL HYDE

すでに単独で見てて、しかもそこまで好きでもなかったんですがフジの野外なら……?と期待したもののやはり響くものはあまりなく。「8 ball」聴きたかったけどその前にHurtsへ。


HURTS

サマソニで2曲だけ。単独も仕事で遅れて2曲だけ……と縁がなかったHURTS。1stはよく聴ききました。それから興味も薄れてきて2ndはフジ直前に予習としてちょこっとだけ聴いたぐらい。ただこの2ndがなかなかカッコイイ出来で「やっぱ見とこうかな」とRED MARQUIEへ。


で、ライブが始まると……あれ?めちゃくちゃ良いじゃん!
アクションがビシっと決まるかっこ良さは相変わらず。そして何よりインダストリアルやロックな要素がプラスされたことで、今までの上品な面だけでなくアグレッシブな面も出てヤバいほどかっこいい。


セオの優等生がニヤっとする系の笑顔はギャップの破壊力がハンパない。蔵馬が悪いこと考えてニヤッとするみたいな感じ。
「sandman」ではヒップホップなノリを促したりと煽り方もうまくなってる。一皮どころか二皮ぐらい向けてるな、と


一番驚いたのがセオのマイクスタンド破壊パフォーマンス。膝蹴りでバキバキとスタンドを折っていくのは優等生がブチ切れる怖さと快感がありました。*2

アダムも曲によってはキーボードだけでなくギターを持ってロック色を強めたりしてました。特に旧曲は大きくロック寄りにアレンジをしたりでステージを通しての統一感/完成度はかなりのもの。


元々あった凛とした貴族的な力強さにインダストリアルなパワーが合わさって素晴らしいサウンドとパフォーマンス。
三日間の中でもBEST3に入るかっこ良さでした。音も動きもすべてが決まってた!


Bjork (GREEN STAGE)

今回のラインナップの中では知名度、大物感ともトップでしょうか。
それを証明するかのようにGREEN STAGEに集まったものすごい人。三日間で一番人が集まったでしょう。


私が駆けつけたころにはすでに前の方は人でいっぱい。後ろのほうでみることになったわけですが、ステージ脇のスクリーンはVJ映像を写していたのでBjorkの表情はもとよりどんな服を着ているのかさえもわかりませんでした。でもワラワラと揺れるように踊りなら歌う14人の女性コーラス隊・グラデュアレノビリ(ワラワラ具合がもやしもんみたいでした)を引き連れてステージ上を動き回るBjorkは演劇を見ているようで面白い。


曲が終わったあとに必ず言う「アリガトー」の発音が特徴的で耳に残りました。周りもネタにしてた。ささやき版「アリガトー」も出たりで大盛り上がり(盛り上がるところ間違ってます)。


最近のBjorkのアルバムはそんなに好きじゃなく、大きな期待はしてなかったんですが「Moon」の美しいイントロや「Crystalline」のDNAをイメージした映像は印象的でした。「Joga」や「Army of me」が始まった時の歓声はやはりものすごく、自分もブワッと鳥肌が立つのが感じました。


ライブのクライマックスにやってきた「HYPER BALLAD」は後半でブリブリなハードテクノになる最近のアレンジ。盛り上がる部分で「来るぞ、来るぞ」と身構えていたのにやってきた音はそれ以上の音圧。あの広いGREEN STAGE全体に電撃が走り一気にレイブ会場化。想像以上でした。あの光景/体験はすごかった。


Pluto」の声量は思ったより感動なかったかなー。


不思議な世界観。前日トリのNINとは真反対。どっちも楽しめました。
「HYPER BALLAD」のリミット超えっぷりは3日間で一番でした。


JURASSIC 5 (WHITE STAGE)

こちらもレジェンド。


DJ二人のすごすぎるターンテーブル・テクニック。
そしてトラックを見事に乗りこなす4人のMC。ラップの応酬にユニゾン。決まりすぎ!ヒップホップのライブでここまで盛り上がるかってぐらいの楽しいムード満載でした。
「Tokyo----!!!」と叫んだら別メンバーが「ノーノー!違うだろここはフジロックだ!」と訂正してたのが面白かった。


Cut-ChemistとNu-markのDJソロタイムでは、巨大ターンテーブルにトラブル発生で無し!という結果に。残念極まりないけどあのデカいターンテーブルで本当に演奏してるのがわかりました(笑


若干トラックが聴きとりにくかったのは残念ではある。次々とやってくるクラシック達。会場の興奮が一番感じられたアクトですね。前から後ろまでプチャヘンザっ!してたんじゃないでしょうか。



Hurts → Bjork → Jurassic 5と興奮するアクトが続いてこの時の「祭りだー」って高揚感は半端無かったです。



本編が終わったら会場外でやってるRookie a go goへ。その名の通りルーキーしか出ないステージだけど人いっぱい!



森は生きている (Rookie a go go)

「カフェで流れてそうなまったりとした音楽だなぁ」「ボーカルが若いのか歳取ってるのかわからん髭面だなぁ」とか思って見てたらなんかキーボードのノリがだんだん激しくなってきて終いには叩きつけるように暴れながら演奏してる。「なんだこりゃ?」とポカーンとしてると次第にギター、ベース……と全員大暴れし始めました。ギターに至っては歯ギターまで炸裂するヤンチャっぷり。さらに「なんじゃこりゃ?」とあっけにとられました。


続く曲でもキーボードが暴走。かなり長めのエモーショナルなキーボードソロをかましてました。なるほど面白いバンドだ。


溺れたエビの検死報告書 (Rookie a go go)

最近よく見てる溺れたエビ。
いつもとだいたい同じ内容。気合い入りすぎて演奏がぶれてるところもあったかも。面白いルックスと楽曲の質の高さに客は完全にエビの虜になってました。僕の隣にいた外国人は「イーヒッヒッヒ!!」と大爆笑してました。


かっぱえびせんダンス……と大舞台でもしっかりすべてやってて楽しませていただきました〜。





2日目も終了!


夜は苗場温泉に入ってみました。時間が4時近くってのもあったかもだけど15分くらい並んだら入れました
話に聞いてたような泥水〜みたいな感じでもなかったなぁ。入らないより全然マシ。


さぁ、レポを書く方もだいぶ力尽きてきてますが次は3日目!

*1:TAICO CLUBの夜も半袖で過ごしたような人間です

*2:ちなみにスタンド破壊した後にすぐもう一つのスタンドが出てきました。壊れやすいスタンドを使ってた?