soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/12/20 PHEW × DODDODO (OA : goat) @ CONPASS


2013年のライブハウス納めです。*1
PHEWさんのソロって一度見てみたかったんですよね。


客層は年配の方が大勢。おそらくPHEWさん目当て。
ライブが始まるまではneco眠るの森さんがDJ。えらくかっこいい曲かけてたなー。

goat

Bonanzasのベース・日野さんが楽器をギターに持ち替えてやってるバンド。ドラムもBonanzasと同じ西河さんです。


ストイックを突き通したスタイル。爆発しないBonanzasといいますか。ミニマル度がアップ。”テケテケテケ”ってギターと細かすぎるドラムを延々と叩く。この集中力はすごいな……。
西河さんはBonanzasと同じ超シンプルドラムセット。バスドラをスティックで叩いたりもしてました。バスドラのキックは爆発物みたいなデカイ音でスゴイ迫力でした。


ミニマリズムが快感。細かいフレーズを繰り返し演奏してて「この人たち機械なんじゃないか」と思いながら見てました。スタイルは違えどPARAに似た苦行感もあるかも。めっちゃ良かった!


物販で”良かったです!”って日野さんに伝えたらBonanzasとgoatが出て入場料無料の日野祭なるモノのチラシを頂きました。絶対行く!




DODDODO

昨年のRotorで久しぶりに見せた凶々しいDODDODOが好きだったんですが、今回はどちらかといえば大人しいDODDODO。
寂しさを刺激するほど静の部分が前に出てるわけでもなく……でもなくネガティブに言えば中途半端、ポジティブに言えば自然体だった気がする。これが今のDODDODOなのかな?


「なりませぬ」や「夕日」はやはり良い曲。とここまでだとPHEWとの2マン相手にしては普通だな、って感じだったんですが「夕日」の後にやった新曲(?)がすごくよかったです。おセンチなメロディの静かな曲。グッと惹きこまれました。



PHEW

機材をペンライトで照らしながらセッティングするPHEWさん。歌い手としてのPHEWさんとはまた違った表情です。


乱暴にいえばアンビエント、ダウナーミュージックにPHEWさんの歌と声(ハミング)を載せていくスタイル。うーん、なんとも表現が難しいけど……典型的なアンビエントとは違います。もっと”どちゃ”っとしてる。
個人的にはグロテスクさが一切抜けたThrobbing Gristleなんて言葉が頭に浮かびました。PHEWさん独自の音楽です。


トラックだけだと”普通”ぐらいの印象で終わってしまうんだろうけど、やはり声の力がすごい。ときに穏やかに、ときに叫びながら。3曲目ぐらいの身体を前後に揺らしながらシャウトをリフレインさせる曲で私もかなり気持ちよくなりました。


途中からスペシャルゲストにMOSTなどで活動を共にしている山本久人さんが登場。音響派なギターでPHEWさんの世界を作るのを手助けしていました。
この手のサウンドでしっかり60分くらい。贅沢な使い方です。PHEWさんだからこそ許される気がする。




気持ちよくなってるうちに本編終了。
アンコールの拍手に応えてくれたんですが、ここからが面白かった。


PHEWさんが「何も決めてないからどうなっても知らないよ?」と一言。すると彼女のイメージから程遠い陽気なトラックをかけて音や歌を乗せていく。
あまりに普段のイメージとかけ離れてる音楽に久人さんは「ハ?」という困惑の表情。ステージの上に立っているひとがここまで困惑してるのは見たことがありませんでしたw
ようやく我に戻ってノイズギターを弾きはじめるやいなや、PHEWさんはぶつ切りで音を消してアンコール終了。ひょいひょーいと帰って行きました。
もちろん久人さんはポカーンとしたまま終わり。大人の女性に遊ばれる久人さんも図。久人さんの表情に大爆笑でした。PHEWさんの狙いが300%成功した感じ。


いやー、見事なアンコールだった。
PHEWさんで今年のライブ終わるのも暗すぎる気がするし……このあと一本くらいライブ入れようかな、とか思ってたんですがこんな素敵なアンコールで終われるなら文句無しです。



*1:フェスはCDJが残ってる