soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/05/10 モーモールルギャバン @ なんばHatch

ライブの無期限休止宣言をしたモーモールルギャバン。パンティコールに代表するライブパフォーマンスでのし上がってきたバンドなのでびっくりです。
このなんばHatchが大きい会場ではラストのライブ。ちなみに本当の最後はこのすぐ後にある被災地・石巻でのライブです。


最後のライブとはいえ特別なことはやりませんでした。特別レア曲もない。特別ゲストも無い*1。湿っぽいMCも震災に触れるMCもない。
調子に乗るゲイリー。釘を刺すユコカティ。静かに2人を笑って見れるTマルゲリータ。わざとそうしてるんじゃないかってくらいにいつも通りでした。


一部の曲ではサンバダンサー(?)が登場しましたが、これも似たような演出を最近していたはず。派手やかでモールルのカオス、サイケデリックな部分が強調されていいですね。フレーミング・リップスや最近のDevin Townsendに通じるものがある。


ゲイリーの明らかに無駄な動き(主に肩)が多いドラミングは変わらないなぁとか、Tマルゲリータは昔から良いベースライン弾くよなぁとか、ユコカティはテクニカルなプレイするようになったよなぁって懐かしさとか色んな感情が浮かびながら見てました。


シャングリラで対バン1番目とか出てた時に比べると、大舞台でも映えるライブ運びをするようになったと思いました。ゲイリーのドラムが一段せり上がった舞台に登ってるように見える。
それゆえかシンプルな部分の良さや初期衝動は表出しにくくなったのかもしれない。”破壊的なJ-POP!”で突き進んできたのもここらでひとる変わらないと行けないのかも。ライブを休止に踏み切ったのわかる…と正直思ったりもしました。


セトリはオールタイム・ベストな全活動を網羅するセトリ。たっぷり2時間30分やってくれました。
2ndから多かったのが意外。いま聴くと悪くないなぁ。サイケに踊れるグルーヴがある。
3rdからが意外に少ない。シリアスすぎる?
1stの曲は爆発力があります。初めてモールルのライブに行ってあまりの良さに号泣しながら手拍子した「Ca☆Na」が無かったのは残念。


一曲目はインストの「MAD MADONNA
ライブで初めて聴くけどめっちゃいいなー。開放感あるサビ(?)部分でグワッとくる。ドヤ顔でドラム叩くゲイリーに笑わされました。

「いつか君に殺されても」「BeVeci Calopueno」「ATTENTION!」と3rd&2ndの曲がきてこの日一つ目の1st曲「琵琶湖とメガネと君」。最前の客のメガネを借りてかけたままドラムするゲイリー。返しに行くタイミングが次の「パンティ泥棒の唄」の『3時間後に返す』なのに爆笑。ゲイリーの叫ぶパンティーの色と一緒に変わるライティングにも笑わせていただきました。

「Hello!! Mr.Coke-High」「細胞9」「野口、久津川で爆死」「POP!烏龍ハイ」とノリの良い曲を続けてドロップして前半戦終了。「〜烏龍ハイ」はホントに名曲。でも昔と感じ方が変わったのはなんでだろう。シャープさじゃなくて大きさになってる?


ここからはバラードタイム。「Good Bye Thank You」「悲しみは地下鉄で」と完全にバラードなモードへ。照明が綺麗でウットリしました。
”バラード続きでおもいっきり空気変えちゃったけどどう戻す”と思ったけど「コンタクト」「愛と平和の使者」で元に戻して「新曲」を披露。うーむ、初聴でガツンと来るものはなかったけどもところどころオッとなるパートはあった。続いて「LoVe SHouT!」で最新のモーモールルギャバンを披露してラストスパートへ。「サノバ・ビッチェ」「ユキちゃんの遺伝子」「ユキちゃん」イントロが聴こえた瞬間にフロアが湧くの必須な強力曲の連発。こんときの盛り上がりはすごかったです。ユキちゃんは連続で。なぜか順番逆。「ユキちゃんにフラれた」はありませんでした。


本編のラストに「サイケな恋人」最後のパンティコール。ドラムイントロを聴くのも最後か……。アレは何度聴いてもドキドキするなぁ。ゲイリーのパンツはくまモンでした。


アンコールその1。
「僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ」メッセージ性の高い3rdを象徴するこの曲をアンコールに持ってきたかー。それはいまのモールルを表す大きな意味があることだと思います。
「美紗子に捧げるラブソング」で一度引っ込むけどもダブルアンコールあり。


”大阪にはとても育てられた”と感謝の言葉を喋るゲイリー。冷静に喋ってたけど、この一日の中でここだけちょっと泣きそうにも見えました。短いMCでシンプルな言葉だったけど強く胸に響きました。関西のバンドだもんな!
「裸族」バカになれからの名パートでアガるアガる。最高です。
正真正銘のラストは「スシェンコ・トロブリスキー」。とにかく全力で楽しもうと曲のあいだずっと飛び跳ねてた気がします。まさにバカになる!


ダンサーと客をバックに記念撮影して本当にサヨウナラ。


集大成であるし、良くも悪くも昔とは違う今のモーモールルギャバンによるライブでした。
ライブに行く回数が増えたころに出会ったバンドで思い入れも強いです。3rdは3.11から踏ん切りを付けられた一枚で助けられました。また震災後のゲイリーを主にした活動には心を打たれました。
音源中心になるのか、何かが変わってまたライブに戻ってくるのか、まったくわからないけどとりあえずの一区切り。
とりあえず今は言えるのは何度も最高の音楽でバカになって踊らせてくれて、ありがとうございました!


【セトリ】
MAD MADONNA
いつか君に殺されても
BeVeci Calopueno
ATTENTION!
琵琶湖とメガネと君
パンティー泥棒の唄
Hello!! Mr.Coke-High
細胞9
野口、久津川で爆死
POP!烏龍ハイ
Good Bye Thank You
悲しみは地下鉄で
コンタクト
愛と平和の使者
(新曲)
LoVe SHouT!
サノバ・ビッチェ
ユキちゃんの遺伝子
ユキちゃん
サイケな恋人

僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ
美紗子に捧げるラブソング

裸族
スシェンコ・トロブリスキー

*1:野口を呼ぶ予定もあったけど旅行中で無理だったとか