soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/04/22 PAK JapanTour 2014 – 大阪限定特別編 吉田達也の叩きっぱなし (PAK、RUINS ALONE、VAMPILLIA、吉田達也+中林キララ DUO) @ CONPASS


吉田達也さんが在籍する日米混合バンド・PAKのJapan Tour。大阪は特別に吉田達也の叩きっぱなしナイト!全バンドで吉田さんがドラム担当という最高な一日です。

ステージ真ん中にドカンと置かれたドラム。オーソドックスなセットなのに圧倒的な存在感。うーん、期待が高まります!

RUINS ALONE

プログレバンド・ルインズ吉田達也さん1人で再現するRUINS ALONEからスタート。


プログレなトラックに合わせて複雑なドラムを正確無比に叩いていく吉田さん。いきなり人間とは思えない化物ドラミングです。
ドラムと連動するサンプラーでも仕込んでるのかな?ってくらいトラックとドラムがきっちり合ってます。クリックも使ってない?いやー、すごい!トラックもかっこいい。


このRUIN ALONEもそうだし、そのあともバンドもこの日は大爆音なPAでした。最初はスピーカー前にいたけど耳と心臓がキケン信号出して後ろに下がったレベル。



Vampillia

良いバンドとの噂は聞いてたけどなかなか見る機会がなくて今回やっと初体験。なんじゃこりゃー。変なバンドでした。良い意味で。


入場SEがFFのプレリュードでまずズッコケるw
奇抜なカッコをしたベースの人が「彼女から電話(音源あり)がかかってくる」って内容のミニコント。「お昼作って待ってる」「もう晩だけどね」のくだりで吹きましたw


編成はギター×2*1、ベース、バイオリン、キーボード、サンプラー&コーラス、デス声担当、そしてドラム as 吉田達也
怪しい劇団みたいなルックスの人がいる。かと思いきやごく普通の格好の人もいるし。うーん、統一感無くてカオス。
曲中にギター and ボーカルが客席の後ろからノソノソと歩いてきてステージに登ったりとフリーダムです。


バイオリンとかめっちゃポップ。RPGゲームのBGMにでも使われてそう。しかしブラストビート効いてたり、巨体がデス声/ホイッスルボイスで喚いてたり、ポストロック/シューゲイザーなギターがあったり……良い意味でわけがわからんごちゃ混ぜっぷりです。女性の人もなにげにデス声/金切り声を発してた?
ポップなメロディが存在してるのに掴み所がない。そこでメンバーの濃いキャラクターで曲の心をしっかりつなぎとめてる。そんな印象です。バイオリンのメロディセンスがすごく好みでした。吉田達也さんは楽曲に沿ったドラミング。


ボーカルがフロアを横断してふらりといなくなったり、セリフが入ったり、最後はベースさんがフロアの真ん中でハイレベルなブレイクダンスして終了……とエンターテイメント性抜群。


youtubeで聴ける音源とだいぶ印象が違いました。生はもっとわけわからん。




吉田達也 & 中林キララ DUO

面白い組み合わせのデュオ。


この日のキララさんはスゴ腕ギタリストと変態のちょうど真ん中を行くキララさんでした。
アホみたいに弾きまくり叩きまくり。キララさんのストロークの速さがエグい!小難しいテクニックより力押しのようなスピードあるカッティング。そこに合わせてくる吉田さんの驚異的なドラム。そりゃすごいですよー。


吉田さんの架空言語に対応して歌う(?)キララさん。最初は一緒にわけわからんこと言ってたけどいつのまにか意味あるシュールな言葉でキララワールドに引き込んでいきました。


早口でわめく吉田さん→キララさんが「よおおおっっ!」と歌舞伎のような声を挙げるってやりとりが続いたパートが面白かったですw


3セッションほどを演奏。最初は真っ暗な照明の中で叩いたりしてました。それはそれでカッコよかったんですが、実は相手の演奏が見える明るい状態の方が良いとライティングにツッコみが入り、最後のセッションは明るい中で。確かに息があってた。


常識を無視した激烈演奏 + ちょっぴりのアホ要素。あんなに楽しそうに叩く吉田達也さんははじめて見ました。良い意味でくだけてる。



満足度の高いライブだったのでコレ以上のモノは……と思ってたらメインのPAKがこれまたスゴかったです。


PAK

アメリカからやってきたベーシスト・RON ANDERSON、サックス・吉田野乃子さん、そして吉田達也さんのスリーピース。おそらくRON以外は変動的なメンバー。


明るい照明に対してRONがジョークで「Just like PUNK!*2」と言ってたけど、音もまさにパンクでした。


ノイジーなサックスがいるのでフリージャズは経由してるし、吉田達也さんのドラムはプログレ的。でもRONの勢いのあるベースプレイ*3の存在が強く、パンキッシュにかっ飛ばした演奏。難しい印象はまったくのゼロ。


モッシュが起こってもおかしくないドライブ感のある演奏でめっちゃテンションあがりました。
吉田野乃子さんのサックスは、フレーズはノイジーなんだけど音色が女性らしい優しい感触で耳に心地よかったです。他の即興/フリージャズのサックスプレイヤーとはちょっと違うかったなぁ。
演奏は激しいけど吉田さんとRONでキャッチーとも言えるメロディ(?)を弾いてたりするんですよね。


途中にVamilliaのボーカル2人が登場してスペシャルセッション。全員で”ケ・ツ・ノ・ア・ナ”を連呼する謎の曲。外国人になんて単語を教えてるんだw
でもこれが普通にかっこええのですよ。


パンクロックの勢い meets フリージャズ。NATSUMENがスリーピース・パンクバンドになったみたいな印象でした。


楽しみながらアガった!
RONの陽気なキャラも大きく貢献してるのは間違い無しです。笑顔でめっちゃ楽しそうに演奏する。こういうのええなー。






吉田さんは本当に叩きっぱなしでした。
でもこの人のドラミングは高速で手が動いてても力が入ってる感じがしないというか、まったく疲れなさそうな綺麗な叩き方をしてる。こっちも見てて疲れません
バンドとバンドの間の休憩時間に「ひとっ風呂浴びてきたわー」みたいな感じで首にタオルかけて涼しい顔でラウンジで雑談してるのがすげーと思いました。


最初から最後まで音量デカくて耳ヤバかった。叩きっぱなしの目的は鼓膜破壊かー。


こんだけすごかったのに客は30〜40ぐらい。PAKに至っては20人ぐらいしか残ってなかったんじゃなかろうか?いいもん見れました。

*1: たぶん相対性理論の人もいた気がするけど顔がわからず……

*2:照明が明るいだけの金のかかってないパンクを指してるのだと思う

*3:ROVOの原さんと同じモデルのベース