soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/12/06 Akron/Family (OA : Moan) @ CONPASS

2011年のファンダンゴでフロア全体がカーニバルになった最高のライブを見せてくれたAkron/Familyが再来日。ニューアルバム微妙だったけど……ライブで化けるかもしれない行く!


ワクワクしてCONPASSに到着すると……あれ、めっちゃ人少ない?スタート10分前で30人程度しかいませんでした。

Moan

DMBQ、Boachestraでギターを弾く増子さんとwater faiのベース・makikoさんのユニット。


濃厚なギターを浴びせてくるBoachestra系統のサウンド。ギターの本数が減ってることからもっと音を絞ってストイックにした感じです。また増子さんのクリーンボイスとシャウトも入ってきます。
即興かな?と思ったけど物販で買ったCDを聴くかぎり曲はあるみたい。


聴いててゾクッとくるmy轟音スイッチが入る瞬間が2度ほどありました。増子さんのシャウトもかっけーな〜。
二人が向き合って座って、デッカイアンプを真ん中に。アンプの上には二人分の機材を置いてある、って形態も面白かったです。


20分ほどのコンパクトなライブ時間で終了。
大音量に包み込まれるような音作りはすんごい好き。ただずっと漂うような感じでヤマバがわからず展開的にはちょっと退屈かな、と思うところもありました。
でも家でCDで聴いてるとめっちゃ気持ちよくなってきます。もう一回見てみたいな。



AKRON / FAMILY

客数は少し増えたけど50人程度でソールドアウトには程遠い。FANDANGOの時はパンパンに入ってたと思うんだけど……なんだろうこの落差は?


メンバーが1人増えてる!と思ったらどうやらサポートメンバーだったようです。でもメンバーと言ってもいいくらいルックスも演奏も馴染んでた。ちなみにルックスは黒縁メガネ、チリチリ毛、中年腹。
3年前は好青年だったドラムもヒゲを生やしてて野性味あふれるヒッピー集団なってましたw


そのルックスに負けじとパワフルな演奏。振り落とされるベースの動きがそのまま音に表れてます。と同時に細かい音も出してる器用な人たち。ギターが使ってるのは山本精一さんと似た(物理的な)壊れ方をした黒のテレキャス。音も通じるものがありました。


ニューアルバムはCDだと実験的でネオフォークな側面が強かったけどライブだとめっちゃ肉体的。細かいこともやってるんだけどそれ以上にドッカンドッカンくるグルーヴがすごい。サイケデリックな色をした富士山、ゴリラ……そんな単語が浮かびます。


全員が歌ってたFandangoとは違い、ベースがメインでボーカルになってました。カラダ全部をぶつけるようにフロアタムを叩くサポートメンバーもバンドに対してめっちゃ効果的に働いてました。サポートメンバーの見事な成功例。


ライブのパフォーマンスは、奇天烈なハチャメチャ感、お祭り騒ぎ感は後退してました。演奏に集中したシリアスな方向へと向かってる。とはいえ客席乱入とかが無くなっただけでぶっとんだ爆音肉体音楽なのは変わりないです。



ライブは「Sand Talk」でスタート。ドコドコなタム。CDとは桁違いの野性的なビート感でした。
Fandangoを興奮の渦に巻き込んだあの「Another Sky」がまさかの2曲目?!「ウォオオオー♪」の合唱は健在。さっそくAkron/Familyの世界に持ってかれてました。
呪術的な重いグルーヴの「Holy Boredom」。気持ち悪い荒れ狂うループも我慢できずに思いっきり暴れた=首振りました。


新作がSUN O))))プロデュースがよくわかるモロにドローンな曲「Sometimes I」。これをパワフルな曲が続くライブに違和感なく突っ込んできてるのに感動しました。「あぁ今聴こえてるドローン気持ちええ……って、あれ?これCDの曲じゃん?!ライブで再現できるのか!」と驚きました


新譜の「Until The Morning 」や前作の「Light Emerges」 「So It Goes」といったバンドの静/温かい側面が強調された曲が続きます。
そこからの前々作から 「Everyone Is Guilty」 こういうのをキラーチューンと呼ぶのでしょうか。歌が始まったときの高揚感がハンパなかったです。


また新譜の流れに戻って「Sand Time」 ”ドコドコ”なドラム。”ジャジャジャジャーーーーン!!!”とヘヴィに轟音をカマすギター。ギターの音に合わせて拳振り上げるとめっちゃ気持ちいい!Akron/Familyのライブに一番飲み込まれてた時でした。
そのまま「No-Room」 「Way Up」 「Samurai」と新譜の流れで本編は終了。



アンコールにはこれまた新譜から「When I Was Young」 爆音と祝福で混ざりまくった脳にまったりとした音が気持ちいい。これ気持ちよかったですわ。酒でトリップした時に似てる。



なんでこんなに人少ないの?ってくらいに良いライブでした。
海外バンドでありながら日本の関西シーンに非常に近い音を出してるバンドだと思う。でもゴチャゴチャした中にものすごく綺麗に色を混ぜてくるのは外国性らしいなぁと思いました。


Fandangoの時みたいなお祭り騒ぎ感だけど求めてたら物足りなさが残っただろうけど、その勝手な期待も乗り越えるくらいにバンドの演奏/楽曲が魅力的に届いてきた。満足だけが残るとても良いライブでした。