soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/06/22 SHISHAMO @ 梅田クアトロ


3人組ガールズバンド・SHISHAMOのワンマン。
今回はツアー大阪公演だったシャングリラが即ソールドアウトしたので追加公演です。なんとこちらもソールドアウト。キテます。


客層は男女比が3:7くらい?若い人が多くてアラサーは完全にマイノリティでした。ただキャピキャピしたノリだけじゃなくロック好きそうな人らも多くて居心地はそれほど悪くもなかったです。


SAKEROCKのSEで登場して「君との事」でゆったりと始まり、MC無しでミドルテンポ曲を3曲ほど演奏。ところどころテンポがよれたりちょっと危なかしい。カミコべで見た時は演奏うまいなー、と感じたけど、ミドルの遅い曲になるとズレが目立つかなとも思いました。でもライブに没頭していくうちに演奏も良くなっていった気がします。スロースターター?
「バンドマン」あたりからエンジンがかかりだしてロックバンドなムードに。この曲の『ギターの”音”!』でドンドン!ってなるのがめっちゃ好きなんですよね。ライブでもそのアクセントはばっちし!


たぶんこのバンドは演奏的にはそこまでテクニカルなことはやってないと思います。それでも宮崎さんのギターソロとかはそこらへんのハードロックバンドより「うおっ!」ってなる。難しいことしなくても良いフレーズと面白いアイディアがあったらロックスターばりにかっこよくなれるってのがわかります。基本的だけど忘れがちなことかも。


3人の姿勢というか佇まいがまた良いです。 なんというかSHISHAMOってバンドにすごく”フィット”してる。客に対して少し斜めに構えてクールにベースを弾く松本さん、色々なスタイルのドラミングを力強く叩く凛々しい吉川さん。クラスの中心人部じゃないけどふつふつと才能を滲み出させてる感じの宮崎さん。 圧倒的なナニかでスター然としてるってより天性の人間性が浮かび出てSHISHAMOってバンドをとても心地よいバンドにしてるのかなあ、と。すごく自然にいる3人だけどこの3人が同じ学校に通って、同じ軽音部に入って、同じバンドにいるってのは奇跡的だなぁと思いました。*1


MCもバンドであり、それ以前に学生時代の友達なのがわかる。なんかダウンタウンみたい。プロらしくないしゃべり方は好き嫌い分かれそうではありますが。
松本さんの喋らなさは良いポジションですね。*2MCを振られたのに手で「次行こ」って合図した時がおもしろかったー。


ライブ中でロックされたのが「サブギターの歌」。ラストのテンポアップするパートで照明をフラッシュさせながらガーっとやるのがカッコよすぎるがな。SHISHAMOでこういうカッコよさを感じるとは思わなかったから度肝抜かれました!


逆にゆったりゾーンでは「がたんごとん」の歌詞がスッと入ってきて心地よかったです。CDで聴くより歌詞が響きました。『人にどう見られるかを必要以上に気にして 席が空いてもすぐには座らない』とかあるあるとか思いながら揺れてた。
「あの子のバラード」。SHISHAMOのダークサイドがチラ見する歌詞を笑顔で歌っちゃう宮崎さんは完全普通の女の娘とは少し違うセンスを感じたりもしました。3人とも良いキャラですが中でも宮崎さんはカリスマ性がふつふつと出てる。


あとライブだとよくわかるのが、曲構成がよくあるパターンの(Aメロ→サビ)×2→ブリッジ→サビのあとに、軽くジャムるような歌無し演奏パートをいれて終わるのが面白い。狙ってやってるというよりたまたまそんな曲作りになってる気がします。
フロアは曲によっては軽いモッシュもあり。個人的にはSHISHAMOは全然モッシュありえる曲もあると思います。ただ1〜2名いきすぎな人もいた気も。背中から突っ込んでいくようなバンドではないかなー、と。

新曲も計5曲あり。
お披露目タイムでやった3曲は珍しく女性目線でのストレートな恋愛ソングに、前半シャッフルリズムでまったりしておいて中盤からガラッと変わってハードコアばりに激しくなる曲。後者は初の松本さん作詞らしいですが曲調が歌詞に合わせた展開をしてるようでこういう化学反応もあるんだなぁ、と。
またワンピースって歌詞が登場する新曲では、Aメロでのドラムンっぽいタイトなドラム、MIWAみたいな早口になるサビ、変拍子でキメまくるパートもあり、と新機軸がいっぱいですごく面白かったです。しかもその要素が全部良い方向い動いてる。めっちゃ気に入りました!
終盤にやった追加公演から初披露という曲は陽気なガレージR&Rでこれまた今までとはちょっと違うテイストに挑戦してて良かった。
総じて新曲は次が楽しみになるのばかりで……まだまだSHISHAMOは期待できる!と確信できました。


本編クライマックスは、イントロで大歓声が湧いた「僕に彼女ができたんだ」→所有率90%ぐらいのSHISHAMOタオルがクルクル回った「タオル」*3→「恋する」で終了。


アンコールでは「第3ボタン」。人気のある曲のわりに個人的にはそこまでピンとこなかったのですが……生で聞くと宮崎さんのパーソナルな気持ちが歌にこもっててグッときました。
最後に新シングル曲の「君と夏フェス」をかまして終了。良い笑顔でステージを去って行きました。




いやー、良いライブ良いワンマンを見ました。
SHISHAMOの楽曲と彼女達3人のキャラが生み出すSHISHAMOってバンドをたっぷり堪能しました。惜しむらくは一番好きな「熱冷まシート」がなかったこと。シャングリラではやったみたいです。ピンポイントでやらなかったー。


11月にはなんとBIGCATでワンマン2DAYだそうです!もうそんな人気になったか〜。今度こそ「熱冷まシート」を聴くためにもぜひ行きたい!



*1:この考えがライブ中に浮かんだとき、バカ正直にロックする3人が集まったギターウルフという奇跡が頭をよぎりました

*2:ダウンタウンって書いたあとに松本ってかくとそれこそ松ちゃんみたいだなww

*3:僕は数少ない別タオル(カミコベ14)でした……