2014/05/29 Solas @ 梅田クアトロ

アメリカからやってきたアイリッシュ/トラッドフォークのバンド・Solasのライブに行ってきました。呼び屋はアイリッシュ系でおなじみのプランクトン。一年に1回はこういうの行きたくなります。




今回はSolasの中でも”シャムロック・シティ”というイベントの日本版。映像と一緒にアイルランド移民と炭鉱、労働の話を伝えるのを目的に開催されてるイベントだそうです。


その肝心の映像ですが……なんと字幕の表示がちゃんと日本語になってる!毎度ながらプランクトンのアーティストを大事にする姿勢には頭があがりません。*1また入場時には曲の背景解説が書かれたミニパンフレットも配布されました。




おかげで歌と伝えたい歴史の関係がすんなり頭に入ってきました。バンドのMCもとても丁寧に曲について語ってました。
当時のアメリカではアイルランド移民は苛まれていたらしいですがバンドの祖先が向かった町・ビュートだけは違う。そんな地へ向かう希望を感じたり、そんな場所でも荒くれた遊び場は存在していたり、労働に務める者もいたり……そんな情景が説教/勉強臭く無く伝わってきました。イベントの目的をしっかりと形にしてる。
なかでもメンバーの祖先マイケル・コンウェイの肖像をスクリーンに映して歌い上げるその曲名もずばり「マイケル・コンウェイ」はジーンと来るものがありました。


”歌え伝える”ということで前半はボーカル曲がメイン。
ボーカリストがツアー数ヶ月前に赤ん坊をお腹に宿したらしく飛行機は無理。ピンチヒッターとして初代ボーカリストのカラン・ケイシーが同行しました。
少し歳を感じる”マダム”と呼べるであろうルックスからは想像つかない可愛らしい高音。妖精みたいな歌声……ウィスパーボイスではなく少女の無垢なイメージの妖精を思い浮かべました。素晴らしい歌声でした!


もちろん演奏もしっかりしてる。笛の音が穏やかで気持ちいいなぁ。


最新作・シャムロックシティからの曲がほとんどで、最後にギャンブルについて歌ったちょいワルなムードがカッコイイ「Lay Your Money Down」で第一部が終わり。




15分ほどのインターバルを置いて二部へ。
こちらはシャムロックに限定しない”今のSolas”がたっぷり堪能できる構成でした。
持ち曲やトラディショナルな曲を次々と演奏。大好きな「Pastures of plenty」をやってくれたのはめっちゃ嬉しかったです。
フィドルとキーボードの2人で演奏した曲で『作曲者の第二夫人が亡くなった際に作った曲。調べていくと第一夫人に向けた曲は無かった」ってエピソードが個人的にヒットしましたw


LunasaやLauみたいなトランスじみた激テク熱狂ではない。優しい楽しさが充満していました。
なにより”歌”の質が高いのは確かな強み。ポップソング、ロックバラードでも通じそうなカラッとしたメロディーはとても聴きやすく、素直に心の扉をノックしてくれます。重くなりすぎないFromアメリカらしい歌/音楽。


移民の歴史があるからこの音楽/この場があると思うと泣けてくる。一部と二部は別モノのようでしっかりリンクしている気がしました。


最後はノリの良いインスト曲で各者のソロを披露。アイリッシュ系のソロってまったく休符がなくとにかく指が動きまくる。それが2分くらい続く。そりゃ心からの拍手をおくりますわなー。




シャムロックシティというコンセプトのメッセージ性、Solasとしての音楽の楽しさ。どちらも堪能できるすばらしいライブでした。


照明とジョークの掛け合いがあったり、急遽ピンチヒッターで元メンバーが戻ってきたり、字幕への日本語の配慮があったり……バンド、客、ライブハウス、イベンター。みんなの愛が感じられるライブ。その場に居ると幸せな気分になってすごく気持ちよかったです。



*1:プランクトンのブログを見るに、もしかしたらアーティスト側が日本語版を用意したのかもしれませんがそれも「日本のためにこれだけのことをしたい」と思う待遇をしているプランクトンは少なからず影響しているでしょう