soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/05/19 白波多カミン[HIROSHI/FUJIWARA/岡野太/HAJIMETAL] @ 難波ベアーズ


大好きな白波多カミンさん、4月に発売されたニューミニアルバム「くだもの」のレコ発。メンバーが一新されたバックバンドを携えての待ちに待ったワンマン!!


通路がS字になってる変則的な椅子配置に戸惑いながら最前に座る。去年の夏服スーツで腹が苦しい……(太り過ぎです)。
ベアーズ常連や女性アーティストファンな雰囲気のするお客さんも入り平日のベアーズにしてはなかなかの人入り。




この日は2部制でした。


1部はソロ弾き語り。
1stの「コトバのうら」から。幾度となく聴いてるイントロ*1がアコギで奏でられます。そしてカミンさんの第一声『川の石を拾って〜♪』から身体全体に鳥肌が立ちました。カミンさんの歌声は脳で考えて感動するとかじゃなくて生理的にゾワゾワっとします。僕の身体を形作っている細胞がカミンさんの声と共鳴しやすいんでしょうか。


ギターも歌も研ぎ澄まされてる。僕はカミンさんの発する音は冷たくて鋭い氷みたいな感じます。でもその発生元はとても人間的な体温がある。その奇妙なバランスが好きです。そして楽曲のメロディセンスが素晴らしい!やっぱ好きな曲ばっかりだー。
昔に比べて目を見開くことは少なくなった気がします。そのぶん表情の表現力(?)が凄くなってる。顔のアップを撮ってるだけでPVが一本できそうだな、なんて思いました。


二曲目に僕がカミンさんにハマったキッカケの「size」。今回と同じく弾き語りしてるこの曲を見て衝撃を受けたのを思い出しました。
次に『予感だけがする東京』って歌詞が大好きな「わたしの東京」を歌った後にカバーを二曲。くるりの「男の子と女の子」とキタムラリョウさんの「あめ玉」。どちらも歌詞がすんなり頭の中に入ってくる。「男と子〜」とかあんまり歌詞を意識して聴いたことなかったから”こんなことを歌ってたんだ”と自分のなかで消化することができました。


アコギを置いてピアノ(キーボード)へ向かい、新譜で一番好きな曲「Tel.」今回のレコ発はこの曲の弾き語りが是非見たかった!ハジメタルさんがピアノを弾くんじゃなくて、カミンさん自体がピアノを弾いて歌う。その小さな夢が叶いました。よかったなぁ。
次に新曲を披露して一部終了。東京に移ってから…の曲ですね。くだものの延長線上にある良い曲でした。




2部はバンド編成。メンバーはHIROSHI(奇形児)/FUJIWARA(サバートブレイズ)/岡野太(非常階段)/HAJIMETAL(ex.ミドリ)と目玉が飛び出るほどのスーパーバンド。そんな素敵な人たちがまさかのスーツで揃えて登場。カッコエエ!特に岡野さん渋すぎです。その頼もしさからワンピースの表紙絵でスーツで決めてる麦わらの一味がぽわ〜んと頭によぎりました。
今までの白波多カミンバンドとはだいぶ印象が違いました。とても丁寧といいますか。「くだもの」というアルバムらしいバンド。演奏力はいわずもがな。たまに息が合ってないとこも見受けられましたが爆発したときのパワーはすごい。特に岡野さんの鬼のようなドラミングは圧倒されます。


カミンさんはボーカリストとしてはもちろんギタリストとしてもバックバンドに退けを取らない存在感。「ハイライト」からの繋いだ「頭脳戦」の終盤では高速ストロークをかまし、しまいには痙攣するように掻きむしってました。
バンド編成が進むにつれ1部でのほんわかした様子が変わってきてしだいに憑かれたように目は虚ろに。見開きも増えてきた。どんどん狂気的かつ妖艶になっていきました。カミンさんはノイズライブを経験して「セクシーな気分」と表現したらしいですが、この日も近いモノがあったのではないでしょうか?


ハジメタルさんとカミンさんのふたりで「収穫」。元々はそんな好きな曲じゃなかったんですが、ハジメタルさんのポップネスが化学反応してめっちゃ良かったです。
続いて初期の代表曲(?)「ランドセルカバー」をFUJIWARAさんのバイオリンも加えてトリオ。なんとなく”この曲はもうライブではやらないんじゃないかな?”と思ってたのでセトリに含まれてて嬉しかったです。アレンジも歌い方もあってか違う曲に生まれ変わってた気がします。グッときた。ちなみにこの時、後ろで岡野さんが演奏する3人をニヤッと笑いながら見つめててそれがまたカッコよかった(笑)


本編の最後は「くだもの」。この時はいままでの憑いてたモノが取れたように笑顔で歌ってました。一番前にいたから実際はわからないけど、客席からはカミンさん大好きなベアーズの人達が優しい笑顔を向けてたんじゃないでしょうか。


すぐにアンコールで登場。
まずは「本当の温度」。『君が私を否定しても 私は私を否定しない 君が君を否定しても 私は君を否定しない』の歌詞がが突き刺さりました。
最後は「生命線」で終わり。この曲のカミンさんの歌は力強いなぁ。




弾き語りとバンドそれぞれの良さがあって、そのどちらも堪能できた一夜!
音源化された曲はすべて演奏されましたが全部の曲がズブズブ心臓に刺さって”好きな曲ばかりだなー”と改めて感じながら聴いてました。この日のライブを見れて本当に良かったと強く強く思う!


【セトリ】
コトバのうら
size
わたしの東京
男の子と女の子 (くるり・カバー)
あめ玉 (キタムラリョウ・カバー)
Tel.
新曲


予感
ハイライト
頭脳戦
収穫
おはかのうた?(未音源化)
あたまいたい
ランドセルカバー
くだもの


本当の温度
生命線(未音源化)

*1:僕のwalkmanではライブ帰りのmy定番BGM「ラプソディア/山本精一」の次に「ランドセルカバーのゆくえ/白波多カミン」が流れるので聴く回数が多いのです