soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/06/25 BADBADNOTGOOD、WONDER HEADZ @ CONPASS

ベースミューミュジック/ダブステップのカバーなどもプレイするインストトリオ・BADBADNOTGOOD(BBTN)のライブに行ってきました。最高だった!


2012年にエレグラでTNGHTが来日時にyoutubeで彼らのカバーを発見し衝撃。その時はどういったバンドが詳細不明。音源もBandcampにしか無い。大学のカバーバンドにも見えるし、日本に来ることは絶対にないと思ってました。それがTyler, the Creatorに発見されて話題になっているのをタワレコで知り、来日も発表されたときは店内で声をあげて喜びました。

日本ではまだ一部でしか話題になってないのか客入りはそこそこ、といったところ。6〜7割くらいかな?

Wonder Headz

NABOWAのリズム隊ふたりによるテクノユニット
(NABOWAでの)ドラマーがシーケンサーやビートを担当し、ベーシストがベースやギターで色をつけていくスタイルでした。


テクノで音色が明るい。KRAFTWERKアウトバーンダフトパンクに通じる明るさ&爽やかさでした。
この明るさは脳が良い方向に反応してくれる……と同時に決定的にどこかの音域が抜けていた気もして、なんだか違和感も感じました。うーむ、惜しい。


後半はシリアスなテクノの色が強くなっていきました。途中でNABOWAの「pulse」のフレーズを混ぜてくるのはニクすぎる。これで完全にノックダウンされました。
前半こそ違和感を感じたものの、最終的には気持ち良く踊らさせてくれました〜。


BADBADNOTGOOD

ジャズ、ヒップホップ、ベース、ダブステ、テクノ、ロックなど様々な音楽要素をハイブリッドした音を奏でる彼ら。ジャズバンドとして取り上げられることが多いですが、僕の中では「ベース・ミュージックを激ラウドに生演奏する人たち」って印象があります。


初のメジャー流通になる最新アルバムがジャズ色が強いオサレおとなしい曲調で「あれ?こんな感じになってるのか」と思ってました。僕が見た2年前の「bugg'n」の雰囲気じゃないかも。これはセトリに入ってないかもなぁ、と思ってました。


で、いざライブがはじまると……めっちゃ激しい!たしかにフレーズはジャズではあるんですが、演奏のパワフルさが人力トランスやサイケデリックのソレに近い。どんどんテンションあげてカタルシスへ導いていく演奏にぶっ飛びました。
キーボードは首を振り回しつつ、手は痙攣してるかのように常に連打。ベースは高く構えてメロディアスに這い回ってる。ドラムはジャジーな細かいフレーズをヘヴィロックばりにラウドに叩くドラムの演奏力は特に凄まじかったです。
曲アレンジメントはオサレ。演奏は問答無用に激しい。これぞ僕が思い描いてたBBNGです。その音がまさに目の前で展開されている感動はとてつもないものがありました。



セトリは最新CDからメイン。
CDと同じく「Triangle」でスタートしたのですが……曲の印象がCDと全然違う!ライブのほうが3倍くらい激しいです。
次の「Can't Leave The Night」も生演奏でFlying Lotus系のベース・ミュージックのノリを生み出してて超ドープ。引きからの爆発のパワーもものすごい。


「Eye Closed」ではしっかりベースの見せ場も作り、中盤でFlying Lotusのトリッキーなナンバー「Putty Boy Strut」をカバー。印象的な頭打ちのクラップを客のヘルプも仰ぎながら大々的にフューチャーして原曲以上に癖になる中毒性を生み出してました。ベースも見事にフレーズを再現してる。後半はぶっ壊れ気味のハードな演奏に。


「Kaleidoscope」「Hedron」と新譜の曲を演奏していき、ついにやってきたTNGHT「Bugg'n」のカバー!セトリに入っていたことに大喜び。しかも演奏は2年前に興奮した熱さそのまま……むしろ更にハードになってるかもしれない。
バンドもこの曲は暴れる曲として認識しているらしく”Everybody, Jump up as high as you can and move around!”とモッシュを煽ってくる。ジャズ・バンドと言われても大人しく見るバンドじゃないです。ロックなフロアが似合います。興奮の極みに達してる僕は当然ながら全力で飛び跳ねて前に突っ込んでいきました。何度も爆発パートがやってくる恐ろしい曲。最高です。


新譜からのラストは「CS60」。これまたサビ(?)でジャンプを煽る爆発力のある曲です。
本編の最後はTyler, the Creatorのカバーで「Bastard」と「Orange Juice」を合体させた曲。ラストは2ビートまで飛び出しそれこそハードコアモッシュを誘発させるようなアグレッシブさ。全力っぷりがすごかったです。




アンコールはあったんですが……メンバーが引っ込んでからアンコールの拍手が始まるまでちょっとの間がありました。「これで終わりでもおかしくないな」ってぐらいに満足度と濃度の高いライブだったからでしょう。僕はそうでした。


MCでは何度も遠い日本に来れたことを感謝してました。
アンコールの「DMC」の最後の一音を出す前にMCがあって……「みんなが俺たちの音楽をシェア(共有)してくれたから来日できた」「だから君たちも良い音楽はまわりにシェアしてほしい」と熱いメッセージを投げてから終演。
ほんとにタイラーがシェアしたからタワレコで声をあげちゃうようなまさかの来日が実現したんでしょう。このMCには熱くなりました。



いやー、満足度めちゃくちゃ高かった!最高中の最高でした!!
なによりライブにおける演奏の激しさが僕の好みに直撃でした。フレーズはオサレなはずなのにライブでこの3人が演奏すると爆発しまくりのパワフルなサウンドになる。今回の来日を見逃さなくて本当に良かったです。2年前に「あるはずない。けどあったらいいな」と思ってた夢が叶いました。しかも最高の形で。ナニがあるかわからないものです。